来週の株式見通し(2022/4/18〜4/22)
来週(2022/4/18〜4/22)の日経平均株価の予想レンジは26,700円〜27,400円。月後半の決算発表を前に様子見姿勢が強くなり、指数の戻りも一服し方向感に乏しい展開が予想される。中国の消費促進策や金融緩和への期待が支えだが、米長期金利の上昇が止まらず米半導体株指数(SOX指数)は年初来安値を更新した。週後半には日本電産や東京製鉄などが決算を発表する。海外では、中国1-3月期GDPやベージュブック(米地区連銀経済報告)の公表、米国企業ではIBM、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&Gなどの決算発表が注目される。
物色面ではバリュー系銘柄やディフェンシブ業種への物色が引き続き意識されそうだ。米長期金利の高止まりが続く中、4月に入ってからは医薬品や電気・ガス、水産・農林など米国市場に連動してディフェンシブ業種の上昇が相対的に目立つ。また、素材系景気敏感の鉄鋼や非鉄などバリュー株の一角が機械や電気機器などハイテク株に対して比較的堅調に推移している。企業の決算発表を前に半導体不足や部品供給の遅れなどを要因にガイダンスリスクへの警戒感が強まりやすく、押し目買いは素材系バリュー株に徹するべきか。
ドル円相場は重要な上値目途と意識されていた2015年6月高値125.86円を上抜け、約20年ぶりの126円台に上昇した。足もとで円の買い戻しの手がかりは、「円安けん制」や「円買い介入」以外にあまり見当たらない。口先のけん制効果は一時的であり、日本の当局が「円買い介入」を実施する可能性は現時点で低く、ドル円は底堅い動きが続きそうだ。ただ、米インフレがピークに達したとの見方も高まりつつあり、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め加速を織り込むドル買い・円売りは緩やかになりそうだ。
日経平均株価(図表1)は直近安値となった4/12安値26304円から戻り歩調にある。4/14には25日移動平均線(27,036円 4/14)上を回復した。
RSI(9日)は29.9%→40.5%(4/14)に上昇。30%を上回るボトムアウトとなり、次は強気局面入りの50%超に上昇できるかが焦点となる。
短期的な上値メドとしては、75日移動平均線(27,291円 同)4/1安値27,399円、昨年9/14高値(30,795円)を起点に11/16高値(29,960円)を通る右肩下がりの上値抵抗線、200日移動平均線(28,164円 同)などがある。下値メドは、4/12安値26,304円、1/27安値26,044円、心理的フシとなる26,000円、3/16高値25,824円付近などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/4/14)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、3月首都圏マンション販売(4/18)、3月貿易収支(4/20)、3月全国消費者物価指数(4/22)がある。
国内企業の決算発表では、日電産、オービック、ディスコ、OBC、ナガセ、OKK(4/21)、東製鉄、ジャフコG、KOA、エレマテック、サーティワン、岩井コスモ(4/22)などが予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、IMF・世界銀行春季総会(ワシントン、〜4/24)(4/18)、IMF世界経済見通し発表、米3月住宅着工件数(4/19)、米3月中古住宅販売、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、米20年国債入札、G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)(4/20)、G7財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)(4/21)などがある。
米企業の決算では、バンク・オブ・アメリカ(4/18)、IBM、ネットフリックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、トラベラーズ、ハリバートン(4/19)、P&G、アボット・ラボラトリーズ、CSX(4/20)、ユニオン・パシフィック、フィリップ・モリス(4/21)、ベライゾン・コミュニケーション、アメリカン・エキスプレス(4/22)などが発表を予定している。
来週の注目銘柄!(4/18〜4/22)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2780 | 2,250 | 1,705 | 中古品の買い取りなどを手がける。直近では「コメ兵」の3月月次売上が前年同期比39.1%増の63.5億円であったと発表。金相場が高騰したことで、宝石や貴金属の取り扱いが伸びたもよう。買い取り業に関しては、金価格が上昇する局面では、メディアでも取り上げられやすくなり、普段サービスを使用しない層からの買い取り依頼なども増える傾向がある。株価は2021年12月の1,289円、2022年1月の1,298円でダブルボトムを形成したかたちとなっており、直近の上昇で今年1月につけた戻り高値1,819円を超えてきた。PERは10倍近辺で妥当な水準。通期の営業利益計画29.5億円に対して3Q時点で26.5億円の着地となっており、計画超過達成の可能性は高い。ここから先は昨年10月高値の2,255円まで抵抗となりそうな水準は少ない。ターゲットは2,250円、ロスカットは1,705円 | |
5704 | 1,200 | 720 | 3Dプリンタによる試作品作製と砂型鋳造が柱。新型コロナウイルス感染症拡大の一服感から、凍結が続いていたプロジェクトの再始動や、EV(電気自動車)開発ニーズの高まりから、付加価値の高い案件の受注が増加基調にある模様。株価は堅調だ。2021年12月安値426円を起点に商いの増加を伴いながら急騰する場面があった。1/7高値788円をつけたあとは2カ月程度の日柄調整が続いたが、3月中旬以降から再動意の展開となっている。1/7高値を上抜けたことで需給が好転した可能性が高く、上値追いの展開がしばらく続きそうだ。週足の一目均衡表では抵抗帯(雲)を上抜けたばかりで、中長期の視点からは過熱感はないといえよう。ターゲットは1,200円、ロスカットは720円 | |
6183 | 1,720 | 1,310 | コールセンター大手。4/6に発表した本決算が好感されて、翌日の株価は大幅高となった。2022年2月期の営業利益は前期比12.2%増の132億円。従来計画の122億円を上回った。2023年2月期も増収増益計画と安心感のある内容が確認できた。今年の1月には3Q決算を確認して水準を切り上げたが、2月は反動売りに押された。ただ、1/11の安値1,195円を下回ることなく3月中旬以降は反転。本決算を受けた上昇で、1/21につけた直近高値の1,460円を上回った。これにより、今年の1月で当面の底を打った可能性が高まった。週足は実体の長い陽線となり、26週移動平均線を明確に上方ブレーク。昨年後半に値を崩したが、その前の水準である1,700円〜1,900円レベルに向けて、出直り基調を強める展開が予想される。ターゲットは1,720円、ロスカットは1,310円 | |
6618 | 1,100 | 665 | サーミスタ利用の温度センサー主力。車載、空調向けが両輪、2次電池用も手がける。2022年3月期3Q累計の営業利益は4.7億円(前年同期比7.5倍)と好調な着地となった。昨年9月には子会社であるセンサー工業の五戸工場の出荷棟が竣工。電動車(EV、HV、PHV)用サーミスタセンサを生産しており、自動車電動化領域用サーミスタの需要増加に対し、工場増設により安定供給を図る。来期の通年での収益貢献に期待したい。株価の長期波動は2014年以降でレンジ相場を形成している。年初に1,230円の高値を付けたあとは値幅調整が予想以上に拡大したが、2/24につけた安値619円からは緩やかに戻り歩調にある。1,000円前後からの戻り売り圧力は強くなるが、2月安値は上述した長期波動でも下値を切り上げる格好となっており、長期スタンスでも面白いタイミングだ。ターゲットは1,100円、ロスカットは665円 | |
6754 | 1,815 | 1,510 | 通信系計測器の有力企業で携帯電話や基地局に強い。5G関連の大本命とみなされ、2020年までは非常に強い動きを見せていたが、2021年以降は下落トレンドが続いている。今年に入っても基調は弱く、3/16には昨年来安値を更新した。ただ、1/27安値が1,502円で3/16の安値が1,488円。1,500円どころでは下げ渋る動きが観測される。この1,500円という水準が長期でも意識されており、コロナ・ショックのあった2020年3月は1,550円まで下げたところで鋭角的に切り返した経緯がある。2019年5月も1,554円でボトムを打って切り返している。4/4以降は25日移動平均線上で安定しており、2/16高値1,650円を上回ると、200日移動平均線が通る1,800円台前半まで上値余地は伸びる公算が大きい。ターゲットは1,815円、ロスカットは1,510円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/13現在、時価総額が3,000億円以下、PERが28.0倍以下、PBRが3.0倍以下、株価が25日移動平均線を上回っている、今期増収予想(日経予想)の中から、成長性や話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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