今週の株式見通し(2023/11/6〜11/10)
今週の日経平均株価の予想レンジは32,200円-33,000円。東京株式市場は堅調か。海外は目立った材料に乏しく、国内では決算発表が多い。決算リリースを手がかりに個別株の活況が予想され、売買代金の高水準が見込まれる。商いの増加と米国株の強い反発を通じてリスク選好ムードが期待できる中、週前半は買い優勢の地合いが続く公算が大きい。決算を消化するのは翌週となるが、週末11/10には東京エレクトロンの発表が予定されており、半導体関連株の売買も活況となりそうだ。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は日銀金融政策決定会合やFOMC(連邦公開市場委員会)を消化して大きく上昇した。両指数ともに10月中旬につけた戻り高値に近づいており、今週はその高値更新が焦点となる。小型グロース株などにも買いが波及する好循環が予想され、投資家のセンチメント改善を通じて悪材料に対する耐性も強くなりやすい。
11/3のNY株式市場で主要指数は続伸。注目された米10月雇用統計が弱い結果となり、米国債利回りの低下が続いたことや、米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの終了期待が高まったことが支援となった。ダウ平均は222.24ドル高(+0.66%)の34061.32ドルで終了。S&P500も0.94%高で終了し、ともに5日続伸した。ハイテク株主体のナスダックは1.38%高と6日続伸した。ダウ平均は昨年10月以来の週間上昇率を記録し、S&P500とナスダックも昨年11月以来の大幅高となった。
10月雇用統計では非農業部門雇用者数が15.0万人増と、9月分の29.7万人増から大幅に減少し、市場予想の18.0万人増も下回った。失業率は3.9%に悪化し、横ばい予想の3.8%を上回った。10月に一時5%を上回った米10年債利回りは前日の4.669%から4.577%に低下した。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の15.66ポイントから14.91ポイントに低下。9月19日以来の15ポイント割れとなり、センチメントの改善が続いた。
日経平均株価(図表1)は急速に戻りを試す展開となっている。寄り付きから大きなマドを形成しながらの急反発で、10月中旬につけた戻り高値更新が視野に入ってきた。
11/2は前日のような上値追いの動きは限られたが、買い一巡後の下押す動きもなく、ローソク足は迷いの「十字足」で終えた。
まずは、「十字足」が直近安値からの上げ波動の中心となるか、反転調整の分岐となるか、週明けの動きが注目される。
75日移動平均線(32,157円 11/2)や10/13の戻り高値(32,533円)に近づいており、超える動きにつながるかが上方向をみるうえでの焦点となる。10日移動平均線(31,129円 同)は上昇継続、25日移動平均線(31,451円 同)も今週は上昇に変わる可能性が高い。
上値メドは、75日移動平均線、10/13高値(32,533円)、9/7高値(33,322円)などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や10日移動平均線、10/30安値(30,538円)〜200日移動平均線(30,412円 同)、心理的フシとなる3万円などが考えられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/11/1-2023/11/2)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントでは、日銀金融政策決定会合議事要旨(9/21〜9/22開催分)(11/6)、9月家計調査(11/7)、9月景気動向指数(11/8)、日銀金融政策決定会合の主な意見(10/30〜10/31開催分)、10月都心オフィス空室率、10月景気ウォッチャー調査(11/9)、オプションSQ(11/10)がある。
企業決算の発表では、伊藤忠、味の素、三菱重、NTTデータG、郵船、JFE、大林組、JSR、京王、洋缶HD、IIJ、三浦工、全国保証、ワークマン、住友ベ、帝人、AZ−COM丸、UBE、ウシオ電、ニッスイ、ニチアス、カチタス、太陽HD、日東工、日立造、日証金、三菱ロジ、マルハニチロ、淀川鋼、武蔵精密、日本ライフL、メイコー、図研、松屋フーズ(11/6)、NTT、任天堂、ダイキン、ユニチャーム、LINEヤフー、スズキ、エーザイ、バンダイナム、ヤマハ発、旭化成、島津製、マツダ、清水建、横河電、ユー・エス・エス、アズビル、東急不HD、王子HD、スクエニHD、ブラザー、栗田工、参天薬、アルフレッサHD、JR九州、Gウイン、太陽誘電、IHI、楽天銀行、SANKYO、ライオン、リンナイ、デサント、ハウス食G、カカクコム、ケーズHD、アルバック、西日本FH、東海カ、住信SBIネ、日触媒、パイロット、日化薬、サンケン電、ツムラ、GSユアサ、西松建、不二製油、タカラトミー、ジャックス、ノエビアHD、稲畑産、ニップン、グローリー、キッセイ薬、パーカライ、大阪チタ、カヤバ、東洋炭素、三井倉HD(11/7)、ソフトバンク、リクルートHD、富士フイルム、三井不、花王、クボタ、キリンHD、ENEOS、シスメックス、住友鉱、東レ、東急、ダイフク、リコー、三井化学、SUMCO、空港ビル、セガサミーHD、川重、小林製薬、コスモエネHD、三菱ガス、芙蓉リース、フジクラ、NOK、日光電、丸一管、群馬銀、カシオ、フジテック、デンカ、ミズホリース、福山運、ピジョン、リンテック、阪和興、加賀電、DeNA、ダスキン、日曹達、科研薬、三星ベ、セーレン、日清オイリオ、TOWA、船総研HD、タクマ、ローランド、JTOWER、杏林製薬、ニチハ、能美防、芝浦機械、ニチコン(11/8)、ソニーG、ソフトバンクG、INPEX、菱地所、日産自、オリンパス、セコム、ネクソン、日清食HD、楽天G、明治HD、千葉銀、トレンド、神戸鋼、飯田GHD、クラレ、アコム、アマダ、ニコン、関西ペ、日揮HD、西武HD、レゾナックHD、住友重、東建物、エア・ウォーター、岩谷産、名鉄、京阪HD、コムシスHD、コカコーラBJH、富士ソフト、ハーモニック、太平洋セメ、三菱マ、ダイワボHD、森永乳、カネカ、Jマテリアル、第一興商、宝HD、五洋建、アンビス、リログループ、大阪ソーダ、共立メンテ、メイテックGHD、平和、ワコールHD、大栄環境、安藤ハザマ、住友倉、アイフル、ニプロ、日清紡HD、クレハ、アトム、ペプチド、古河電、タカラバイオ、スターツ、カバー、スルガ銀、UACJ、理計器、ヨネックス、HUグループ(11/9)、東エレク、ブリヂストン、アサヒ、大和ハウス、りそなHD、資生堂、パンパシHD、ニトリHD、住友不、三菱HCキャ、サントリーBF、大日印、ゼンショーHD、ホトニクス、日産化、アシックス、SBI、コンコルディア、ロート、マクドナルド、しずおか、東センチュリー、ホシザキ、ミツコシイセタン、長谷工、パーソルHD、大正薬HD、浜ゴム、すかいHD、めぶきFG、インフロニアHD、八十二、クレセゾン、TBSHD、セイノーHD、サッポロHD、住友ゴム、スズケン、応化工、上組、THK、セブン銀行、京急、いよぎん、エクシオG、ショーボンド、ナカニシ、山口FG、ひろぎん、石油資源、F&LC、DOWA、ADEKA、東邦HD、日電子、七十七、森永菓、リゾートトラス、シップHD、三井金、ちゅうぎ、ニッコンHD、ほくほく、大王紙(11/10)が予定している。
一方、海外の経済指標やイベントでは、中国10月貿易収支、米9月貿易収支(11/7)、米10年国債入札(11/8)、中国10月消費者物価指数、中国10月生産者物価指数、米30年国債入札(11/9)、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数(11/10)などがある。
米企業決算の発表では、イーベイ、ギリアド・サイエンシズ(11/7)、バイオジェン、ウォルト・ディズニー(11/8)が予定している。
来週の注目銘柄!(11/6〜11/10)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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3498 | 10,000 | 7,350 | 不動産開発を手がける。高成長の継続、野心的な中期経営計画、プライム市場への移行など、注目されやすい材料が豊富なことから人気化している。10/3に今期ガイダンスを発表した。大幅な増収増益見通し、中計の上方修正が好感され、不安を吹き飛ばすように株価は急騰した。大台の10,000円を一時上回る場面もあったが、足元はスピード調整を経て値固めの局面とみる。証券会社からの評価も高く成長スピードは一昔前のオープンハウスを彷彿させる。短期的な過熱感から25日移動平均線を割り込む展開となっているが、人気継続により再動意が見込まれる。ターゲットは10,000円、ロスカットは7,350円 | |
5017 | 370 | 290 | 石油元売り中堅。原油価格が高騰した前期の影響から、今期1Qは大幅な減益となった。なお、1Q時点で上期計画に対する営業利益の進ちょく率は90%を超えており、7-9月の市況を鑑みると上期が計画を上振れる可能性は高い。4期連続で10円配当だが、配当性向や昨今の流れを踏まえると増配、自社株買いといった株主還元強化の余地も大きいと考える。株価は8月後半から9月半ばにかけて急上昇したが、低PBR買いが一服すると途端に急落した。ただ、10月上旬に75日移動平均線を割れると急反発しており、軟調な地合いのなかでは底堅さが続いている。決算発表が11/10に予定されていることから、期待感から株価も浮上すると予想する。ターゲットは370円、ロスカットは290円 | |
5852 | 940 | 660 | ダイカスト大手。自動車生産の回復により業績が持ち直してきており、今期は営業黒字転換を見込む。7-9月決算が続々と発表される中で自動車部材関連の好決算が多く見受けられ、同社に対しても期待が高まる。決算発表は11/14の予定。株価は昨年11月ごろから上昇が続き、今年9/20に941円の高値を付けた。その後調整が入ったものの、10/24に十字足を形成して反発。11/1は地合いの良さもあって25日移送平均線上に回帰している。11/2は陰線で終えたが、値固めのあとは直近安値を起点とした二段上げ目に期待できそう。トヨタの決算も追い風に自動車関連への業績期待が高まる中、同社も買い優勢の展開が続くと予想する。ターゲットは940円、ロスカットは660円 | |
7283 | 1,500 | 1,100 | トヨタ系の自動車部品メーカー。10/30の上期決算発表時に通期の見通しを上方修正した。上期の着地も計画を超過している。決算と併せて 中間配当および期末配当の見通しを引き上げており、年間配当は従来計画の40円から54円となる見込み。好内容のリリースを受けて、10/31の株価も買いで反応した。9月までは非常に強い動きが続いていたが、利益確定売りに押されて10月は調整色を強めていた。しかし、今回の決算が買い材料となったことで、売り一巡感が台頭してきた。週足では、26週移動平均線を下回ると買いが入っている。配当利回りは4%台と高水準。9月につけた年初来高値1,423円更新を見込みたい。ターゲットは1,500円、ロスカットは1,100円 | |
9143 | 2,480 | 2,020 | 佐川急便を中心に運輸関連事業を幅広く手掛ける。上期の決算発表時に通期の見通しを下方修正した。ただ、これを受けた10/30の株価は、小幅安スタートにとどまり売り圧力は限定的。早々にプラス転換すると、軟調相場の中で3%近い上昇となった。この日の高値は2,207.5円まであり、年初来高値を更新。9月から10月にかけては下げ基調であっただけに、ここまでの強い動きが見られたことは特筆される。日足の一目均衡表では直近の上昇で抵抗帯(雲)を上に抜けてきた。米商品市場ではNY原油が調整局面にあり、原油安メリット銘柄としても選好される要素がある。決算反応が良かったことを好感する買いが続くと予想する。ターゲットは2,480円、ロスカットは2,020円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・11/2現在、プライム市場に上場、時価総額が100億円以上、配当利回りが2.0%以上、PBRが7.0倍未満、PERが23.0倍未満、株価が200日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性など総
- 合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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