先週の日経225先物は週間で1,000円安の31,020円と続落。週明けは前週末につなぎ予算が成立して米政府機関の閉鎖が土壇場で回避されたことや、9月全国企業短期経済観測調査(短観)の改善を背景に買い戻しが先行し、日経225先物は一時32,410円まで上昇した。
しかし、つなぎ予算の成立は米政府閉鎖の問題を先送りにしたに過ぎないとの見方から、先行き不透明感が漂うなか急失速、結局、週明けは31,820円と高値から600円近くも下落して終えた。
その後、米求人件数が予想に反して増加したことで米長期金利が急伸、リスク回避の売りが広がり、日経225先物は2日の200円安に続き、3日に620円安、4日に800円安と大幅下落が続いた。
一方、5日は620円高と急反発。米ADPの民間雇用者数が予想を下回ったほか、賃金上昇ペースの鈍化も確認されたことで、米長期金利が低下に転じた。
目先の安心感と直近の急落を受けた短期的な底入れ感を背景にヘッジファンドなどの短期筋の買い戻しが強まった。
週末は買い戻しが続き上昇する場面もあったが、米雇用統計と国内3連休を控えるなか様子見ムードが強く、もみ合いにとどまった。
9月29日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆1,756億円の買い越し(前週は1兆4,501億円の買い越し)と減少した。
一方、株数ベースでは、5億638万株の買い越しで、9月22日時点(5億7,269万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残
日経225先物で海外勢の売り越し目立つ
日経225先物の売り方ではモルガンS、バークレイ、JPモルガンなど海外勢が上位に並ぶ。週末はGSも売り越し。買い方では裁定売り(現物売り・先物買い)が強まり、AアムロCが大幅に買い越し。大和、野村の国内勢がこれに続いた。一方、TOPIX先物の売り方ではJPモルガンが大きく売り越し、前週売り方上位だったBofAはこの週も上位に入った。GSは週初と週末の売り越しが目立った。みずほは週前半を中心に大幅に売り越した。買い方では225先物で売り方上位だったモルガンS、バークレイが大きく買い越し。ドイツは週末にかけて買い越し基調。
日経225先物手口(期近)週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
今週の日経225先物は強含みか。注目の米9月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回り、金融引き締めが長期化する懸念を高める内容だった。
ただ、米長期金利は発表直後に急伸したもののその後は上げ幅を縮め、ピークアウト感が見られつつある。
また、米雇用統計については平均時給が市場予想を下振れており、インフレ収束への期待も残る格好となった。
先週末の米株式市場でもハイテク株を中心に大幅に反発しており、金利上昇を背景としたリスク回避ムードはいったん小休止する可能性があろう。
今週は米国で卸売物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているが、総じて伸びの鈍化傾向が再確認される見込みだ。
予想通りとなれば、足元で原油市況が下落していることもあり、インフレ収束期待が高まる形で金利低下・株価上昇が見込めそうだ。
一方、先週は日経225先物が商品投資顧問業者(CTA)の損益分岐点とみられる3万1,100円を割り込んだことで損切りが拡大した。
機械的なポジションの清算はまだ序盤との指摘もある。
ほか、先週の手口をみるとJPモルガンやBofA、GSなどの売り越しが目立ち、短期筋だけでなく実需筋も売り手に回っている様子。
地合いは良いとはいえず、週末のオプションSQに向けては神経質な展開が続きそうだ。
今週の225先物予想レンジは30,500−31,800円とする。