先週の225先物は週間で610円安(下落率2.20%)の27,090円と3週ぶり反落。
米1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回って40年ぶり過去最大の伸びを記録。セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言もあり、10年国債利回りは2%を超えた。
さらに、米政府がロシアによるウクライナ侵攻の可能性を警告したことも警戒感を高めさせ、週初からリスク回避の動きが先行した。地政学リスクがくすぶるなか、15日には225先物は一時26,700円まで下落。その後、ロシアが軍の一部撤収を発表しウクライナ情勢を巡る緊張感が緩和されると、16日には一転して大幅反発。
また、注目の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(1月開催分)で想定以上にタカ派的な内容が確認されなかったことで安心感が強まると、17日には225先物は一時27,480円まで回復した。
しかし、同日午後に入って、ウクライナ軍が同国東部の親ロシア派地域に対して迫撃砲を撃ち込んだと伝わると再びリスク回避の動きが広がり、短期筋主導で先物売りが膨らんだ。
2月10日時点の裁定残高は、ネットベースで2,300億円の買い越し(前週は3,167億円の買い越し)と減少した。株数ベースでは、1億1,920万株の買い越しで、2月4日時点(1億3,126万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(2月10日時点)
225先物売り方では国内勢が上位占める
225先物の売り方上位には国内勢が並んだ。プットオプションの売買が膨らむなか、オプションの売り手である証券会社がヘッジ手段として先物売りを行ったことが背景にあると推察される。
一方、買い方では個人の日経レバの売買が活発化したとみられ、SBIが上位に入った。TOPIX先物では、売り方でJPモルガンが小幅ながら売り越し基調。
買い方ではBofA証券が16、17日に1,000枚超買い越した一方、GSやモルガンSは1,000枚超の買い越しと売り越しが混在し、明確な方向感は見られなかった。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。なお、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。なお、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で3.38pt高(上昇率15.38%)の25.35と上昇した。
米1月CPIや米1月生産者物価指数(PPI)の予想比上振れや連銀総裁のタカ派発言で金融引き締め懸念が高まるなか、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクも急速に高まった。
下値不安が高まるなか、プットオプションが出来高を伴いながら買われたことで、日経VIは大きく上昇した。
ボラティリティ
NT倍率(先物)はもみ合い、外部環境の不透明感強く方向感定まらず
NT倍率(先物)はもみ合いの末に小幅な上昇にとどまった。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めに加え、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの報道など、外部環境の不透明感に日々一喜一憂する展開。ボラティリティー(変動率)が高まるなか、ハイテク・グロース(成長)や景気敏感・バリュー(割安)の間の物色動向も定まらず、先物市場でも225型、TOPIX型で指数の優劣に差が付きにくかった。
また、手口でも、両先物ともに売り買いがほぼ拮抗していたことも背景にあった。
今週の225先物は引き続き神経質な展開か。
米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めへの思惑がくすぶるほか、急速に緊張感を高めているウクライナ情勢を巡る地政学リスクが引き続き相場を翻弄しよう。
こうしたなか、日米ともに主要企業の決算発表が一巡し、注目度の高い経済指標の発表も多くない。
外部環境の落ち着きを見極めるために様子見ムードが広がるなか、これまでの現物株主体の取引から一転して、先物主導の相場展開となろう。
ヘッドラインに反応した短期筋主体の取引がほとんどで、引き続き荒い値動きが予想される。
一方、先週の先物手口を見ると、オプション取引に係る国内証券のヘッジ売り以外では目立った手口は少ない。
商品投資顧問(CTA)などの動向を表しやすいCSにも目立った動きは見られず、先物売買はごく一部の短期筋によるものとみられ、トレンドフォロワー型の筋は現在の225先物の27,000円前後レベルでは一方に傾ける気はないのかもしれない。
また、TOPIX先物の手口でも引き続き海外勢の動きは売り買い混在で、明確な方向感を欠いている。
つまり、ほとんどの投資家が今は様子見を決め込んでいる可能性が高く、仮に相場が一時的にどちらか一方に大きく振れても、持続性に乏しく、すぐに値を戻すような展開が想定される。
そうした意味では、短期の値幅に一喜一憂するのは賢明ではないといえよう。なお、週末にはFRBが注目する米1月PCEコアデフレーターが発表予定。今週の225先物予想レンジは26,400-27,500円とする。
経済スケジュール(2月21日〜2月26日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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2月21日 | 月 | 国内 | 09:30 | 製造業PMI(2月) |
09:30 | サービス業PMI(2月) | |||
09:30 | 総合PMI(2月) | |||
10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) | |||
15:00 | 工作機械受注(1月) | |||
海外 | 10:15 | 中・1年物ローンプライムレート(LPR) | ||
10:15 | 中・5年物ローンプライムレート(LPR) | |||
10:30 | 中・新築住宅価格(1月) | |||
10:30 | タイ・GDP(10-12月) | |||
17:30 | 独・製造業PMI(2月) | |||
17:30 | 独・サービス業PMI(2月) | |||
17:30 | 独・総合PMI(2月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(2月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(2月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(2月) | |||
18:30 | 英・製造業PMI(2月) | |||
18:30 | 英・サービス業PMI(2月) | |||
18:30 | 英・総合PMI(2月) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
27:00 | ブ・貿易収支(先週) | |||
米・ニクソン大統領訪中から50年 | ||||
欧・欧州連合(欧)外相理事会 | ||||
米・株式市場は祝日のため休場(プレジデンツデー) | ||||
2月22日 | 火 | 国内 | 08:50 | 企業向けサービス価格指数(1月) |
10:00 | 営業毎旬報告(2月20日現在、日本銀行) | |||
CaSyが東証マザーズに新規上場(公開価格:1350円) | ||||
海外 | 18:00 | 独・IFO企業景況感指数(2月) | ||
20:00 | ブ・FGV消費者信頼感(2月) | |||
23:00 | 米・FHFA住宅価格指数(12月) | |||
23:00 | 米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(12月) | |||
23:45 | 米・製造業PMI(2月) | |||
23:45 | 米・サービス業PMI(2月) | |||
23:45 | 米・総合PMI(2月) | |||
24:00 | 米・消費者信頼感指数(2月) | |||
米・2年債入札 | ||||
米・アトランタ連銀総裁がオンライン討論会に参加 | ||||
決算発表 ホーム・デポ、HSBCホールディングス | ||||
2月23日 | 水 | 国内 | 株式市場は祝日のため休場(天皇誕生日) | |
海外 | 10:00 | NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | ||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(先週) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏CPI(1月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(2月22日まで1カ月間) | |||
20:00 | ブ・FGV建設コスト(2月) | |||
21:00 | ブ・拡大消費者物価指数(IPCA-15)(2月) | |||
21:30 | ブ・経常収支(1月) | |||
21:30 | ブ・海外直接投資(1月) | |||
米・5年債入札 | ||||
英・ベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁が議会委証言 | ||||
決算発表 イーベイ、ステランティス、バークレイズ、リオ・ティント、レノボ | ||||
2月24日 | 木 | 国内 | 10:10 | 国債買い入れオペ(残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) |
14:30 | 全国百貨店売上高(1月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(1月) | |||
BeeXが東証マザーズに新規上場(公開価格:1600円) | ||||
海外 | 06:45 | NZ・貿易収支(1月) | ||
17:00 | 台湾・GDP(10-12月) | |||
21:00 | ブ・全国失業率(12月) | |||
21:30 | ブ・融資残高(1月) | |||
21:30 | ブ・ローン残高(1月) | |||
21:30 | ブ・個人ローン・デフォルト率(1月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
22:30 | 米・GDP改定値(10-12月) | |||
24:00 | 米・新築住宅販売件数(1月) | |||
韓・中央銀行が政策金利発表 | ||||
米・7年債入札 | ||||
米・アトランタ連銀総裁がオンライン討論会に参加 | ||||
米・クリーブランド連銀総裁が講演 | ||||
英・ベイリー中央銀行総裁が会議で開会の挨拶 | ||||
決算発表 デル、モデルナ、アクサ、アリババ | ||||
2月25日 | 金 | 国内 | 08:30 | 東京CPI(2月) |
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
14:00 | 景気一致指数(12月) | |||
14:00 | 景気先行CI指数(12月) | |||
17:00 | 国債買い入れ日程(3月、日本銀行) | |||
新型コロナ感染症対応の金融支援特別オペ(日本銀行) | ||||
マーキュリーリアルテックイノベーターが東証マザーズに新規上場(公開価格:1270円) | ||||
海外 | 06:45 | NZ・小売売上高(10-12月) | ||
16:00 | 独・GDP改定値(10-12月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライ(1月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏景況感指数(2月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(2月) | |||
20:00 | ブ・FGVインフレIGPM(2月) | |||
21:30 | ブ・純債務対GDP比(1月) | |||
21:30 | ブ・基礎的財政収支(1月) | |||
22:30 | 米・個人所得(1月) | |||
22:30 | 米・個人消費支出(1月) | |||
22:30 | 米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(1月) | |||
22:30 | 米・耐久財受注(1月) | |||
24:00 | 米・中古住宅販売成約指数(1月) | |||
24:00 | 米・ミシガン大学消費者マインド指数(2月) | |||
欧・ユーロ圏財務相会合 | ||||
欧・非公式欧財務相理事会(26日まで) | ||||
決算発表 BASF | ||||
2月26日 | 土 | 海外 | 決算発表 バークシャー |
- 提供:フィスコ社