今週の株式見通し(2023/6/26〜6/30)
今週(2023/6/26〜6/30)の日経平均株価の予想レンジは32,300円-33,300円。東京株式市場は押し目買い優勢で底堅い展開か。米主要指数のまもなくの反発が見込まれ、循環物色を通じて再び買い優勢の地合いに回帰する公算が大きい。6月最終週は比較的勝率が高い(上昇)こともアノマリーとして有名だ。
一方、月末、四半期末を含む週で大口投資家によるポジション調整やリバランスが意識されやすく、需給イベントで注目の週となる。欧米の景況感に対する警戒感も強まっているほか、米国の長期金利や為替市場の値動きが大きくなっている点は警戒材料となる。円安は日本株にはプラスの側面が強い反面、当局から行き過ぎた円安へのけん制が入った場合は円高方向への振れ幅が大きくなることも予想され、先物主導による値崩れには警戒が必要だ。
6/23の米国株式相場はほぼ全面安。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化見通しが相場の重しとなる中、ダウ平均は219.28ドル安(-0.65%)と5日続落して終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.77%安、1.01%安と反落した。
ユーロ圏の6月PMI速報値が軒並み予想を下回り、ユーロ圏の景気悪化懸念が強まる中、米国の製造業・サービス業PMI速報値も予想以上に悪化したことで世界的な景気悪化懸念が強まった。米6月製造業PMI速報値は46.3と5月の48.4や予想の48.5を下回り、同サービス業PMI速報値も54.1と5月の54.9から悪化した。
日経平均株価(図表1)は34,000円台を前に上昇一服。6/23は買い先行の後まもなく失速する展開となり、6/7以来の長い陰線を形成して終えた。
6/7高値(32,708円)付近でいったん下げ止まる可能性もあり、10日移動平均線(33,252円 6/23)の上方に早期に回復できるかが強気継続のポイントとなる。
一方、直近高値付近は、これまでの長い過去の値動きから算出されるフシが集中している。このまま、終値で32,506.72円を下回ると新値三本足が陰転し、調整期間入りを示唆するサインとなる。
上値メドは、6/19高値(33,772円)、2021年9月高値から2022年3月安値までの下落幅に対する1.5倍返しとなる33,850円、心理的節目の34,000円や34,500円処などが考えられる。下値メドは、6/7高値(32,708円)、25日移動平均線(32,145円 同)、6/8安値(31,420円)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/7/1-2023/6/23)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表は、日銀金融政策決定会合の「主な意見」 (6/15〜16開催分)(6/26)、5月商業動態統計(6/29)、5月失業率、5月有効求人倍率、6月都区部消費者物価指数、5月鉱工業生産、5月住宅着工統計(6/30)などがある。
国内企業の決算では、しまむら、壱番屋、オークワ、瑞光、あさひ(6/26)、スギHD(6/27)、Jフロント、ハローズ(6/28)、高島屋、ナガイレーベ、FフォースG、銚子丸(6/29)、クスリのアオキ、ダイセキ、DCM、アダストリア、平和堂、ケーヨー、マルマエ、スターマイカHD、三陽商、ダイセキソリュ、ピックルスHD(6/30)が発表を予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントは、独6月Ifo景況感指数、米2年国債入札(6/26)、米5月耐久財受注、米4月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米6月消費者信頼感指数、米5月新築住宅販売(6/27)、FRBによる米銀行へのストレステスト結果公表(6/28)、米1-3月期GDP確報値、米5月NAR仮契約住宅販売指数、EU首脳会議(〜6/30)(6/29)、中国6月製造業PMI、米5月個人所得・個人消費支出(6/30)などがある。
米国企業の決算では、マイクロン・テクノロジー、ゼネラル・ミルズ(6/28)、ナイキ(6/29)が発表を予定している。
今週の注目銘柄!(6/26〜6/30)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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1852 | 3,480 | 3,080 | 関西地盤の中堅ゼネコン。今期は営業減益の一方で、最終増益・増配を見込む。3月末における配当権利落ちなどの影響から4/6には一瞬2,990円まで売られたが、すぐ3,000円台に回復。今期の予想配当利回りは6%を超えており、3月権利落ち直前の株価よりも安い水準にある。長期的にみると2010年の230円を安値として上昇トレンドが継続中。直近の権利落ちによる下落後も26週移動平均線に沿って戻り基調を続けており、トレンドが崩れた印象はない。指数とあまり連動せずに直近の上昇相場には乗れていないが、日足でみると近いうちに一目均衡表の抵抗帯(雲)を上抜けそうな位置にある。指数の上昇が一服するなか、出遅れ好配当株として注目が強まると予想する。ターゲットは3,480円、ロスカットは3,080円 | |
6080 | 4,270 | 3,010 | 独立系のM&A仲介。2023年9月期上期(10-3月)の営業利益は前年同期比28%増と同期間で過去最高を達成。大型案件により1Qの落ち込みを2Qで挽回した。オリックスによる通販化粧品大手DHCの買収は同社が仲介したと一部で報じられており、この収益が計上されたと考えられる。株価については1Q減益(1/30発表)により急落。前述の2Q増益(4/28発表)を受けても上昇は限定的だったが、6月に入りようやく下げ止まった。足元では、75日移動平均線や一目均衡表の雲を一時上回る水準にまで持ち直しており、トレンド転換が示唆される。7月終盤には3Q決算が予定されており、ここからは業績期待の買いが強まると予想する。ターゲットは4,270円、ロスカットは3,010円 | |
7184 | 900 | 660 | 富山県の第二地銀。日本以外の国ではインフレへの警戒が再燃し、米債券市場では長期金利が上昇基調にある。金融株への買い安心感が相対的に強まる展開を想定。 6/23には756円まで上昇し、3/9の上場来高値747円を更新した。地銀株は似たような動きをすることが多いが、同社は2016年に新規上場しており需給面は良好だ。上にしこりがない点が評価ポイントとなる。他の多くの地銀株同様にPBRは低く、6/23時点では0.4倍台。4桁の大台乗せに向けて上を試しに行くステージに入ったと判断する。 ターゲットは900円、ロスカットは660円 | |
7244 | 780 | 505 | 自動車照明の大手。5月に発表した今期1Q決算では、営業利益が前年同期比3.3倍の29.4億円と、業績が大幅に改善。子会社譲渡に伴い先の見通しを修正しているが、上期計画38億円に対する進ちょく率は77%と高い。業績修正の際に持分法投資利益の減少を見込んで通期の純利益見通しは引き下げており、株価は5月中旬に売りに押された。しかし、13週移動平均線を割り込んだところでは買いが入り、6月に入って騰勢を強めてきた。6/17にテレビ東京系列「知られざるガリバー」で同社が取り上げられ、6/19は大幅高となる場面があった。その反動で押しを入れる格好となっているが、円安進行で自動車関連に注目が集まりやすい中、水準訂正の買いが続くことが予想される。ターゲットは780円、ロスカットは505円 | |
8835 | 840 | 699 | バイオマス燃料や輸入炭を販売している。5/10に発表した今期ガイダンスは減益減配。ただ、株主還元を意識したためか今期の配当予想における配当性向は52%(前期は48%)。この発表で株価は下落したものの、直近の配当利回りは5%を超える。PBRも0.4倍を割れており、今後の改善策に期待がかかる。5月の決算発表後は700円台前半に株価の水準を切り下げたが、それより下を試すことはなく底堅い動き。配当利回りの魅力などから下値抵抗力を発揮したと考えられる。6月半ばからボリンジャーバンドも極端に収束しており、下落トレンドの終了を示唆。下値が堅いことから上方向へのトレンドが発生しやすい時期に入ったとみる。ターゲットは840円、ロスカットは699円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・6/23現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が2,000億円未満、PERが19.0倍以下、PBRが4.5倍以下、株価が25日移動平均線を上回っている銘柄の中から、業績面、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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