投資調査部　鈴木　英之

5月の日経平均株価は月末終値が17,251円36銭となり、前月末比3.4%上昇して取引を終えました。追加緩和が期待されていた4/28（木）の日銀金融政策決定会合で「緩和見送り」となり、同日に円高・株安となった流れが5月の月替わりになっても続きました。日経平均株価は4/28（木）に624円安となった後、5/2（月）は連休の谷間という事情も手伝い前日比518円安と波乱の月替わりになりました。ただ、外為市場では5/3（火）に海外市場で105円台半ばの円高・ドル安水準を付けた後は円高が一巡。その後は米国経済指標改善もあり、徐々に円安・ドル高に転じました。日経平均もこれと合わせる形で上昇し、サミット後の経済対策への期待もあり、月末にはプラス圏に浮上して取引を終えました。

個別銘柄の物色動向をみると、5月の当社売買代金ランキング（買い）では、スマホゲーム株人気がランキングに反映されており、ブランジスタ （6176）が4位に新規ランクイン、アカツキ （3932）が5位にランクアップしています。バイオ株では、唯一、そーせいグループ （4565）が2位にとどまっています。燃費不正問題の三菱自動車工業（7211）は株価が乱高下し、9位にランクアップしています。
はじめてお取引された銘柄（現物）では、株価が急落した三菱自動車工業（7211）が1位に新規ランクアップしました。4月に減少した株主優待銘柄が復活しており、6位にヤマダ電機（9831）、9位にすかいらーく（3197）、10位に三越伊勢丹ホールディングス（3099）が新規ランクインしています。
また、はじめてお取引された銘柄（信用）では、スマホゲーム「神の手」人気のブランジスタ（6176）が2位に、アスコット （3264）が4位に新規ランクインしています。燃費不正問題のスズキ（7269）が7位に新規ランクインしています。
ETF/ETN人気ランキングでは、上位10銘柄の中で、日経平均株価に関する銘柄が5銘柄と人気でした。リバウンド相場入りした原油に関する銘柄も3銘柄と人気となっています。

6月の日経平均株価は波乱含みの展開が予想されます。6/3（金）に発表された5月の米雇用統計が予想を大幅に下回り、外為相場が一気に106円台まで円高・ドル安になるなど波乱のスタートになったためです。日経平均株価は16,000円を下値支持ラインとして波乱含みの展開になりそうです。ただ、米景気回復にブレーキがかかった形になった分、6/16（木）に結果発表の日銀金融政策決定会合への関心度は高まったように思われます。6/23（木）には「英国によるEUからの離脱」を問う国民投票が同国で実施される予定で、結果いかんによっては大波乱になる可能性もあり注意が必要です。