今週の株式見通し(2023/12/4〜12/8)
今週の日経平均株価の予想レンジは33,300円-33,800円。今週はメジャーSQや米11月雇用統計の発表を控え、強気にも弱気にも傾きづらく、週を通じて33,500円を挟んでもみ合いが予想される。米国株の上昇や米長期金利の低下をきっかけに、先週末に売られた電機やサービスなどのグロース株への買い戻しで強含む場面もあるだろう。一方、翌週の12/12-13には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。FRB当局者が金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト期間」に入っているが、円高への警戒から先物主導で積極的に上値は追いづらい。
物色面は手詰まり感が強くなる中、年末消費への期待からインバウンドや小売関連を中心とした内需株、ディフェンシブ株、為替や外需への依存度が小さい小型グロース株が見直される展開が想定される。
11月の日経平均株価は8.5%の上昇率となり、月足のローソクは6月以来の「大陽線」を形成した。高値圏における大陽線は強気再認識を示唆しており、2024年の前半に向け上昇基調が強まる展開が予想される。12月は反動安も想定されるが、前半に勢いが続く場合の上値メドは34,500円処とみている。
日経平均株価(図表1)は11月中旬以降で高値圏での保ち合い相場が続く。先週は10日移動平均線(33,450円 12/1)を挟んで上値が重く、下値も堅い相場展開となった。
今週も引き続き上目線のトレンドフォローが優先されよう。7/3の終値ベースの年初来高値(33,753円)を更新し、現在の保ち合いを上放れることができるかが焦点となる。
一方、上値にもたつく動きが続くと、10日移動平均線の上昇一服につながり、25日移動平均線(32,631円 同)や10/13高値(32,533円)までのスピード調整につながる展開も想定しておきたい。
上値メドは、11/20高値(33,853円)、心理的節目の34,000円、10/4安値から10/13高値までの上昇幅を10/13高値から上げた34,580円処などが考えられる。下値メドは、33,000円、11/14高値(32,836円)、25日移動平均線、32,000円、11/1高値(31,601円)、10/31高値(30,973円)などが考えられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/11/1-2023/12/4)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、11月マネタリーベース(12/4)、11月都区部消費者物価指数、10年国債入札(12/5)、10月景気動向指数(12/7)、10月毎月勤労統計、10月家計調査、7-9月期GDP確定値、11月景気ウォッチャー調査、メジャーSQ(12/8)がある。
企業決算の発表では、ロックフィール(12/5)、アインHD(12/6)、積水ハウス、Bガレージ、アイモバイル、泉州電(12/7)、鳥貴族HD、HEROZ(12/8)が予定している。
海外の経済指標の発表は、米10月製造業受注(12/4)、米10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米11月ISM非製造業指数(12/5)、米11月ADP全米雇用リポート、米10月貿易収支(12/6)、中国11月貿易収支、米10月消費者信用残(12/7)、米11月雇用統計(12/8)などがある。
米企業決算の発表では、ジェイ・エム・スマッカー、オートゾーン(12/5)、キャンベル・スープ(12/6)、ブロードコム、ダラー・ゼネラル、クーパー(12/7)が予定している。
来週の注目銘柄!(12/4〜12/8)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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1518 | 3,300 | 2,660 | 今年度で祖業の石炭事業から撤退する予定。来期は業績への影響が想定されるが、事業構造上、市場からは鉱業セクターとして見られなくなる可能性がある。場合によっては現在よりも高い水準へのバリュエーション修正が期待できるため、今後の展開に注目したい。株価は5月以降、目立った上昇はあまりなかったが、2,500円程度まで下がると切り返す底堅い動きとなっている。10月終盤の急上昇以降、水準を徐々に切り上げる動きが続いていることから、25日移動平均線もこれに追随して上昇。75日移動平均線を上回ってゴールデンクロスを形成する可能性が高まってきた。9月の戻り高値(2,993円)をクリアできれば、上値余地は拡大する。ターゲットは3,300円、ロスカットは2,660円 | |
2206 | 4,700 | 3,970 | 昨今の物価高騰の影響を受けて、業績は持ち直しの途上。11/2に3Q決算を発表。通期の営業利益見通しを引き上げたものの、物足りなさから売られる展開となった。ただ、通期の市場予想はハードルがそこまで高くない印象。3Q累計実績を踏まえると、4Qが赤字にならない限り通期計画、市場予想ともに上振れの可能性がある。株価は4月以降、堅調に推移していたところ、前述のとおり3Q決算を受けて急落した。その後はしばらくさえない動きだったが、75日移動平均線近辺では下げ渋る展開。一目均衡表の抵抗帯(雲)を下抜けることなく、12/1の大幅高によって雲を上抜けた。同時に25日移動平均線も上回ったことから、調整一巡との見方が強まりそうだ。ターゲットは4,700円、ロスカットは3,970円 | |
2479 | 300 | 230 | 技術者派遣と請け負い事業を中核としており、自動車関連、精密、半導体分野に強みをもつ。先の話ではあるが、国内で半導体製造拠点が続々と新設されることは事業にも追い風とみられる。中期経営計画における最終年度(2026年3月期)の営業利益目標は5.2億円。前期実績(2023年3月期)の2.9倍となる数値を掲げており、それを踏まえれば現在の株価は割安と考える。7月に年初来高値364円を付け、調整局面へ突入。11/1に220円で底を打ち、その後は250円前後まで持ち直している。現状は一目均衡表の抵抗帯(雲)の中にいるが、10月と比べて雲は薄い。時間の経過とともに売り圧力が弱まってきたと考えられるため、米長期金利低下を背景に小型株の見直し機運が高まる中、雲上限突破に期待できそう。ターゲットは300円、ロスカットは230円 | |
3028 | 2,250 | 1,850 | ゴルフ中心のスポーツ用品大手。株価は11/9に強めに下げる場面があったが、下値では買いが入って同日のローソク足は下に長いヒゲのある陽線を形成。この日の安値は1,873円で、10/4安値1,874円に近いところで売りが止まった。その後、一目均衡表の抵抗帯(雲)や25日移動平均線を明確に上回ってきた。11/29の高値が1,972円まであり、11/6につけた直近高値1,968円をクリア。週足でも、13週、26週、52週移動平均線をまとめて上に抜けている。同社は6月決算銘柄で6月と12月が株主優待(店舗などで使える優待券)の権利を取る対象月となっており、12月に買う理由がある。PBRは1倍割れと割安感があり、直近の信用倍率も低水準。チャートの好転を受けて上昇に弾みがつく展開を予想する。ターゲットは2,250円、ロスカットは1,850円 | |
6859 | 2,920 | 2,160 | 環境試験器の世界トップメーカー。経産省のグローバルニッチトップ企業100選にも選出された。好調だった前期に続き、今期も増収増益を見込む。上期時点での受注高も前年同期並みを確保できている。売上高はコロナ前の2019年3月期を上回る見通しだが、株価は2018年の高値3,145円に対し25%程度安い。PER13倍、PBR1.1倍とバリュエーションにも特段の割高感はみられない。夏以降は荒い値動きだったが、10/24に長い下ヒゲをつけてその後は戻り基調。11月中旬から75日移動平均線を上回るたびに売られる展開だったが、11/27に大陽線を形成。75日移動平均線を挟んだもみ合いを上抜けるとともに、一目均衡表の抵抗帯(雲)上限も突破した。戻り売りをこなしたことで上値が軽くなった公算が大きい。9月高値(2,516円)奪回は早そうだ。ターゲットは2,920円、ロスカットは2,160円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・12/1現在、プライム・グロース市場に上場、時価総額が2,000億円未満、PBRが2.0倍未満、PERが20.0倍未満、株価が10日・25日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性など総合的に考慮したうえでピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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