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金は買い戻されるが米インフレ動向を確認
2024/2/26
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金はガザの停戦交渉も焦点
2月19日の週のニューヨーク金市場は、ドル高一服を受けて買い戻し主導で堅調となった。中心限月となる4月限は8日以来の高値2,053.2ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退に変わりはないが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録発表後にドル高が一服した。議事録では、金利をいつまで現行水準に維持すべきかに不透明感が存在するなか、政策担当者の大半が尚早な利下げに対する懸念を示した。CMEのフェドウォッチで、米FRBの6月の利下げ確率は65.3%(前週55.3%)に上昇した。年末のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は4.50〜4.75%となり、利下げ幅は75ベーシスポイント(bp)と年初の150bpから当局者の予想と並ぶ水準まで縮小した。今週は29日に1月の米個人消費支出(PCE)デフレータの発表がある。事前予想は前月比0.4%上昇(前月0.2%上昇)、前年比2.4%上昇(同2.6%上昇)。前年比で伸びが鈍化するが、前月比で加速するとみられており、利下げ観測後退に変わりはないとみられる。
パレスチナ自治区ガザの停戦交渉が23日、パリで開かれ、一時的な停戦と人質解放で「大筋合意」に至ったと伝えられた。交渉は米国やエジプト、カタールが仲介し、イスラエルは交渉団を派遣した。イスラエル戦時内閣が承認し、ハマス側も合意すれば、具体的な交渉に入る可能性があるという。ただイスラエルのネタニヤフ首相は25日、「交渉で合意できたとしても、時期が多少遅くなるだけだ。作戦をいったん始めれば、われわれは数週間以内に完全な勝利を得られる」と述べ、ハマス壊滅を目指す意向を示した。
中国株式市場は春節休暇明け、中国当局の株安対策や政府系ファンドの買い支えを受けて堅調に推移した。中国人民銀行は、5年物の最優遇貸出金利(ローンプライムレート)を4.2%から3.95%に引き下げた。住宅ローンの主要指標金利を過去最大の幅で引き下げ、低迷する不動産セクターへの支援を強化した。また中国証券監督管理委員会(証監会)は、主要機関投資家に対し、株式市場の取引開始直後と終了直前に株式を売り越すことを禁止した。ただ不動産不況に対する懸念は残っており、中国当局の刺激策が発表されるかどうかを確認したい。
2月23日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比10.08トン減の827.81トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退に変わりはなく、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月20日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは14万0,262枚となり、前週の13万1,168枚から拡大した。今回は手じまい売りが6,471枚、買い戻しが1万5,565枚入って9,094枚買い越し幅を拡大した。
プラチナは戻り売りも900ドル割れで買い戻される
ニューヨーク・プラチナ4月限は、2日以来の高値921.7ドルを付けたのち、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表を控えて戻りを売られた。しかし、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を織り込み、ドル高が一服すると、900ドル割れで買い戻されて下げ一服となった。22日の上海プラチナの出来高が474枚に増加し、安値拾いの買いが入った。また米半導体メーカー、エヌビディアの好決算を受けてダウ平均株価が最高値を更新したことも下支えになった。ただ今週は29日に1月の米個人消費支出(PCE)デフレータの発表がある。インフレ懸念が残ると、高値での買いは見送られるとみられる。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、21日のロンドンで12.46トン(前週末12.46トン)、23日のニューヨークで32.00トン(同32.00トン)、22日の南アで11.73トン(同11.73トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月20日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは8,495枚となり、前週の1,938枚から拡大した。
ニューヨーク金はドル高一服で買い戻される
ニューヨーク金4月限は、ドル高一服を受けて堅調となり、8日以来の高値2,053.2ドルを付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を織り込むなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録発表後にドル高が一服したことを受けて買い戻された。CMEのフェドウォッチでは、利下げ開始時期が6月との見方がさらに強まった。今週は29日に1月の米個人消費支出(PCE)デフレータの発表がある。インフレ懸念が残ると、利下げ観測後退に変わりはないとみられる。
2月26日からの週の注目ポイント
26日 | 米新築住宅販売 2024年1月(商務省) | ☆☆☆ |
27日 | 消費者物価指数(1月) | ☆☆☆ |
米耐久財受注(1月速報) | ☆☆ | |
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(12月) | ☆☆ | |
米消費者信頼感指数(2月) | ☆☆ | |
28日 | NZ準備銀行政策金利公表 | ☆☆☆ |
米国内総生産(10-12月期改定値) | ☆☆☆ | |
米卸売在庫(1月速報) | ☆☆ | |
29日 | 鉱工業生産指数(1月速報) | ☆☆ |
小売業販売額(1月速報) | ☆☆ | |
独雇用統計(2月) | ☆☆ | |
独消費者物価指数(2月速報) | ☆☆ | |
米個人所得・支出(1月) | ☆☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
シカゴ購買部協会景気指数(2月) | ☆☆ | |
米中古住宅販売仮契約指数(1月) | ☆☆ | |
1日 | 労働力調査・失業率(1月) | ☆☆ |
中国製造業購買担当者景況指数(2月) | ☆☆ | |
中国非製造業購買担当者景況指数(2月) | ☆☆ | |
中国財新製造業購買担当者景況指数(2月) | ☆☆ | |
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(2月確報) | ☆☆ | |
ユーロ圏消費者物価指数(2月速報) | ☆☆☆ | |
ユーロ圏雇用統計(1月) | ☆☆ | |
米ISM製造業景況指数(2月) | ☆☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(2月確報) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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