今週の株式見通し(2023/4/17〜4/21)
今週(2023/4/17〜4/21)の日経平均株価の予想レンジは28,300円-28,800円。国内では小売などの決算発表が一巡する。3月の訪日外客数(4/19)や3月全国消費者物価指数(4/21)など注目の経済指標もあるが、全体としては材料難の週となる。そういった中、為替市場や米国株の動向に先物主導で神経質な展開が予想される。
日経平均株価の先週までの6日続伸で投資家心理は改善しているものの、3月決算銘柄は本決算の発表を先に控えて手がけづらくなることから、いったん上昇ピッチは鈍る公算が大きい。米国株が軟調に推移すれば、値動きが大きく不安定な動きになる可能性もある。
米国ではネットフリックスやテスラ、IBMなど主要企業の決算発表が出始めることから、景気動向と合わせて米国市場の動向に一喜一憂することになるだろう。先週発表された物価指標を確認してインフレ高進への警戒は後退しているものの、景気後退への警戒が高まる可能性があり注意が必要だ。今週は4月ニューヨーク連銀製造業景気指数や4月フィラデルフィア連銀景気指数ほか、住宅関連の指標がいくつか出てくる。
4/14のNY株式市場は反落。予想を上回る決算を発表した大手金融機関が軒並み高となったが、3月小売売上高が予想以上に減少し景気悪化懸念が強まった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が長期にわたる金融引き締めが必要だと発言したことや、米ミシガン大学が発表した4月の1年先期待インフレ率速報値が予想を上回ったことも利上げの長期化懸念を強めた。
CMEのフェドウォッチが示す5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げ確率は、前日の67%から83%に上昇した。
日経平均株価(図表1)は先週末までに6日続伸。4/14はマドを伴う上寄りスタートとなり、さらに上値を試す展開となった。3/10の急落時に形成したマドを埋め戻すことはできなかったが、昨年11月高値(28,502円)までの強い陽線を示現した。
5日移動平均線(28,058円 4/14)や10日移動平均線(27,956円 同)などの短期線の好転が続くほか、今週は25日移動平均線(27,690円 同)も上向きに変化する可能性が高い。
上述した3/10の急落で形成したマド埋め手前で押し戻される展開も想定されるが、3/9高値(28,734円)を起点に4/4高値(28,287円)を通る短期の上値抵抗線や、4/4高値などもクリアしたことで、短期的に下押す場面でも押し目買いムードが優勢か。
日経平均株価は2021年以降、概ね64〜71日の周期で安値をつける傾向がみられる。今年1/4安値からは4/14で70日目が経過しており、現時点ではこれまで通り4/6の64日目が安値変化日となっている。
上値メドは、3/9安値(28,558円)、3/9高値(28,734円)、8/17高値(29,222円)を起点に3/9高値を通る上値抵抗線、8/17高値などがある。下値メドは、4/13高値(28,163円)、10日移動平均線や25日移動平均線、200日移動平均線(27,425円 同)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/7/1-2023/4/14)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、3月首都圏マンション販売(4/18)、3月訪日外客数(4/19)、3月貿易収支(4/20)、3月全国消費者物価指数(4/21)などがある。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数(4/17)、中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、上海モーターショー(〜4/27)、独3月ZEW景況感指数、米3月住宅着工件数(4/18)、米4月フィラデルフィア連銀景気指数、米3月中古住宅販売(4/20)、米4月製造業PMI(4/21)などがある。
米国企業の決算では、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ネットフリックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン(4/18)、テスラ、モルガン・スタンレー、IBM、トラベラーズ、アボット・ラボラトリーズ(4/19)、アメリカン・エキスプレス、ユニオン・パシフィック、スナップオン、CSX(4/20)、P&G(4/21)が発表を予定している。
今週の注目銘柄!(4/17〜4/21)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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6472 | 430 | 279 | ベアリング大手3社の一角で等速ジョイントは世界シェア2位。海外売上高比率は約7割で、アジア、欧州、米国とバランスの取れた構成となっている。2023年3月期の3Q累計(4-12月)の連結営業利益は98.9億円(前年同期比3.9倍)で着地。国内での販売増加や在庫評価、為替の影響などが寄与した。2023年3月期の本決算発表は5/12を予定している。株価は3Q累計の発表で2/3から約1カ月の間で強い上昇相場が続いた。一方、現在は3/9高値378円を起点に調整局面にあるが、25日移動平均線に絡む動きを続けている。中期的に注目すべきは、3/9までの上昇を通じて2021年4月高値355円を上回った点だ。強い上昇基調にある13週移動平均線上を保っており、一段高への展開が濃厚だろう。ターゲットは430円、ロスカットは279円 | |
7545 | 1,830 | 1,540 | ベビー・子ども用品の大手。前期の2023年2月期の営業利益は109億円(前の期比11%減)となったが、今期2024年2月期は136億円(前期比24.4%増)を見込んでおり、2022年2月期を上回る見通し。3月度の売上高は全店・既存店ともに前年同月を上回っており、今期は滑り出し順調である。株価は年初から上昇が続いており、4月に入ると本決算後は昨年8月以来の1,700円台を一時的に回復した。4/11-13にかけては利益確定売りが出たものの、75日移動平均線を割れずに反発して25日移動平均線上に回帰した。オシレータ系指標に過熱感はみられず、上昇トレンド継続とみた買いが続くと予想する。ターゲットは1,830円、ロスカットは1,540円 | |
8125 | 1,450 | 1,185 | 機械商社で土木建設機械の販売・レンタルが主力。同社は4/7、2024年2月期の通期連結営業利益予想を64億円(前期比11.0%増)とし、年間配当予想を43円(前期は38円)にすると発表した。建機事業において、新規投入したレンタル資産機の稼働率向上などを見込む。前期の連結営業利益は57.7億円(前の期比4.7%増)と会社計画の60億円を下回った。株価は同時に発表した自社株買いも好感し、4/10は急騰した。ただ、反動で大きく下げることなく高値もみ合いとなっている。短期的な過熱感は否めないが、昨年6月以降のレンジ上放れにも見えることで、高値もみ合いから一段高が狙えそうだ。ターゲットは1,450円、ロスカットは1,185円 | |
8267 | 3,000 | 2,550 | 国内流通2強の一角、総合スーパー(GMS)が中心。同社は4/12、2024年2月期の通期連結純利益予想を250億円(前期比16.9%増)だと発表した。市場予想を下回ったものの、翌日4/13の株価は強気反応を示した。増収増益計画が安心材料になった模様だ。2,500円割れでは押し目買いで下げ渋ったあとは、上記決算を通じて200日移動平均線を上回る水準まで回復している。先週、週足では26週移動平均線を上回っており、次は13週移動平均線が長期の52週移動平均線を上回る好転サインが発する可能性も出てきた。昨年10月高値2,907円まではまだ距離はあるが、上回ると中期強気サインとなる。ターゲットは3,000円、ロスカットは2,550円 | |
9021 | 6,700 | 5,300 | 近畿日本ツーリストが発表した今年のゴールデンウィーク国内人気旅行先について、大阪府が4位にランクイン。前年の15位から順位が急上昇し、販売高の伸び率では全都道府県でトップとなった。同社にも恩恵がありそうだ。関西圏の活発化とインバウンドの回復により、業績の持ち直しに拍車がかかると見込む。大阪万博関連としても有力候補である。株価は年初から下落基調が続いたが、2/22安値5,115円を起点に反転上昇。下値を切り上げる上昇波動に変化し、10日移動平均線上で強いモメンタムが続く。コロナ禍で低迷した需要が回復傾向にあり、景気後退が懸念されるなかではディフェンシブ性も発揮しやすい。ターゲットは6,700円、ロスカットは5,300円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/14現在、プライム銘柄で時価総額500億円以上、配当利回りが1.3%以上、PBRが2.5倍以下、今期増収・営業増益予想(日経予想)、株価が13週・26週移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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