今週の株式見通し(2022/11/21〜11/25)
今週(2022/11/21〜11/25)の日経平均株価の予想レンジは27,900円-28,200円。週前半の東京株式市場は先週末の米国株の上昇の流れを受け、しっかりの地合いが予想される。ダウ平均は3日ぶりに反発し、直近高値にあとわずかに迫った。
注目ポイントはFOMC議事録(11/1〜11/2開催分)の公表である。ダウ平均の高値更新が先高期待を支える可能性はあるが、国内では11/23に祝日(勤労感謝の日)を挟むほか、11/24は米国市場が感謝祭で休場となる。日本とアメリカの休場の間にFOMC議事録の公表があるため、指数ベースで上値は追いづらい。
セントルイス連銀総裁やボストン連銀総裁などFRB高官のタカ派発言などもあって、米利上げペースの減速観測がやや後退している。FOMC議事録で議論の中身がタカ派色の強いものであったとの印象を与え、米長期金利の上昇を招く場合、グロース指数のナスダックの下落につながりやすい。
一方、ドル円の円安方向への揺り戻しが生じる可能性が高い。東京市場でもグロース株には逆風となるが、中国を中心にアジア市場がしっかり推移していれば先物主導で値崩れする展開は想定しづらい。年末に向けて循環物色が続くことが予想され、低バリュエーションの側面から自動車や銀行、決算発表で売られた内需株への見直し買いが期待できる。11月に入ってからはTOPIXが日経平均株価をアウトパフォームしており、短期的にもTOPIX主導の相場展開をイメージしておきたいところだ。
日経平均株価(図表1)は10/3安値(25,621円)から緩やかに下値を切り上げる展開が続く。11/11高値(28,329円)でいったん上昇が一服したのは、3/25高値(28,338円)や6/9高値(28,389円)などが節目として意識された公算が大きい。短期指標の上げ基調に大きな変化はなく、トレンドフォローが基本スタンスであろう。
直近11/11高値(28,329円)以外の上値メドとしては、9/14の急落で開けたマド埋め(28,530円)、10/6高値から10/13安値までの下げ幅を10/6高値に加えたV計算値(28,560円)、6/20安値を起点に7/1安値と9/7安値を通る右上がりの抵抗線、8/22の下げで形成したマド埋め(28,913円)、10/3安値から10/6高値までの上げ幅を10/6高値に加えたE計算値(29,176円)などがある。
10月の月足ローソク足は2020年11月以来の実体(始値と終値のレンジ)の長い陽線を形成。9月の下げ相場では、2012年秋口の安値を起点とした長期上昇トレンドラインまで下押す弱気一辺倒の値動きとなったが、10月はトレンドライン上から見事に陽線で切り返した。11月相場は後半に入る。小幅高、あるいはもみ合いにとどまるかもしれないが、27,500円前後などを維持できれば12月〜1月の上放れにつながる可能性が高まるとみられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/7/1-2022/11/18)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、10月首都圏新築分譲マンション販売(11/21)、11月都区部消費者物価指数(11/25)
がある。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは米2年国債入札(11/21)、FOMC議事録(11/1〜11/2開催分)、米10月耐久財受注、米10月新築住宅販売(11/23)、米ブラックフライデー(11/25)などがある。
米企業決算では、ベスト・バイ、ダラー・ツリー(11/22)が発表を予定している。
なお、11/24の米国市場は感謝祭のため休場となる。
来週の注目銘柄!(11/21〜11/25)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2158 | 1,250 | 800 | AIを活用した予測システムなどの開発・提供を行っている。11/14に上期業績を発表。上期営業損益は赤字となったものの、2Q(7-9月)の赤字額は0.6億円と、1Q(4-6月)の1.7億円に比べて大幅に縮小。業績悪化が減速してきたことから、3Q(10-12月)黒字も視野に入る。株価はコロナ禍でテンバガーを達成。2021年11月に高値5,300円を付けた後は急降下し、2022年9月に698円の安値を付けた。一方、その後は下値を切り上げながら上昇してきており、株価も底打ち感が出てきている。上述の決算を受けて翌日は安く始まったものの、寄り付き直後を安値として、以降は買われる展開。これによって75日移動平均線上に再浮上してきており、200日移動平均線が推移する1,200円台半ば程度を狙いたい。ターゲットは1,250円、ロスカットは800円 | |
3853 | 970 | 770 | データ連携ツールなどのソフト事業のほか、投資事業も展開している。11/10に発表した上期純利益は33.5億円(前期比6倍)と大きく伸長。投資先の評価益を計上したことが主な要因となっているが、11/17の終値819円でみると、上期EPSで計算した実績PERは4倍。特殊要因があるとはいえ、予想PER17倍から見て割安感は強い。投資先のナスダック上場が材料視され、6月に1,268円の高値をつけた。その後は材料出尽くし感から売り優勢となったものの、9月以降は800円前後で底固めの展開。上述の決算後は急騰・急落の激しい動きとなったものの、11/16以降は再び買われてきている。これによって底打ち感が強まるとともに、一目均衡表の雲も薄いことから、このまま上に突き抜けて上昇を強めると予想する。ターゲットは970円、ロスカットは770円 | |
6036 | 4,500 | 3,570 | カーコーティングなどの専門店「キーパーラボ」を運営している。11/10に発表した2023年6月期1Q(7-9月)の営業利益は11.7億円(前年同期比46.6%増)。上期計画に対して進ちょく率が38.4%とやや遅れ気味だが、新車の納車遅れなどが要因の1つと考えられる。足元では新車の部材不足もピークを過ぎているとみられ、徐々に納車が進むことで通期では巻き返しが十分に可能とみる。9月以降、株価は75日移動平均線を挟んで高値圏で保ち合いを継続。前述の決算を受けて11/11は一時マイナスに転じたものの、終値ではプラスで終了しており、さほど悲観されていない様子。8月高値(4,585円)からの調整一巡が近いとみられ、上放れにつながる展開が予想される。ターゲットは4,500円、ロスカットは3,570円 | |
7606 | 2,100 | 1,750 | セレクトショップ大手。カジュアル系のアパレルを多く展開している。11/7に2023年3月期上期の決算を発表したが、2Q(7-9月)が赤字だったこともあり、株価が急落した。1Q(4-6月)比で減収となったことや販管費率が上昇したことなどが要因だが、会社としては各利益は計画を超えていると説明。10月の既存店売上高は前年同月比22%増と高い伸びだったことから、この調子が続けば巻き返しも可能とみる。2Q決算直前に高値2,089円を付けた後、決算後には1,758円まで下落。その後は切り返す展開となり、失望売りは一巡したとみられる。ストキャスティクスに買いシグナルが点灯しており、反発期待が強い。ターゲットは2,100円、ロスカットは1,750円 | |
8929 | 1,280 | 940 | 資産家への運用、相続のコンサルなどを提供している。11/11に発表した3Q累計の経常利益は16億円(前年同期比17.7%増)と、通期計画に対する進ちょく率は66.2%となった。例年では4Qに大きく利益を計上する傾向があり、業績への不安感は小さいと考える。9月以降、株価は900円台で底ばいを続けていたが、上記の決算発表日近辺で買われ、上方向へトレンド転換。足元は一目均衡表の雲を上抜けてきた。8月の戻り高値(1,096円)に近づいていることで、目先的には980円どころまで押される可能性もあるが、当面のモメンタムストックとして注目してもよい。ターゲットは1,280円、ロスカットは940円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・11/18現在、時価総額が1,500億円未満、PBRが1.0倍以上、株価が10日移動平均線を上回っている銘柄の中から、出来高の推移や業績面、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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