来週の株式見通し(2022/7/4〜7/8)
来週(2022/7/4〜7/8)の日経平均株価の予想レンジは26,200円〜27,000円。東京株式市場は方向感に乏しい展開が予想される。半導体関連を中心にハイテク株に売りが波及しており、指数の上値を抑える要因になる。一方、内需株への物色が続く可能性があり地合いが極端に悪化する雰囲気ではなさそうだ。
主なパッシブ型ETFで分配金支払基準日を迎え、週末(7/8)は配当金捻出のためのキャッシュ作りの売り需要が8,000億円近く発生する見込み。外部環境次第という側面はあるが、指数に及ぼす売りインパクトへの警戒感が週後半あたりから強まる公算が大きい。
週末は7月限SQなども控えており、指数ベースでは方向感が出づらい。ただ、円安が進展しており、インフレのピークアウト感が米国などから伝わってくるような雰囲気になると、やや上値を試す場面も想定される。
一方、国内企業の決算発表が増加するため、決算銘柄への売買は活発化することが見込まれる。イオン(8267)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)、良品計画(7453)など多数の小売企業のほか、週末は海外の景気動向を探る上で重要な安川電機(6506)の決算内容にも注目したい。
猛暑とともに「夏枯れ」を思わせるような閑散相場の雰囲気になりつつあるが、日経平均株価の過去の7月相場を振り返るとどうか。直近5年間の推移を図表1でそれぞれ示した。2017年〜2019年はほぼ横ばいの推移となったが、直近2020年〜2021年に関しては終盤弱含んだ。あまり参考になるデータではないが、直近はETFの影響が数年前に比べると一段と増している。ETFの分配金捻出のための売りが一巡した直後は材料出尽くしで戻る場面はあっても、見せかけの上昇にとどまる可能性がある点には留意しておきたい。
図表1:過去7月の日経平均株価の推移(2017-2021)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
日経平均株価(図表2)は6/20安値(25,520円)からの反発基調が続く。6月の急落場面でも、終値ベースで5月安値を下回らなかったことで、3/9安値(24,681円)を起点とした上昇波動は継続と判断できる。今週は一時的に25日移動平均線(26,980円 6/30)を上回る場面があったが、引き続き、同線超えが相場安定のポイントとなる。
一方、ここから反発基調が続く場合でも、当面は200日移動平均線(27,846円 同)付近や、6/13の急落で形成したマド埋め水準(27,795円)を上限とした保ち合い相場にとどまる可能性が高いとみられる。
図表2:日経平均株価の日足チャート(2021/7/1-2022/6/30)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントでは、6月都心オフィス空室率、5月景気動向指数(7/7)、5月家計調査、6月景気ウォッチャー調査、オプションSQ(7/8)がある。
国内企業の決算発表では、ネクステージ、クスリのアオキ、ハイデ日高、アークランド、瑞光、バイク王(7/4)、ウエルシアHD、イオンFS、U.S.M.H、サンエー、アークス、エスプール、トーセイ、薬王堂HD、ハニーズHLD、アオキスーパー(7/5)、イオン、フジ、イオン北海、イオンディライ、MV東海、大黒天、ファンタジー、サーラ、ミニストップ、わらべや、日本BS放(7/6)、7&I−HD、キユーピー、SHIFT、久光薬、OSG、USENNEXT、乃村工、大有機、クリーク&リバ、ヨンドシーHD、オンワードHD(7/7)、安川電、良品計画、マニー、ライフコーポ、ベルク、アダストリア、ワキタ、カーブスHD、歌舞伎、マルゼン、北興化、TAKARA&C、ジャステック、明光ネット、フロイント(7/8)が予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米5月製造業受注(7/5)、米6月ISM非製造業指数、FOMC議事録(6/14〜6/15開催分)(7/6)、米6月ADP全米雇用リポート、米5月貿易収支(7/7)、米6月雇用統計、米5月消費者信用残高(7/8)などがある。
なお、7/4の米国市場は独立記念日のため休場となる。
来週の注目銘柄!(7/4〜7/8)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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3391 | 9,000 | 6,500 | 全国展開するドラッグストア大手で、福太郎などを傘下に持つ。今期は151店舗の新規出店を計画しており、営業利益は前期比5%増を見込む。訪日旅行客の受け入れも再開されたことから、全盛期までには及ばなくともインバウンド需要回復にも期待したい。株価は2014年ごろの水準にまで落ち込んでいるが、今期のガイダンス発表(6/21)を機に大きく上昇。昨年11月ぶりに75日移動平均線上に浮上した。昨年9月高値14,590円と今年6月の安値6,230円から計算した3分の1戻しは9,016円。半値戻しは10,410円となる。小売り関連の見直し機運も高まっており、上昇余地は大きいとみる。ターゲットは9,000円、ロスカットは6,500円 | |
6101 | 1,400 | 1,055 | 小型自動旋盤の首位で、スマホや自動車向けに強い。今期営業利益は微増にとどまる見通しだが、内閣府が発表した4月の機械受注は市場予想に反して前月比10.8%増と2カ月連続のプラスだった。日本工作機械工業会が発表した5月の工作機械受注額も、中国向けが前月比で2カ月ぶりにプラスに転じた。今後は上海ロックダウンが明けたことで回復ペースの加速が期待できる。株価は6/20の1,058円を底値に反発。2020年の3/19安値620円から2021年の9/16高値2,023円までの3分の2押しが1,087円であり、継続的な自社株買いも支えに買い戻しが強まると予想する。ターゲットは1,400円、ロスカットは1,055円 | |
6755 | 3,160 | 2,490 | 関東などでは早くも梅雨明けとなり、東電管内では需給ひっ迫注意報が連日で発令されるなど、今年の暑さがクローズアップされている。株式市場でも猛暑関連の深掘りが進むと予想。エアコンを取り扱う同社に着目した。他に関連として派手に動いている銘柄もあるが、同社も足元では静かに6/7につけた直近高値の2,571円を上回ってきた。これにより、5月10日の2,129円で当面のボトムをつけた可能性が高まった。6月中旬に強めに下げたが、切り返した後の動きが強く、短期のゴールデンクロスを形成している。週足では実体の長い陽線を形成した後、今週に入って52週移動平均線(2,618円)を突破してきた。当面は強い抵抗となりそうな水準が少なく、2020年高値3,315円に向けて水準を切り上げる展開を予想する。ターゲットは3,160円、ロスカットは2,490円 | |
7269 | 4,800 | 3,910 | 国内軽2強、2輪3位、インド4輪ではシェア4割弱占有する。3/9に3,516円まで下落して年初来安値を更新したが、以降は底固めが進展。5月に崩れた際も3,600円どころで下げ渋り、6月に入ってからは円安に勢いがつく中で下値を切り上げている。週足では26週移動平均線(4,235円前後)を上に抜けてきた。13週移動平均線とともに傾きが下落から横ばいに転じており、中期視点でも下げ止まり感が台頭している。6/28には4,322円まで上昇し、年初来安値を更新した後の戻り高値である4,324円(3/30)に接近。ドル円が136円台に乗せており、自動車株には追い風が吹く。この戻り高値を早々に超えて、上昇に弾みがつく展開を予想する。ターゲットは4,800円、ロスカットは3,910円 | |
7606 | 2,490 | 1,860 | 複数ブランドを展開するアパレル大手。コロナ禍で2021年3月期は赤字に陥ったものの、前期は黒字転換。今期も売り上げ・利益とも回復を見込む。アパレルの中でも経済活動再開に伴う月次売上高の回復が顕著で、直近5月分では小売+ネット通販既存店売上高が前年同月比41%増と好調。人流回復も始まったばかりであり、今年は猛暑が想定されることから夏物商戦も好調と考える。株価は5月から6月初頭にかけて大きく上昇。その後は急上昇の反動や地合いの悪化も相まって9営業日続落したものの、75日移動平均線付近で下げ止まり切り返し。底打ちの兆しがみえてきた。直近の信用残は売り買いの偏りがなく、需給環境も悪くない。年初来高値となった6/6高値2,290円更新を予想する。ターゲットは2,490円、ロスカットは1,860円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・6/29現在、東証プライム銘柄で時価総額が500億円以上、PERが25.0倍以下、PBRが3.0倍以下、配当利回りが1.0%以上、今期増収・増益予想(営業損益、日経予想)、株価が10日移動平均線を上回っている中から、成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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