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日本投資戦略 〜解散・総選挙は日本の株式市場にどのような影響を与えるか〜
2012/11/22
投資調査部
野田総理の「11月16日解散、12月16日投開票」というサプライズ発言により、米国株式市場が大きく下げる中、日経平均は連騰し、ほぼ2ヶ月ぶりに終値で9,100円台を維持している。(2012年11月19日現在)
円相場も大きく動いており、1ドル=81円台と約7ヶ月ぶりの円安水準まで円が売られている。今回の株価上昇の大きな要因として、この円安が挙げられるだろう。前回のレポートでは米国大統領選後の為替相場について、アノマリーを見ながら、今後はドル高・円安傾向というレポートを書いたが、いまのところはまさにその通りになっている。
そこで、今回も日本の解散・総選挙について、過去のデータからアノマリーを見つけてみようと思う。下表をご覧頂きたい。今回の解散・総選挙を除けば、1990年以降、我が国では7回の解散・総選挙が行われている。それぞれに名前がつけられているわけだが、今回はこの7回の解散・総選挙において、解散日から投開票の前営業日までの日経平均とTOPIXの騰落率を時系列で表にまとめている。
表1:日経平均とTOPIXの解散日から投開票までの騰落率(1990年〜直近)
解散内閣/解散名称 |
||||
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解散日 |
日経平均/TOPIX |
投開票 |
日経平均/TOPIX |
騰落率 |
第1次海部内閣/消費税解散 |
||||
1990/1/24 |
36,779 |
1990/2/16 |
37,460 |
1.9% |
2,705 |
2,746 |
1.5% |
||
宮沢内閣/嘘つき解散 |
||||
1993/6/18 |
19,805 |
1993/7/16 |
20,332 |
2.7% |
1,587 |
1,653 |
4.1% |
||
第1次橋本内閣/小選挙区解散 |
||||
1996/9/27 |
21,547 |
1996/10/18 |
21,612 |
0.3% |
1,622 |
1,615 |
-0.4% |
||
第1次森内閣/神の国解散 |
||||
2000/6/2 |
16,800 |
2000/6/23 |
16,963 |
1.0% |
1,556 |
1,558 |
0.1% |
||
第1次小泉内閣/構造改革解散 |
||||
2003/10/10 |
10,786 | 2003/11/7 |
10,629 |
-1.5% |
1,074 |
1,045 |
-2.7% |
||
第2次小泉内閣/郵政解散 |
||||
2005/8/8 |
11,779 |
2005/9/9 |
12,692 |
7.8% |
1,192 |
1,293 |
8.5% |
||
麻生内閣/政権交代解散 |
||||
2009/7/21 |
9,652 | 2009/8/28 |
10,534 |
9.1% |
902 |
969 |
7.5% |
日経平均は6勝1敗、TOPIXは5勝2敗。平均騰落率はそれぞれ3.0%、2.7%となっている。これだけ見れば、解散後(つまり今回は11月16日)に日経平均のインデックスETFや投信を買っていた場合、終値が9,024円だったことを考えると、平均騰落率を考えれば9,294円前後までの上昇を想定できたわけである。
そうなると、現在の終値が9,153円であることから、もう少し上値は追えそうである。しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、今回の日本株の上昇はあくまで期待感が先行しているということである。米国株式市場が「財政の崖」などを理由に(この部分に関しては別途レポートを参照頂きたい)連日下落していることを考えると、グローバルに株式市場を見た時に、日米株式市場を比較すると、米国株式市場の方が値頃感が出てしまうこと。また、前述の通り期待感が先行して円安が進み、その結果日経平均が上昇していることを考えると、何かのきっかけで期待感が剥落し、為替が再度円高方向に進んだ場合、一気にこれまでの上げ幅を消してしまう可能性が十分にあることである。
この相場に乗っていきたくなる気持ちは分かるが、キャッシュ・ポジションの調整や、ベア型、インバース型のETF等をうまく活用しながら、リスク管理をしっかりとしたうえで、今回の上昇相場には参加すべきだと考える。
キャッシュポジションの調整をファンド内でし、リスクコントロールしてくれるETF
コード |
銘柄名 |
概要 |
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今すぐ取引 |
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1567 |
TOPIXリスクコントロール指数(ボラティリティ5%)は値動きが激しくなる時は株式の比率を少なくし、現金の比率を増やし、値動きが穏やかになる時は株の比率を高める事で指数自体の変動を抑える効果を果たしています。 |
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1574 |
TOPIXリスクコントロール指数(ボラティリティ10%)は値動きが激しくなる時は株式の比率を少なくし、現金の比率を増やし、値動きが穏やかになる時は株の比率を高める事で指数自体の変動を抑える効果を果たしています。 |
対象指標に対して前日比で反対(-1倍)の変動率となるETF(ベア型・インバース型ETF)
コード |
銘柄名 |
概要 |
今すぐチェック |
今すぐ取引 |
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1569 |
TOPIXの前日比変動率(%)の−1倍となるように計算された、TOPIXインバース(-1倍)指数に連動するETFです。 |
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1571 |
日経平均株価の前日比変動率(%)の−1倍となるように計算された、日経平均インバース・インデックスに連動するETFです。 |
対象指標に対して前日比で2倍の変動率となるETF
コード |
銘柄名 |
概要 |
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今すぐ取引 |
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1568 |
TOPIXの前日比変動率(%)に2倍を乗じた変動率となるように計算された、TOPIXレバレッジ(2倍)指数に連動するETFです。 |
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1570 |
日経平均株価の前日比変動率(%)に2倍を乗じた変動率となるように計算された、日経平均レバレッジ・インデックスに連動するETFです。 |
(参考)解散総選挙発表日の11月14日から11月19日までの上昇率上位銘柄(日経平均採用銘柄中)
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