先週の225先物は週間で590円安(下落率2.18%)の26,500円と大幅続落。
ウクライナ情勢を巡る緊張感が強まり、週明けから下落スタート。米ロ首脳会談が行われる方針と伝わったことで短期筋が急速に買い戻しに走ったことで下げ渋ったが、27,000円を割り込んだ。
22日は500円超下落。ロシアが親ロシア派の実効支配するウクライナ東部の一部地域の独立を承認、これを受けてバイデン米政権が経済制裁を発動すると発表したことでリスク回避の動きが加速した。
22、23日の米株式市場は連日の大幅下落。米ロの外相及び首脳会談が中止となり、外交的解決の希望が雲散霧消。
ロシアによるウクライナ侵攻が更に警戒されるなか、売りに拍車がかかった。
祝日明けの225先物も下落して始まると、昼頃には、ロシアがウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めたと伝わり、リスク回避の動きが加速。短期筋の先物売りが嵩んだことで一気に26,000円を割り込み、その後の夜間取引では25,590円まで下落した。
2月18日時点の裁定残高は、ネットベースで4,587億円の買い越し(前週は2,300億円の買い越し)と増加した。株数ベースでは、1億9,104万株の買い越しで、2月10日時点(1億1,920万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(2月18日時点)
TOPIX先物ではGSが売り方トップ
225先物では買い手口に目立った動きが見られず、裁定売りに伴いAアムロCが買い方トップとなった。一方、個人の日経レバの売買が活発化したとみられ、野村の手口が売り買いともに目立った。急落した24日にはBofA証券も1200枚超売り越した。TOPIX先物では、GSが大きく売り越し累計トップに。BofA証券は225先物同様に売り方上位に入った。急落した24日にJPモルガン、シティGが大量に買い越し意外な手口となった。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。なお、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。なお、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で0.21pt高(上昇率0.83%)の25.56と上昇した。ウクライナ情勢を巡る緊張感が高まるなか、株式市場は連日で大幅下落。一段の下落リスクに備えてプット(売る権利)を買う動きが活発化し、日経VIは24日には一時30.88まで上昇する場面があった。ただ、週末の買い戻し局面では反対にプットの手仕舞い売りが広がり、日経VIは大きく低下した。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は低下、ウクライナ情勢緊迫化で短期筋の225先物売買が加速
NT倍率(先物)は低下。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりを受けて、週初から株式市場は下落基調。週半ばの国内祝日の空白リスクを嫌気し、買いが手控えられるなか、短期筋の225型主導の先物売りがNT倍率を低下させた。祝日明けは、米ロ外相会談が中止となり、ロシアによるウクライナへの本格的な侵攻が警戒されるなか、リスク回避の動きが継続。昼頃にはロシアがウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めたことが伝わり、リスク回避の動きが加速。短期筋の225先物売りが膨らみ、24日のNT倍率は14ptを割り込んだ。週末は対ロ制裁第2弾が厳しいものにはならなかったことで、目先の安心感から買い戻しが加速し、NT倍率は14ptを回復した。
今週の225先物は引き続き神経質な展開か。
ウクライナ情勢を巡っては、急速に事態が悪化した分、ポジティブに捉えるならば織り込みもかなり進んだとみられる。
先週末にかけてはロシア・ウクライナの停戦交渉に対する期待も高まった。
しかし、首都キエフでの戦闘が続くなか停戦交渉が平和的な解決をもたらすのかには予断を許さない。
また、米欧で既に合意済みと報じられた国際決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシアの一部銀行排除や、その他の追加制裁が発動されるとなると、再び相場の急落に繋がりかねないだろう。
他方、今週は3月2〜3日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言が予定されており、利上げやバランスシート縮小の時期、ペースに関する発言に注目だ。
足元、ウクライナ情勢を巡る先行き不透明感で利上げが後ずれするのではないかといった期待を高めている向きもいるようで、注意が必要だろう。
加えて、ISM景況指数や週末の米雇用統計など重要な経済指標の発表も多く、内容を見極めたいとの思惑から、積極的な買いは手控えられる可能性がある。
買い手に欠くなか、売り方に優位な地合いが続くと想定され、短期筋による先物主導の売り仕掛けには引き続き注意したい。今週の225先物予想レンジは26,000-27,500円とする。
経済スケジュール(2月28日〜3月5日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
---|---|---|---|---|
2月28日 | 月 | 国内 | 08:50 | 鉱工業生産指数(1月) |
08:50 | 小売売上高(1月) | |||
08:50 | 百貨店・スーパー売上高(1月) | |||
14:00 | 住宅着工件数(1月) | |||
海外 | 09:30 | 豪・小売売上高(1月) | ||
16:00 | トルコ・GDP(10-12月) | |||
17:00 | スイス・GDP(10-12月) | |||
19:30 | 印・財政赤字(1月) | |||
21:00 | 印・GDP(10-12月) | |||
21:00 | 印・インフラ産業8業種(1月) | |||
21:00 | 印・年間GDP予想(2022年) | |||
21:00 | 南ア・貿易収支(1月) | |||
22:30 | 加・経常収支(10-12月) | |||
22:30 | 米・卸売在庫(1月) | |||
23:45 | 米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(2月) | |||
モバイル・ワールド・コングレス(MWC)(3月3日まで) | ||||
3月1日 | 火 | 国内 | 09:30 | 製造業PMI(2月) |
14:00 | 自動車販売台数(2月) | |||
海外 | 09:30 | 豪・経常収支(10-12月) | ||
10:30 | 中・製造業PMI(2月) | |||
10:30 | 中・非製造業PMI(2月) | |||
10:30 | 中・総合PMI(2月) | |||
10:45 | 中・財新製造業PMI(2月) | |||
12:30 | 豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(2月) | |||
22:00 | 独・消費者物価指数(2月) | |||
22:30 | 加・GDP(10-12月) | |||
23:45 | 米・製造業PMI(2月) | |||
24:00 | 米・ISM製造業景況指数(2月) | |||
24:00 | 米・建設支出(1月) | |||
米・自動車販売(2月、2日までに) | ||||
G7財務相・中央銀行総裁会議 | ||||
米・バイデン大統領の一般教書演説 | ||||
3月2日 | 水 | 国内 | 08:50 | 設備投資(10-12月) |
08:50 | 企業利益(10-12月) | |||
08:50 | 企業売上高(10-12月) | |||
08:50 | マネタリーベース(2月) | |||
10:00 | 営業毎旬報告(2月28日現在、日本銀行) | |||
海外 | 09:30 | 豪・GDP(10-12月) | ||
14:00 | 印・製造業PMI(2月) | |||
17:55 | 独・失業率(失業保険申請率)(2月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(2月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏生産者物価指数(1月) | |||
22:15 | 米・ADP全米雇用報告(2月) | |||
24:00 | 加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
26:00 | ブ・週次景気動向調査 | |||
27:00 | ブ・貿易収支(2月) | |||
米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院金融委員会で半期に1度の議会証言 | ||||
米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表 | ||||
米・シカゴ連銀総裁が講演 | ||||
米・セントルイス連銀総裁が講演 | ||||
「OPECプラス」閣僚級会合 | ||||
3月3日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
09:30 | サービス業PMI(2月) | |||
09:30 | 総合PMI(2月) | |||
10:30 | 中川日銀審議委員が京都府金融経済懇談会であいさつ、同記者会見 | |||
14:00 | 消費者態度指数(2月) | |||
海外 | 08:00 | 韓・GDP(10-12月) | ||
09:30 | 豪・貿易収支(1月) | |||
10:45 | 中・財新サービス業PMI(2月) | |||
10:45 | 中・財新総合PMI(2月) | |||
16:00 | トルコ・消費者物価指数(2月) | |||
16:00 | マレーシア・中央銀行が政策金利発表 | |||
16:30 | スイス・消費者物価指数(2月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(2月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(2月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏PPI(1月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏失業率(1月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(2月) | |||
22:00 | ブ・製造業PMI(2月) | |||
22:30 | 米・非農業部門労働生産性(10-12月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
23:45 | 米・サービス業PMI(2月) | |||
23:45 | 米・総合PMI(2月) | |||
24:00 | 米・製造業受注(1月) | |||
24:00 | 米・ISM非製造業景況指数(2月) | |||
米・パウエルFRB議長が上院銀行委員会で半期に1度の議会証言 | ||||
米・ニューヨーク連銀総裁が討論会出席 | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(2月会合分) | ||||
3月4日 | 金 | 国内 | 08:30 | 有効求人倍率(1月) |
08:30 | 失業率(1月) | |||
海外 | 14:00 | 印・サービス業PMI(2月) | ||
14:00 | 印・総合PMI(2月) | |||
16:00 | 独・貿易収支(1月) | |||
16:00 | 独・経常収支(1月) | |||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(2月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏小売売上高(1月) | |||
21:00 | ブ・GDP(10-12月) | |||
22:30 | 米・非農業部門雇用者数(2月) | |||
22:30 | 米・失業率(2月) | |||
22:30 | 米・平均時給(2月) | |||
中・人民政治協商会議(政協)開幕 | ||||
3月5日 | 土 | 海外 | 中・全国人民代表大会(全人代)開幕 |
- 提供:フィスコ社