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2019年の国内株式
2019年に関しては、少なくとも年前半は相場全体が急回復するのはやや難しい可能性が高い
2019年の新興市場の展望は?
昨年の新興市場は、マザーズ指数で見ると1月22日の高値1,367ポイントから、ほぼ年間を通して下落基調となり、年末には838ポイント(12/20時点)と39%近く下落しました。流動性が小さく、内部蓄積も不十分な成長途上の企業が多いため、リスクオフの局面では、日経平均などに比べ新興株市場の下落率が大きくなる傾向が表われました。
2019年に関しては、少なくとも年前半は相場全体が急回復するのはやや難しい可能性が高いと思われます。世界的な景気や企業業績の減速が予想されるためです。日本個別の要因としては消費税の引き上げを控えている点も指摘されます。このため新興株市場は前半に関しては底値固めの時期と考えられます。
ただし、後半に関しては、米中貿易摩擦での進展、金融市場の変化(米国金利の低下など)、消費税引き上げに対応した経済対策などをきっかけに、相場が大きく反転する可能性もあると思われます。その際には新興株市場のリバウンドは日経平均などよりも大きくなることが予想されます。
2019年の注目の投資テーマは?
息の長いテーマとして「AI関連」に引き続き注目しています。「AI」の適用事例が拡大しつつあり、注目されてきた「AI」開発系企業の利益が黒字転換や大幅増益になるなど、収益実体が伴ってきたことが根拠です。今後も「AI」の適応分野は拡大の一途と想定しています。この関連では2019年にも立法化されそうな「デジタルファースト法」(行政手続きの電子化)も見逃せません。この他では2019年は消費税増税の年でもあり、「キャッシュレス決済」にも注目しています。
2019年の投資戦略は?
2019年は世界景気および企業業績の減速が予想される中、株式投資、中でも値動きの激しい新興株市場への投資には注意を要するのではないでしょうか。PERの上昇に期待するのは難しくなると思われ、ここは基本に立ち返りEPSの上昇が期待できる個別銘柄に投資対象を絞り込むのが得策と思われます。IPO銘柄に関しても、マザーズ市場のように赤字会社の上場もありますが、収益の裏付けが乏しい銘柄への投資は慎重に判断したいものです。逆に相場全体が不振なため、ファンダメンタルズや成長ストーリーに変化がないのに株価が大きく下落した銘柄に関しては、底値で拾うチャンスとなる可能性があり、積極的に対処したいと考えます。
長谷川 稔(はせがわ みのる)
SBI証券 投資情報部 シニアアナリスト
福島県福島市出身。1979年北海道大学経済学部卒業後、大和証券調査部に入社し証券アナリスト業務を開始。91年以降はSGウォーバーグ、BZW、ドイチェなどの外資系投資銀行で鉄鋼・非鉄など素材産業を中心に調査・分析を行ってきた。99年からはバイサイドに転じ、三井住友アセットマネジメントで素材産業や中小型株のアナリストとして年金基金および投資信託の運用に直接携わってきた。2017年3月より現職。幅広いセクター経験、機関投資家としての運用実績を生かして、有望個別銘柄の発掘に注力。
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