<今週の動きと週間見通し>

米インフレ関連指標に注目、早期利下げ期待続くか

5月6日−9日の米国株式市場で、NYダウは大幅に上昇した。6日のNYダウは4日続伸した。前週末3日の米4月雇用統計で、非農業部門の雇用者数が季節調整済みで市場予想平均に届かず、利下げ期待が強まった動きが継続。イスラム組織ハマスがイスラエルとの休戦案を受け入れると報じられたことも支えとなった。7日のNYダウは5日続伸。米金利の年内利下げへの期待が継続した。8日のNYダウは6日続伸、FRB（米連邦準備制度理事会）による利下げ期待が相場の支えとなった。NYダウの6日続伸は、23年12月7日から19日までの9連騰以来、約5カ月ぶり。9日もNYダウは上昇し、7連騰となった。失業件数の増加を受け、雇用に対するひっ迫感が後退。FRBが利下げに動きやすくなるとの期待感が台頭し、株価を押し上げた。
5月13日−17日は、上値の重い展開か。6日の週にNYダウは前週から1,000ドル以上上昇しており、利益確定が出やすい状況にある。米企業の四半期決算発表が一巡しつつある中、米経済指標の結果に一喜一憂する展開が続きそうだ。主な米経済指標は4月CPI（消費者物価指数）、4月小売売上高。米国は景気後退とインフレが同時に進行するスタグフレーションの懸念も指摘されており、インフレの高止まりが意識されるようだと株価にはマイナスの材料となる。
中東情勢にも注意を払いたい。イスラエルとハマスのパレスチナ自治区ガザでの停戦交渉は合意に至らなかったと伝わっており、ガザ最南部ラファでの戦闘激化が懸念される。また、米国はイスラエル軍がラファへ大規模な侵攻をした場合、武器や弾薬の供給を停止する方針を示しており、欧米諸国との協調が乱れ、中東情勢が一段と不安定化するリスクがある。