今週の株式見通し(2023/2/20〜2/24)
今週(2023/2/20〜2/24)の日経平均株価の予想レンジは27,400円-27,900円。米10年債利回りの動向に神経質になる1週間となりそうだ。国内では週末の日銀総裁・副総裁候補者に対する所信聴取までは材料に乏しい。週前半は2/20の米国市場が休場となることで全般的に手掛けづらいほか、2/23の祝日前後では商いも減少しそうだ。決算発表が終わったことで個別ベースでも材料が少なくなる。米金利動向を横目にバリュー業種とグロース業種の日替わり的な物色が続く展開が予想される。
米国では物価指標、小売売上高などの経済指標を消化しながら米10年債利回りは上昇し、為替市場ではドル高・円安が進んだ。今週発表される米2月製造業PMIや米1月個人消費支出・個人所得、前回0.25%の利上げが決定されたFOMC議事録の公表結果などに金利変動リスクが警戒される。ただ、昨年12月につけた直近高値3.88%付近まで上昇した米10年債利回りが上昇一服となれば、グロース業種への資金シフトが生じやすい。ほか、米国では1月中古住宅販売や10-12月期GDP改定値なども発表される。
日経平均株価(図表1)は年初からの上昇基調が続く。相変わらず日々のローソク足は陰線が多く伸び悩んでいるが、底堅さも相変わらずだ。先週は2/6につけた終値ベースの高値(27,693円)を若干上回る展開となった。一方、上値では、昨年8/17高値を起点に11月や12月の戻り高値を通る右下がりの抵抗線を意識している可能性が高い。終値ベースで抵抗線を上に突破する陽線や強い動きが生じるかが今週も引き続き焦点となる。
中長期線の75日移動平均線(27,308円 2/17)や200日移動平均線(27,257円 同)も横ばいに近い状況にある。短期線の25日移動平均線(27,242円 同)が上昇しながら収れんしており、今週は中長期線を上抜くタイミングで何か変化が生じるか。
上値メドとしては、2/6高値27,821円、心理的フシの28,000円、12/14高値28,502円、8/19安値28,913円など。短期的な下値メドは、75日移動平均線〜25日移動平均線、1/23高値(26,938円)、1/20高値26,553円などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2022/7/1-2023/2/17)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントでは、1月企業サービス価格指数(2/22)、1月全国消費者物価指数、配当・優待権利付き最終売買日、衆議院で日銀総裁・副総裁候補者に対する所信聴取(2/24)などがある。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米2月製造業PMI、米1月中古住宅販売(2/21)、FOMC議事録(1/31〜2/1開催分)(2/22)、米10-12月期GDP改定値、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(〜2/25、インドネシア)(2/23)、米1月個人消費支出・個人所得、米1月新築住宅販売(2/24)などがある。
主な米企業決算では、ホームデポ、ウォルマート(2/21)、エヌビディア、イーベイ(2/22)が発表を予定している。
なお、2/20の米国市場はワシントン誕生記念日のため休場となる。
今週の注目銘柄!(2/20〜2/24)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2986 | 4,300 | 3,100 | 分譲・商業施設などの新築不動産や、再生不動産開発を手がける。2/14の取引時間中に通期決算を発表。前期実績は中計を前倒しで達成する好調な着地となり、今期経常利益 も3割近い伸び率を見込む。金利上昇による不動産市況の後退が懸念されるなか、強気の見通しと新中計を発表した同社への注目度は高い。株価は昨年12/16に上場来高値(3,985円)をつけたが、その後は日銀によるYCC修正をきっかけとした不動産株売りに巻き込まれる展開となった。ただ、3,000円を割れたところではすかさず買い戻され、底堅く推移している。足元では前述の決算を好感して大きく上昇。ボリンジャーバンドがエクスパンションに移行しており、買いが強まると予想する。ターゲットは4,300円、ロスカットは3,100円 | |
3627 | 382 | 307 | 旧ネオスの持ち株会社として誕生。AI・IoT分野の開発に強みを持つ。AIチャットボットの提供や、ポケトークへの出資なども行っている。前期にヒットしたニンテンドースイッチ向けソフトの反動減もあり、今期は大幅な最終減益を見込む。3月から翌期に入るため、業績の持ち直しに期待したい。株価は長期的な下落トレンドが続いていたが、昨今のAI関連株物色で2/9に大幅高。1月終盤に跳ね返された75日移動平均線を大きく上回った。ただ、上がったとはいえ、ほかのAI関連株と比べ、同社の株価は300円台と安値圏であることに変わりはない。一目均衡表の雲も一時上抜ける場面があるなど、出遅れ株として買いが続くと予想する。ターゲットは382円、ロスカットは307円 | |
4644 | 1,120 | 910 | スマホゲームとパッケージソフトを収益の柱としている。2/10に、ニンテンドースイッチ向けソフト「Fit Boxing 2」の中国テンセントとの販売ライセンスに合意したと発表。これを好感して翌営業日の2/13は大幅高となった。日欧米だけでなく中国においても健康意識は高まっており、今回の件は業績への貢献度も大きいと考える。株価は2021年半ばから緩やかな下落トレンドとなっていたが、昨年10月に860円の安値を付けて下げ止まった公算が大きい。その後、値動きは荒いものの、下値を切り上げる展開が続く。2/13の大幅高の反動安も10日移動平均線付近までにとどまっており、強いモメンタム余地は残っているとみられる。ターゲットは1,120円、ロスカットは910円 | |
6551 | 730 | 500 | 小売業・飲食業のアルバイト採用代行などを展開している。2/14に発表した1Q営業利益は広告費などが増加しつつも前年同期比3.2倍と伸長。インバウンド回復が期待されるなか、飲食業・小売業は慢性的な人手不足。今後の人材需要から同社事業へのニーズも高まるだろう。 株価は昨年6月ごろから上昇トレンドに転換。11月に629円の高値を付けた後は調整売りが入ったものの、今年1月半ばには下げ止まって反発している。上記の1Q決算を受けた後は堅調な推移となり、短期的なモメンタムの強さに注目。当面の視点でも、業績回復を見込んだ買いが続くことが予想され、押し目買い狙いでもよいだろう。ターゲットは730円、ロスカットは500円 | |
7097 | 1,200 | 710 | 保育所「さくらさくみらい」の運営などを行う。少子化対策に関する話題が続き、関連銘柄として注目度が上昇。1Qは人件費や水道光熱費の増加などが影響して営業赤字となったが、一方で売上高は2ケタの伸び率。将来的に運営コストが下がった際、規模拡大の効果による損益V字回復に期待したい。株価は長らく下落トレンドが続いていたが、昨年12月終盤から物色が強まる展開。25日移動平均線が強く上向くとともに、株価は75日移動平均線も上抜けた。以前よりも活発な商いが続いており、テーマ株の一角として物色が続くと予想する。ターゲットは1,200円、ロスカットは710円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・2/17現在、時価総額500億円以下、PBRが4.0倍以下、配当利回りが1.3%以上、株価が25日・75日移動平均線を上回っている、今期増収予想(日経予想)の中から、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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