先週の225先物は週間で150円高(上昇率0.58%)と反発。
米12月雇用統計での平均時給の伸び鈍化や米12月ISMサービス業景気指数の50割れを受け、インフレピークアウト期待が高まる中、買いが先行して始まった。
スウェーデン中銀主催のフォーラムにてパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長からタカ派発言が出なかったことも買い安心感を誘った。
一方、週後半は下落基調となった。一部メディアが、それまでの政策変更なしとのコンセンサスに反し、日本銀行が次回会合で大規模金融緩和の副作用を点検する見込みと報じ、為替の円高が進んだことが売りを誘った。
また、米12月消費者物価指数(CPI)は予想通り伸びが大幅に鈍化したほか、米フィラデルフィア連銀・ハーカー総裁が0.25ポイントの小幅な利上げを支持したことなどを背景に米金利のピークアウト感が強まり、為替の円高がさらに進行。
週末は為替が1ドル=130円台を割り込む中、翌週の日銀金融政策決定会合への警戒感から、リスク回避の動きが加速した。
1月6日時点の裁定残高は、ネットベースで2,057億円の売り越し(前週は1,078億円の売り越し)と増加した。 一方、株数ベースでは、8,753万株の売り越しで、12月30日時点(4,827万株の売り越し)から増加している。
日経平均と裁定残(1月6日時点)
裁定売りの動き中心、GSはTOPIX先物で買い方に転じる
裁定売り(現物売り・先物買い)の動きから、225先物ではAアムロCが、TOPIX先物ではBNPパリバとソジェンがそれぞれ買い方上位に入った。
また、前週までTOPIX先物を大幅に売り越していたGSがこの週はTOPIX先物で買い方上位に転じた。
一方、売り方では、225先物でモルガンSが2位を引き離してトップとなり、TOPIX先物ではバークレイズが週を通じて売り越し基調、SMBC日興証券が週末に大幅な売り越しを見せた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は週間で0.37pt高の18.58と上昇。
株式市場は米国でのインフレピークアウト期待を背景に週前半に上昇した一方、日銀の追加政策修正への警戒感から週後半は下落。
方向感が定まらない中、コール(買う権利)とプット(売る権利)の売買が交錯し、日経VIも一進一退で方向感が出なかった。
2月限オプション建玉残
<コール>
28,000円:約4,700枚
27,500円:約8,600枚
27,000円:約7,100枚
<プット>
24,500円:約4,900枚
25,000円:約5,700枚
25,500円:約4,500枚
26,000円:約5,300枚
ボラティリティ
NT倍率(先物)は低下、日銀追加政策修正への警戒感から週後半失速
NT倍率(先物)は低下。米12月の雇用統計での平均時給の伸び鈍化やISMサービス業景気指数の50割れを受けて、インフレピークアウト期待が高まる中、週前半は現物市場で値がさのハイテク株を中心に買い戻しが入った。
これに伴い、先物市場でも短期筋による225先物の買い戻しが増え、NT倍率は週前半に上昇。
しかし、日本銀行が17−18日に開催される金融政策決定会合にて追加の政策修正を行うとの一部報道を契機に、急速に為替の円高が進んだことで、週末にかけては短期筋の225先物売りが膨らみ、結局、NT倍率は低下した。
今週の225先物は神経質な展開か。
17−18日に日銀金融政策決定会合が開催される。一部メディアがすでに追加の政策修正の可能性について報じており、警戒感が高まっている。
為替の円高も急速に進んでおり、先週末の米株式市場が続伸する中、夜間取引の225先物は対照的に大きく下落した。
イールドカーブコントロール(YCC)の撤廃などが選択肢として考えられるが、実際にそうなった場合、事前に警戒感が高まっているとはいえ、市場は素直に売りで反応する可能性がある。
2会合連続での政策修正となれば、今後の政策動向の不透明感は一段と強まるためだ。
反対に仮に追加変更なしとなった場合でも買い戻しは限られそうだ。
日銀の国債買い入れ額は13日に5兆円と過去最大を更新し、YCCの持続可能性に疑念が高まっている。結局今後の不透明感は払拭されず、どのような結果になろうと、上昇シナリオは描きにくい。
年末年始にTOPIX先物を大幅に売り越していたGSは買い越しに転じてきているが、225先物主体の短期筋は日銀金融政策決定会合に絡んで仕掛け的な売りを入れてくる可能性もあり、注意したい。
また、今週は米中で小売売上高など景気に関する指標が多く、景気後退懸念が緩和されるのか強まるのか、結果に注目したい。今週の225先物予想レンジは25,000−26,500円。
経済スケジュール(1月16日〜1月22日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
---|---|---|---|---|
1月16日 | 月 | 国内 | 08:50 | 国内企業物価指数(12月) |
15:00 | 工作機械受注(12月) | |||
海外 | 10:20 | 中・1年物中期貸出ファシリティ金利 | ||
10:30 | 中・新築住宅価格(12月) | |||
15:30 | 印・卸売物価(12月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(1月15日まで1カ月間) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(1月15日まで1カ月間) | |||
米・株式市場は祝日のため休場(キング牧師生誕記念日) | ||||
欧・ユーロ圏財務相会合 | ||||
1月17日 | 火 | 国内 | 13:30 | 第3次産業活動指数(11月) |
日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目) | ||||
海外 | 11:00 | 中・GDP(10-12月) | ||
11:00 | 中・・鉱工業生産指数(12月) | |||
11:00 | 中・小売売上高(12月) | |||
11:00 | 中・不動産投資(12月) | |||
11:00 | 中・住宅販売(12月) | |||
11:00 | 中・固定資産投資(都市部)(12月) | |||
11:00 | 中・調査失業率(12月) | |||
16:00 | 独・CPI(12月) | |||
16:00 | 英・失業率(12月) | |||
16:00 | 英・ILO失業率(3カ月)(11月) | |||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(1月15日まで1カ月間) | |||
19:00 | 独・ZEW期待指数(1月) | |||
20:00 | ブ・FGVインフレ率(IGP-10)(1月) | |||
22:30 | 加・消費者物価指数(12月) | |||
22:30 | 米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(1月) | |||
米・イエレン財務長官がアフリカ歴訪(28日まで) | ||||
米・ニューヨーク連銀総裁がイベントで歓迎のあいさつ | ||||
欧・欧州連合(欧)財務相理事会 | ||||
石油輸出国機構(OPEC)月報 | ||||
独・5年債入札 | ||||
1月18日 | 水 | 国内 | 08:50 | コア機械受注(11月) |
13:30 | 鉱工業生産(11月) | |||
13:30 | 設備稼働率(11月) | |||
日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、終了後決定内容発表 | ||||
15:30 | 黒田日銀総裁が会見 | |||
海外 | 16:00 | 欧・ユーロ圏新車販売台数(12月) | ||
16:00 | 台湾・GDP(10-12月) | |||
16:00 | 英・消費者物価コア指数(12月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏CPI(12月) | |||
22:30 | 米・小売売上高(12月) | |||
22:30 | 米・生産者物価コア指数(12月) | |||
23:15 | 米・鉱工業生産指数(12月) | |||
23:15 | 米・設備稼働率(12月) | |||
24:00 | 米・企業在庫(11月) | |||
24:00 | 米・NAHB住宅市場指数(1月) | |||
30:00 | 米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(11月) | |||
米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表 | ||||
米・アトランタ連銀総裁が会合で歓迎のあいさつ | ||||
米・ダラス連銀総裁が講演 | ||||
米・フィラデルフィア連銀総裁が講演 | ||||
米・20年債入札 | ||||
独・30年債入札 | ||||
1月19日 | 木 | 国内 | 08:50 | 貿易収支(12月) |
08:50 | 輸出(12月) | |||
08:50 | 輸入(12月) | |||
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
15:00 | 全国銀行協会の半沢会長が定例会見 | |||
海外 | 09:30 | 豪・失業率(12月) | ||
18:00 | 欧・ユーロ圏経常収支(11月) | |||
20:00 | トルコ・中央銀行が政策金利発表 | |||
21:00 | ブ・全国失業率(11月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
22:30 | 米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(1月) | |||
22:30 | 米・住宅着工件数(12月) | |||
22:30 | 米・住宅建設許可件数(12月) | |||
欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が講演 | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(12月会合) | ||||
米・ボストン連銀総裁が講演 | ||||
米・ニューヨーク連銀総裁が講演 | ||||
米・10年インフレ連動債入札 | ||||
決算発表 P&G、ネットフリックス | ||||
1月20日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価コア指数(12月) |
10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年、残存25年超)(日本銀行) | |||
海外 | 10:30 | 中・1年物ローンプライムレート(LPR) | ||
10:30 | 中・5年物ローンプライムレート(LPR) | |||
16:00 | 英・小売売上高指数(12月) | |||
22:30 | 加・小売売上高(11月) | |||
24:00 | 米・中古住宅販売件数(12月) | |||
米・ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が講演 | ||||
欧・ECB総裁が講演 | ||||
フィッチがウクライナ格付け発表 |
- 提供:フィスコ社