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2019年の国内株式
株式市場では「新元号」関連銘柄として、印刷株や現金取扱機に関連する銘柄が注目される可能性
2018年を振り返ると?
2018年は後の時代に「あそこが大きな転換点だった」と言われるような年になったのではないでしょうか。2012年11月にスタートした「アベノミクス相場」も7年を超え、日経平均株価は一時「バブル後高値」を示現するまで回復しましたが、年後半は急速に失速してしまいました。米国の景気拡大を味方に途中まで上昇した2007年相場の再現のような状態になっています。自由貿易体制や中央銀行の独立、西側諸国の安保体制など、基本的なシステムが動揺した中で年末・年始を迎える形になりました。
2019年の日本市場の展望は?
2018年が2007年相場の再現であったとすると、2019年相場は2008年相場の再現になると考えられるので、波乱の年になるかもしれません。米中貿易摩擦を背景に、企業の設備投資が世界的にブレーキがかかる状態になることが危惧される上、10月からの消費税引き上げにも注意しなければなりません。このため、3月決算の上場企業が業績予想を公表する4月から5月にかけ、売りが増えやすくなる可能性があります。年前半は日経平均株価が2万円割れのまま推移している可能性もありそうです。
なお、こうした業績予想の発表が行われる決算発表時期に、2019年は「新元号」となり、それを祝って10連休となる予定です。喜ばしいことである反面、ポジションの取りにくいタイミングでもあるため、株価が安値をつける可能性もありそうです。仮に、消費税引き上げのタイミングでも株価の下落が想定されるなら2番底となる可能性があります。
なお、第2次世界大戦後の米ソ冷戦がそうであったように、米中の新冷戦がチャンスになる銘柄も出てきそうです。また、仮に米中で妥協が成立すれば、相場の反転が急になる可能性もあります。年後半は再び、2018年につけた高値をターゲットにできるかもしれません。
日本市場における注目の投資テーマは?
前項でも触れたように、2019年は新天皇が即位され、新元号に代わる年でもあります。様々な困難が予想されそうですが、心機一転前向きな気持ちで迎えたいものです。株式市場では「新元号」関連銘柄として、印刷株や現金取扱機に関連する銘柄が注目される可能性があります。
ただ、テーマとしての大きさとしては「人生100年時代」に関連する銘柄も注目されそうです。人材サービスやスポーツジム、資格学校、介護、医薬など関連するサブテーマも幅広いため、今から銘柄を整理しておくとよいかもしれません。「5G関連」も引き続き注目されそうですが、中国の通信機器メーカーを除きながら設備投資をしなければいけない難しさがありそうです。我が国の伝統的な通信機器メーカーにチャンスがくるかもしれません。その他、AI関連株も息の長いテーマとして注目を怠れないと思います。
鈴木 英之(すずき ひでゆき)
SBI証券投資情報部長
(日本証券アナリスト協会検定会員)
早稲田大学卒。旧日栄証券(現SBI証券)入社、リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。ウエルスアドバイザー株式会社(調査分析部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオNIKKEI(月曜日)、ストックボイス(木曜日)等でコメントを発信中。ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。
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