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2024-04-29 10:45:56

2024年原油市場動向見通し

2024/1/10
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

2023年の原油市場は、年初は中国の「ゼロコロナ政策解除」による経済活動再開期待で上昇したが、期待ほどではなかったとして、むしろFRBの利上げ継続と米景気の先行指標である米ISM製造業指数の減速で水準を切下げる動きとなっていたが、7月からサウジアラビア・ロシアの自主減産に加え、悪化していたはずの米ISM製造業指数が改善したことで「景気回復局面下での減産」が材料視され大幅な上昇となった。その後、イスラエルに対してガザ地区に展開するイスラム武装組織「ハマス」が攻撃を実施、それに対する報復措置としてイスラエルがガザ地区に対して大規模な攻撃・軍事侵攻を行ったため、中東有事発生リスクを材料に一時100ドルを目指す動きとなった。しかし、報道や各国の対応を見るに、イスラエルのガザに対する攻撃の影響が他中東産油国に拡大しないのでは、との安心感が広がり、供給面の不安が後退。さらにOPECプラス会合で協調減産が合意に至らなかったことで、さらに水準を切下げた。

2024年はまず、OPEC諸国の自主減産が実際に始まることからいったん買い戻しからスタートした。しかし、欧米の利下げが想定よりも遅くなる見通しが示されていることで金利が上昇、ドル高も進行しており水準を切下げた。その後、リビアのシャララ油田の停止や、アラビア半島周辺の緊張の高まりから価格は再び上昇している。この動きを見るに、先々の価格はやはり景気動向、特に最大消費国である米国の景気動向に左右されるのがメインシナリオだが、下値は供給途絶リスクに繋がる地政学の問題で底堅いと考えるのが妥当だろう。今のところ米景気は早ければQ3/24年頃に底入れして回復基調に入ると期待されている。

原油価格とエネルギー最大消費国である米国のGDP(前期比)の原油価格に対する説明力は高く、昨年から直近までの原油価格の推移は概ね米国のGDP動向に影響を受けていることが分る。現在の市場コンセンサスではQ2/24年に景気が底入れして回復基調に入るとしているため、早ければ6月頃から原油価格は上昇すると予想される。ただ、弊社はIMFやFRBの予想を元にすると景気の底はQ3/24年の後半にずれ込むとみており価格上昇は秋以降になるのではないか。

出所:ICE、Bloomberg

ただし、今年の原油価格動向を占ううえで、OPECプラスの動向はやはり無視することはできない。今のところ、DOEのOECD在庫水準を基準に、2024年のBrent原油は、平均で80.21ドルを想定している。しかし、仮にOPECが▲220万バレルの減産を2024年一杯継続、OPECプラスの結束も揺らがなければ2024年のBrent原油平均価格は87ドルと、現在の水準から大幅に上昇することが予想される。特に景気が底入れして以降、仮に減産が遵守されていれば、いかにOPECであっても即時の増産ができる訳ではないこと、OPECプラスの結束は価格上昇時には強固になることが多いことを考えると、大幅な上昇となるリスクがあり、90ドルを超える上昇になる恐れがある。

逆に、下落シナリオも多い。既にアンゴラ・ナイジェリアがOPECを離脱することを表明しているが、OPECプラス諸国が協調できなかった場合、2024年の平均価格は77ドル程度になると予想される。恐らく、OPECプラスの結束が乱れれば景気の底と見られているQ2/24年〜Q3/24年に掛けて大幅な下落が懸念される。また、景気の底では「ショック」が発生しやすい。そのため、Q2/24年〜Q3/24年の急落リスクは小さくないとみる。また、現在の原油価格は米ISM製造業指数で説明可能な水準よりも高いが、これはOPECプラスの減産と脱炭素の影響で、非OPECプラスの増産が伸びていないことによって供給が十分でないことが背景にある。しかし、2014年と2020年のように減産が守られず増産が起きるようであればBrentで60ドル程度までの下落も有り得るだろう。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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