先週の日経225先物は週間で500円高の32,770円と反発。
週明けは、日本銀行の金融政策決定会合で政策維持の公算が大きいとする報道を受けて為替の円安が進むなか買いが先行し、大幅高で始まった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に消化し、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を受けて利上げサイクル終了の期待が高まると、27日には買いが再燃し一時32,900円を超えた。
しかし、週末28日は波乱の展開となった。日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)を柔軟化する見込みとの観測報道を受け、朝方から円高・株安の動きが先行。
実際に金融政策決定会合で政策修正が発表されると一時前日比920円安の32,000円まで下げ幅を拡大した。
ただ、植田総裁の会見を見極めたいとの思惑が働くなか、心理的な節目までの下落で目先の達成感も台頭したのか、その後は終盤にかけて再び買い戻しが入り、結局、前日終値近い水準にまで下げ幅を縮めて終えた。
7月21日時点の裁定残高は、ネットベースで9,113億円の買い越し(前週は8,563億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでは、4億1,021万株の買い越しで、7月14日時点(3億9,630万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(7月21日時点)
ドイツ証券は2週連続で売り方上位に入る
日経225先物の売り方では商品投資顧問(CTA)との連動性が高いドイツ証券が2週連続で上位に入った。
週末はJPモルガンが大きく売り越し。買い方では野村が買い越し基調でトップとなったほか、SMBCが週末に大幅に買い越し、国内勢が上位に並んだ。
一方、TOPIX先物の売り方では、225先物と同様、ドイツ証券が2週連続で上位に入った。週末にかけてはBofAが売り越し基調となった。買い方では、GSが小幅ながら買い越し基調でトップとなり、BNPパリバがこれに続いた。
日経225先物手口(期近)週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で1.22pt安の18.59と低下。
日経225先物はレンジ相場を続け、週末には乱高下するなど引き続き方向感に乏しい展開だった。ただ、オプション市場では週を通してプットが売られる一方、コールが買い優勢の展開となり、日経VIの低下につながった。
8月限オプション取引の建玉状況
<コール>
35,000円:約7,600枚(前週末比+0枚)
34,000円:約6,600枚(+1,200枚)
33,000円:約7,600枚(+900枚)
32,500円:約4,900枚(+600枚)
<プット>
30,000円:約19,100枚(+700枚)
31,000円:約7,100枚(−200枚)
31,500円:約4,600枚(+600枚)
32,000円:約4,300枚(+700枚)
32,500円:約5,700枚(+700枚)
ボラティリティ
NT倍率(先物)は一進一退、日銀金融政策決定会合を巡る乱高下で方向感定まらず
NT倍率(先物)は方向感に乏しい展開の末、小幅に上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)に加え、日銀金融政策決定会合を巡る複数の観測報道を背景に週末まで為替市場や株式市場が乱高下した。
株式市場でも物色動向が定まりにくいなか、NT倍率は週を通して一進一退となり、方向感に乏しい展開が続いた。
今週の日経225先物は強含みか。
先週末の米国市場は個人消費支出(PCE)コアデフレーターや4−6月期雇用コスト指数が市場予想を下回ったことで利上げサイクル終了の期待が高まり、ハイテク株を中心に大幅反発、日経225先物も夜間取引の間に33,000円を再び超えてきた。
日銀の政策修正を巡ってはまだ市場の見方は定まっていないようだが、「緩やかな修正は健全」とのポジティブな捉え方がやや優勢な様子。
CTAとの連動性の高いドイツ証券が直近2週間連続して売り方上位だったこともあり、一部の短期筋には買い余力が残っていると思われ、こうした背景も指数の上昇につながりそうだ。
一方、今週は企業決算の発表が本格化するため、現物市場での個別株物色が中心となろう。このため、先物市場が主導する形で相場の方向性がつくられるのはもう少し先になりそうか。
週末には米雇用統計も発表される。米国ではインフレ鈍化と利上げサイクル終了の期待が高まっているが、27日には経済指標が軒並み予想を上回って追加利上げ懸念が再燃する場面もあった。
米長期金利の動向にはまだ注意を要し、米雇用統計が近づくタイミングでは膠着感が強まりそうだ。今週の225先物予想レンジは32,500−33,500円とする。
経済スケジュール(7月31日〜8月6日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
---|---|---|---|---|
7月31日 | 月 | 国内 | 08:50 | 日銀金融政策決定会合議事録公表(2013年1-6月開催分) |
08:50 | 小売売上高(6月) | |||
08:50 | 百貨店・スーパー売上高(6月) | |||
08:50 | 鉱工業生産指数(6月) | |||
14:00 | 消費者態度指数(7月) | |||
14:00 | 住宅着工件数(6月) | |||
Laboro.AIが東証グロースに新規上場(公開価格:580円) | ||||
決算発表 商船三井、小野薬、第一三共、大塚HD、HOYA、JT、塩野義薬、マキタ、パナソニック | ||||
決算発表 大和証券グループ本社、コエテクH、三菱電、京セラ、みずほFG、TOTO、大ガス | ||||
決算発表 そなホールディングス、三井住友FG、ZOZO、村田製、京成電鉄 | ||||
海外 | 10:30 | 中・製造業PMI(7月) | ||
10:30 | 中・非製造業PMI(7月) | |||
10:30 | 中・総合PMI(7月) | |||
17:00 | 独・GDP速報値(4-6月) | |||
17:30 | 香港・GDP(4-6月) | |||
18:00 | 欧・消費者物価コア指数(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏GDP速報値(4-6月) | |||
19:30 | 印・財政赤字(6月) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
21:00 | 印・インフラ産業8業種(6月) | |||
22:45 | 米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(7月) | |||
オーストリア・核拡散防止条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会(8月11日まで) | ||||
8月1日 | 火 | 国内 | 08:30 | 有効求人倍率(6月) |
08:30 | 失業率(6月) | |||
09:30 | 製造業PMI(7月) | |||
決算発表 セガサミH、双日、三井物、アステラ薬、大塚商会、MUFG、阪急阪神H、JR西日本、野村HD、ローム、JAL、トヨタ | ||||
海外 | 10:45 | 中・財新製造業PMI(7月) | ||
13:30 | 豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
14:00 | 印・製造業PMI(7月) | |||
16:55 | 独・失業率(失業保険申請率)(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏失業率(6月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(先週) | |||
21:00 | ブ・鉱工業生産(6月) | |||
22:00 | ブ・製造業PMI(7月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(7月) | |||
23:00 | 米・建設支出(6月) | |||
23:00 | 米・ISM製造業景況指数(7月) | |||
23:00 | 米・JOLT求人件数(6月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(7月) | |||
米・自動車販売(7月、2日までに) | ||||
決算発表 メルク、ファイザー、ウーバー、プルデンシャル、アフラック、AIG、キャタピラー、スターバックス | ||||
決算発表 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、HSBCホールディングス、BP、マン・グループ | ||||
8月2日 | 水 | 国内 | 08:50 | マネタリーベース(7月) |
08:50 | 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(6月15・16日分) | |||
10:00 | 営業毎旬報告(7月31日現在、日本銀行) | |||
決算発表 スバル、住友電工、川崎船、イビデン、住友化、AGC、TDK、東電HD | ||||
決算発表 三菱ケミカル、CTC、TIS、ヤマハ、エーザイ、東武鉄道 | ||||
海外 | 07:45 | NZ・失業率(4-6月) | ||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(7月) | |||
21:15 | 米・ADP全米雇用報告(7月) | |||
30:30 | ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(セリック金利)発表 | |||
独・15年債入札 | ||||
決算発表 メットライフ、ペイパル、クアルコム、ドアダッシュ | ||||
8月3日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
09:30 | サービス業PMI(7月) | |||
09:30 | 総合PMI(7月) | |||
決算発表 旭化成、住友商、三菱商、コナミグループ、花王、ZHLD、協和キリン | ||||
決算発表 任天堂、ヤマトHD、JFE HD、日本郵船、農林中金、日清食品H | ||||
海外 | 10:30 | 豪・貿易収支(6月) | ||
10:45 | 中・財新サービス業PMI(7月) | |||
10:45 | 中・財新総合PMI(7月) | |||
14:00 | 印・サービス業PMI(7月) | |||
14:00 | 印・総合PMI(7月) | |||
15:00 | 独・貿易収支(6月) | |||
15:30 | スイス・消費者物価指数(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(7月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏生産者物価指数(6月) | |||
20:00 | 英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表 | |||
21:30 | 米・労働生産性(4-6月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
22:00 | ブ・サービス業PMI(7月) | |||
22:00 | ブ・総合PMI(7月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(7月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(7月) | |||
23:00 | 米・製造業受注(6月) | |||
23:00 | 米・ISM非製造業景況指数(7月) | |||
英・ベイリー総裁が記者会見 | ||||
決算発表 アップル、アマゾン、エアビーアンドビー、コインベース・グローバル | ||||
決算発表 アクサ、ソシエテ・ジェネラル、メルク、BMW、アムジェン | ||||
8月4日 | 金 | 国内 | 15:30 | 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が4-6月期運用実績公表 |
決算発表 伊藤忠、味の素、スズキ、三井不、千葉銀行、島津製、オリックス、ミネベア、日本製鉄、ソフトバンク | ||||
決算発表 SBI、丸紅、スクエニH、三井化学、キッコーマン、三菱重、ユニチャム、 クボタ、SBI新生銀 | ||||
海外 | 15:00 | 独・製造業受注(6月) | ||
18:00 | 欧・ユーロ圏小売売上高(6月) | |||
21:30 | 米・非農業部門雇用者数(7月) | |||
21:30 | 米・失業率(7月) | |||
21:30 | 米・平均時給(7月) | |||
21:30 | 加・失業率(7月) | |||
中・経常収支速報(4-6月) | ||||
決算発表 クレディ・アグリコル、コメルツ銀 | ||||
8月5日 | 土 | 海外 | 決算発表 バークシャー |
- 提供:フィスコ社