先週の日経225先物は週間で410円高の32,560円と反発。
国内3連休や週末にかけて控える米インフレ指標の発表を前に全般は模様眺めムードが強かった。
ただ、為替の円安・ドル高基調が総じて相場を下支えしたことに加え、日本及びの米国の国債入札で堅調な需要が確認され、日米長期金利の上昇が一服したことが投資家心理を改善させた。
一方、予想を下回った中国7月貿易収支や格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる中小銀10行の格下げなどが重しとして働いた。
週末は、8月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買が交錯するなか、225先物は取引開始直後に一時32,010円まで下落した。
一方、為替の円安進行や時間外取引のナスダック100指数先物の上昇を背景に、心理的な節目の手前から切り返すと、午前中ごろには前日比プラス圏に浮上。
その後は取引終盤まで緩やかながら値を切り上げる展開となり、節目の32,500円も上回って週を終えた。なお、SQ確定値は32,013.86円だった。
8月4日時点の裁定残高は、ネットベースで6,338億円の買い越し(前週は9,989億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、2億8,131万株の買い越しで、7月28日時点(4億3,207万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(8月4日時点)
売り方は裁定業者、TOPIX先物ではGSが買い越し転換
日経225先物の売り方では裁定業者のAアムロCが大幅な売り越し基調となった一方、買い方では前週に売り方上位だったドイツが小幅ながら買い越し基調となった。
TOPIX先物の売り方では裁定業者のソジェンやAアムロCのほか、BNPパリバ、JPモルガンが売り越し基調となった。一方、買い方では前週大きく売り越していたGSが一転して大幅に買い越した。
日経225先物手口(期近)週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で1.63pt安の19.23と低下。
日経225先物が32,000円を意識した底堅さを度々見せるなか、こうした下値の固さを受けてオプション市場ではプットの手仕舞い売りが進み、日経VIは週を通じて低下基調となった。
9月限オプション取引の建玉状況
<コール>
35,000円:約7,700枚
34,000円:約10,000枚
33,000円:約8,300枚
32,500円:約4,800枚
<プット>
30,000円:約18,400枚
31,000円:約10,800枚
32,500円:約5,300枚
32,000円:約4,600枚
32,500円:約2,400枚
ボラティリティ
NT倍率(先物)は小幅に低下、原油高や円安でTOPIX先物型優位
NT倍率(先物)は小幅に低下。前の週に株式市場の下落を誘発していた日米長期金利の上昇が一服したものの、現物市場では引き続きハイテク・グロース(成長)株の上値の重い展開が続いた。
一方、原油市況の上昇や為替の円安進行を背景に景気敏感株を中心に買われる展開となった。
こうした背景から、先物市場でも日経225先物よりはTOPIX先物が相対的に優位の展開が継続し、NT倍率の低下につながった。
先物手口ではゴールドマン・サックス(GS)が大幅にTOPIX先物を買い越していたことも影響したとみられる。
今週の日経225先物は神経質な展開か。
米7月消費者物価指数(CPI) が前年同月比で予想を下回った一方、米7卸売物価指数(PPI)は総じて予想を上回り、原油市況も上昇基調にあるなか、米追加利上げ懸念がくすぶっている。
米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が「まだやるべき仕事がある」などと発言したほか、米30年物債入札が冴えない結果だったこともあり、11日の米10年債利回りは4.15%と、8月3日に付けた高値に迫っている。
今週も米長期金利の動向が市場の攪乱要因となりそうで、注意が必要だ。一方、為替の円安が一段と進行しており、ドル円は145円乗せを窺っている。
ただ、円安基調は225先物の下支え要因になるものの、145円台を超えてくれば、財務省による為替介入も意識され、一段の円安は期待しにくい。
こうした懸念もあってか、連休中の225先物は32,500円を割り込んできている。
オプション市場で8月限に続き、9月限でも30,000円を中心に現値水準より大幅に下方の権利価格行使帯にプットの建玉が積み上がっていることも気がかり。
米ゴールドマン・サックスのモデルによると、ディーラーのS&P500指数のオプションのポジションは先週、今年初めてショートガンマに転じたとの指摘も一部で伝わっている。
米市場を中心に相場下落時に売りが加速しやすい点にも留意しておきたい。今週の225先物予想レンジは31,500−33,000円とする。
経済スケジュール(8月14日〜8月20日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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8月14日 | 月 | 国内 | 決算発表 朝日インテ、凸版印刷、電通G、光通信 | |
海外 | 15:30 | 印・卸売物価指数(7月) | ||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
21:00 | 印・消費者物価指数(7月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(先週) | |||
印・輸出(7月、15日までに) | ||||
印・輸入(7月、15日までに) | ||||
印・貿易収支(7月、15日までに) | ||||
パラグアイ・頼清徳台湾副総統が訪問(16日まで) | ||||
決算発表 鴻海精密工業 | ||||
8月15日 | 火 | 国内 | 08:50 | GDP速報値(4-6月) |
10:00 | 営業毎旬報告(8月10日現在、日本銀行) | |||
海外 | 10:20 | 中・1年物中期貸出ファシリティ金利(16日までに) | ||
11:00 | 中・鉱工業生産指数(7月) | |||
11:00 | 中・小売売上高(7月) | |||
11:00 | 中・固定資産投資(都市部)(7月) | |||
11:00 | 中・不動産投資(7月) | |||
11:00 | 中・住宅販売(7月) | |||
11:00 | 中・調査失業率(7月) | |||
15:00 | 英・失業率(7月) | |||
15:00 | 英・ILO失業率(3カ月)(6月) | |||
18:00 | 独・ZEW期待指数(8月) | |||
18:30 | 南ア・失業率(4-6月) | |||
21:30 | 米・輸入物価指数(7月) | |||
21:30 | 米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月) | |||
21:30 | 米・小売売上高(7月) | |||
21:30 | 加・消費者物価指数(7月) | |||
23:00 | 米・企業在庫(6月) | |||
23:00 | 米・NAHB住宅市場指数(8月) | |||
29:00 | 米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(6月) | |||
米・ミネアポリス連銀総裁が講演 | ||||
米・アジア太平洋経済協力会議(APEC)エネルギー相会合(21日まで) | ||||
パラグアイ・ペニャ元財務相が大統領就任 | ||||
独・2年債入札 | ||||
決算発表 ホーム・デポ | ||||
8月16日 | 水 | 国内 | 10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存5-10年、残存25年超)(日本銀行) |
決算発表 パンパシI | ||||
海外 | 10:30 | 中・新築住宅価格(7月) | ||
11:00 | NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
15:00 | 英・消費者物価コア指数(7月) | |||
15:00 | 英・生産者物価産出指数(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏GDP改定値(4-6月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏鉱工業生産(6月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(先週) | |||
21:30 | 米・住宅着工件数(7月) | |||
21:30 | 米・住宅建設許可件数(7月) | |||
22:15 | 米・鉱工業生産指数(7月) | |||
22:15 | 米・設備稼働率(7月) | |||
27:00 | 米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月25-26日会合分) | |||
米・頼清徳台湾副総統がサンフランシスコ立ち寄り(17日まで) | ||||
独・15年債、30年債入札 | ||||
決算発表 テンセント・ホールディングス、JDドットコム、シスコシステムズ | ||||
8月17日 | 木 | 国内 | 08:50 | コア機械受注(6月) |
08:50 | 貿易収支(7月) | |||
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
13:30 | 第3次産業活動指数(6月) | |||
14:00 | 首都圏新築分譲マンション(7月) | |||
海外 | 10:30 | 豪・失業率(7月) | ||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(先週) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏貿易収支(6月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IGP-10)(8月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(8月) | |||
23:00 | 米・景気先行指数(7月) | |||
決算発表 ウォルマート、アプライド | ||||
8月18日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(7月) |
海外 | 15:00 | 英・小売売上高指数(7月) | ||
17:30 | 台湾・GDP(4-6月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏CPI(7月) | |||
米・日米韓首脳会談 |
- 提供:フィスコ社