今週の株式見通し(2023/8/14〜8/18)
今週(2023/8/14〜8/18)の日経平均株価の予想レンジは32,000円-32,700円。東京株式市場は方向感に欠ける展開か。三連休明けとなり週初の値動きは荒くなる可能性はあるが、決算発表が8/14で概ね一巡することから、週半ば以降は市場エネルギーの低下が予想される。
日米で経済指標がいくつか出てくるほか、8/16には7月開催のFOMC議事要旨が公表されることから、市場の注目がミクロからマクロに移り、長期金利や為替動向に神経質となる状態が続くだろう。ドル円は一時1ドル=145円台に入り、6/30につけた高値が目前に迫るが、円高方向へ反転しやすい時間帯でもあり株価指数の反応をみる上で重要な週となりそうだ。
物色面では、証券会社の決算後のリポートなどを材料に個別に動意付く銘柄が数多く出てくることが予想される。米長期金利の上昇で銀行・保険セクター、円安進行を受けて自動車・自動車部品株などに物色が向かいやすい。
一方、月後半に向けてはリターンリバーサルも意識されそうだ。8/10現在、業種別の月次ベースのパフォーマンスは鉱業や海運、石油・石炭など資源・市況関連が上位の一方、下位には精密機器や電気機器、証券、非鉄金属、銀行、サービスと相場全体への寄与が大きい主力業種が並ぶ。そういった中でも、先週の指数は底堅さを堅持しており、ここから下位業種に外部環境の好転から見直し買いが入る場合、33,000円台回復も想定できる。
日経平均株価(図表1)は年初来高値からの調整局面が続く。一方、心理的節目でもある32,000円付近では押し目買いなどで底堅い。
8/10は安寄り後に戻りを試す展開となり、後場は一時32500円を上回る場面もあった。前日の小陰線を包む陽線を形成しており、33,000円台に向けて反発基調を強められるかが注目ポイントとなる。6月高値(33,772円)以降のレンジ維持のためには、7/12につけた終値ベースの安値(31,943円)を下回らずに切り返す動きが必要である。
一方、10日移動平均線(32,577円 8/10)、25日移動平均線(32,528円 同)などが重なる32,500〜32,600円水準は上値抵抗が強い。
5日移動平均線(32,300円 同)が上向きに変わったことで、上記の水準を一気に超えることができると安定感が増す。ただ、25日移動平均線を下回る推移を続けながら7/12安値を下回ると、下方への値幅調整が拡大する可能性が高まる。
上値メドは、25日移動平均線、心理的節目の33,000円、8/1高値(33,488円)、6/19高値(33,772円)、2021年9月高値から2022年3月安値までの下落幅に対する1.5倍返しとなる33,850円処などが考えられる。下値メドは、心理的節目の32,000円、7/12安値(31,791円)〜75日移動平均線(31,736円 同)、6/8安値(31,420円)、心理的節目の31,000円、100日移動平均線(30,780円 同)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/11/1-2023/8/10)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、4-6月期GDP速報値(8/15)、7月訪日外国人客数(8/16)、6月機械受注、7月貿易収支、7月首都圏マンション発売(8/17)、7月全国消費者物価指数(8/18)などがある。
国内企業の決算では、電通G、凸版印、光通信、アサヒインテック、オープンハウス、荏原、トリドールHD、シチズン、フリー、Appier、メドレー、Abalance、フェローテック、アウトソシング、プレサンス、チェンジHD、プラスアルファ、ユーグレナ、ベース、PKSHA、WSCOPE、BUYSELL、スカイマーク、ライフネット、K&Oエナジー、AnyMind、ジーエヌアイ、フジオフドG、グリムス、日機装、コメ兵HD、ブシロード、オプティム、TMN、クリアル、ギフティ、ケアネット、サイバダイン、UFHD、アイスタイル、大分銀、エクサウィザー、Finatext、バリューHR、リニューアブル、アミューズ、DS、ネットプロHD、マクロミル、オロ、ポート、NEW ART、ファイバーGT、REMIX、日コンセプト、FRONTEO、FFJ、サイバセキュリ、ベルトラ、SEMITEC(8/14)、パンパシHD(8/16)、あいHD、北川精機、環境管理(8/18)が発表を予定している。
一方、海外の経済指標では、中国7月鉱工業生産、中国7月小売売上高、米7月小売売上高、米8月ニューヨーク連銀景気指数(8/15)、米7月住宅着工件数、米7月鉱工業生産、FOMC議事録(7/25〜7/26開催分)(8/16)、米8月フィラデルフィア連銀景気指数(8/17)などがある。
米国企業の決算では、ホームデポ(8/15)、シスコシステムズ、ターゲット(8/16)、ウォルマート、キーサイト・テクノロジーズ(8/17)が発表を予定している。
今週の注目銘柄!(8/14〜8/18)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2222 | 14,690 | 10,470 | 菓子大手。8/1に1Q決算と1:5の株式分割を発表したが、これを受けた8/2はギャップアップスタートから失速して大幅安。ただ、これに関しては、同日の日経平均株価が768円安と大きく崩れた影響が大きい。7/14につけた上場来高値の11,420円に迫りながらこれを超えられなかったことで、利益確定売りが強めに出てきたと推測される。一方、決算は売上高・利益ともに1Qとしての過去最高を更新で良好。営業利益は上期計画41.0億円に対して1Q時点で30.6億円を達成した。東京駅など人の往来の多い「駅ナカ」で人気のブランドを多く展開しており、業績期待は高い。株価はインバウンド需要への期待から8/10まで連日の大陽線で一気に年初来高値更新となった。需給改善で短期的な上値は軽くなった可能性が高い。ターゲットは14,690円、ロスカットは10,470円 | |
4912 | 1,750 | 1,440 | 上期決算を受けて、8/8は7.9%高と大幅上昇。営業利益は前年同期比56.2%減の62.4億円と減益着地ではあったが、会社計画の55.0億円を大きく上回ったことが好感された。1Qは23.6億円で、直近3カ月で大きく利益を積み増した。決算発表前は長く下げトレンドが続いていたが、先週は13週移動平均線、26週移動平均線、52週移動平均線などの節目をまとめて上に抜けてきた。日足の一目均衡表でも厚い雲を上に抜けており、基調は大きく変化か。安値圏で鋭角的な切り返しが見られたことから、底打ちを期待した買いが株価を上に押し上げると予想する。ターゲットは1,750円、ロスカットは1,440円 | |
6817 | 2,300 | 1,265 | 同社は7/31、2023年12月期上期(1-6月)の連結営業利益(IFRS)が52.4億円(前年同期比2.4倍)だったと発表。電動車向けの受注が好調に推移した。実績が好感され、翌8/1の株価は急騰。5月に公募増資を発表した際の下落分を埋めた。増資によって調達した資金は設備投資に充てる予定であり、今後の収益拡大への期待が高まりそうだ。チャート上では一目均衡表の雲を上抜けた状態にある。8/2に1,797円まで急騰する場面もあったが、その後にいったん売られたこともあり過熱感はない。上期の進ちょくをみると通期計画の上振れも視野に入ることから、下期の期待を織り込みながら上昇が続くと予想する。ターゲットは2,300円、ロスカットは1,265円 | |
8697 | 3,000 | 2,410 | 7/28に1Q決算を発表。現物の売買代金増加に伴い取引料が増加したことなどから、営業利益は前年同期に比べて4割増となった。これに対する株価の反応も良好で、決算発表以降は陽線が多く並んでいる。7月はさえない動きが続いていたが、7/28に75日移動平均線に接したところで決算を材料に切り返し、翌営業日の7/31には25日移動平均線を上に抜けた。週足では13週移動平均線まで調整を入れたところで上昇が再開した格好となっている。8/10には6/23につけた年初来高値の2,632円を更新。上値余地が拡大した可能性が高い。ターゲットは3,000円、ロスカットは2,410円 | |
9533 | 3,250 | 2,400 | 1Q決算では営業利益は前年同期比81%増の236億円と大幅な増益を達成。原料費調整制度による期ズレ差益の影響があったが、通期計画の220億円を1Qで超過する好内容だった。これを受けた同日の株価も強い買いで反応した。4月に2,356円まで下落したが、1月につけた2,314円は割り込まなかった。7月にも下を試しに行く場面があったが、7/14の2,383円までで売りが一巡した。下値の固さが意識された直後に、決算を受けて急伸。13週・26週移動平均線を上に抜け、年初来高値を更新した。8/2以降は相場全体の調整に影響を受け25日移動平均線までスピード調整となったが、ここは絶好の押し目買いのタイミングだろう。2020年高値からの長い調整が一巡した可能性も高く、決算を評価した買いが続くと予想する。ターゲットは3,250円、ロスカットは2,400円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・8/10現在、プライム市場に上場、時価総額が500億円以上、PERが50.0倍以下、株価が5日・25日・75日・200日移動平均線を上回っている中から、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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