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どうなる?2017年の投資信託
ウエルスアドバイザーの朝倉智也氏に聞きました!
「どうなる?2017年の投資信託」
日本のマーケット展望 : SBI証券 投資調査部長 鈴木英之 │ フィスコ リサーチレポーター 三井智映子氏 │ SBI証券 投資調査部 藤本誠之
為替、海外マーケットの展望 : SBIリクイディティ・マーケット社 │ SBI証券 投資調査部 シニアアナリスト 榮 聡
投資信託の注目点 : ウエルスアドバイザー 代表取締役社長 朝倉智也氏
2017年の日本、世界のマーケット展望をお聞かせください |
トランプ米大統領の誕生によってニューパラダイムが始まる可能性がある。リーマンショック以降、8年にわたって続いた債券の「スーパーブル」が転換する。グレートローテーション(債券から株式への資金シフト)が劇的に進むとは思わないが、債券の比率を落として株式のウエイトを高めたい。
ただ、トランプ大統領決定を機に始まった「金利上昇」「円安」「株高」は、トランプ氏の公約である大型減税、インフラ投資などへの期待感が先行している。米株や日本株の上昇に安易に追随することは控えたい。むしろ、利上げで下落した債券は、利回りが上がって魅力的な資産になっている。また、新興国市場も長い目でみると外せない資産だ。しっかり分散したポートフォリオは維持すべきだ。
日本は、20年続いたデフレが、大幅な円安による輸入インフレで転換する可能性もある。実質賃金が上がらない状況でのインフレという「悪い物価上昇」に備えて、金や物価連動国債などを資産の一部に加えることも重要だ。
ズバリ!注目の投資テーマをお聞かせください |
デフレからの脱却が意識される「リフレ」(リフレーション)がひとつのテーマになるだろう。投資ウエイトのかけ方を債券から株式に重きを置くようにしたいというのは、リフレ対策だ。また、デフレが修正されることになれば、最近下落している金も、いつまでも低迷したままではないだろう。
また、トランプ大統領の誕生で、オールドエコノミーの復活がいわれているが、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など、ネットをベースにしたサービス業の成長は止まるものではない。ネット関連企業が海外への所得移転の制限などの政策で動揺する場面があっても、成長産業として必ず評価されると思う。
有望な投信信託のアセットクラス(種類)をお聞かせください |
相対的には「株式」の魅力が強くなる。ただ、日米の株式オンリーということではなく、新興国株式も含めて投資する姿勢が大事だ。日米を中心に「中小型株」ファンドに注目している。また、「債券」の評価がマイナスになるわけではない。債券のポジションを大きく落とすことはすべきではない。「ハイ・イールド債券」などは依然として魅力的な資産だ。
「グレートアメリカ」を掲げたトランプ氏の公約を手掛かりに米国株が大きく値上がりした。しかし、トランプ大統領の政権運営が行き詰まれば、債券の価値が見直されることになる。また、巨額のインフラ投資などによってインフレ懸念が高まれば、低迷している金の価格が値上がりするだろう。「金関連」のファンドやETFに注目したい。株高の裏で売られている資産クラスも決して捨てて良いわけではないと強調しておきたい。
朝倉 智也(あさくら ともや)
1989年慶應義塾大学卒。95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社経て、98年ウエルスアドバイザー株式会社設立に参画し、2004年より現職。
第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。資産運用にかかわるセミナー講師を多数務め、各種メディアにおいても、個人投資家への投資教育、啓蒙活動を行う。
著書:『一生モノのファイナンス入門』(ダイヤモンド社)、『ものぐさ投資術』(PHP研究所)、『マイナス金利にも負けない究極の分散投資術』(朝日新聞出版)等。最新刊は『「iDeCo」で自分年金をつくる−個人型確定拠出年金の超・実践的活用術』(祥伝社新書)。
日本のマーケット展望 : SBI証券 投資調査部長 鈴木英之 │ フィスコ リサーチレポーター 三井智映子氏 │ SBI証券 投資調査部 藤本誠之
為替、海外マーケットの展望 : SBIリクイディティ・マーケット社 │ SBI証券 投資調査部 シニアアナリスト 榮 聡
投資信託の注目点 : ウエルスアドバイザー 代表取締役社長 朝倉智也氏