来週の株式見通し(2022/3/28〜4/1)
来週(2022/3/28〜4/1)の日経平均株価の予想レンジは27,000円-29,000円。市場環境がリスク回避の地合いから落ち着きを取り戻しており、米中の景気状況に多少は焦点が移る公算が大きい。米長期金利が高止まりする中、商品市況の動向に対する金利の値動きも株価を左右しそうだ。膠着状態にあるロシア・ウクライナ情勢はいったん落ち着いたようにみえても、突発的な変化はリスク要因となりえる。
需給面では、大口投資家による配当再投資の買いは週前半で一巡することや、3月末の権利落ち後は買い物が減少する公算が大きい。月末安への警戒や直近2年間で年度末は下落している。特に、権利落ち後に米国株や為替、金利動向など外部環境に逆風が生じた際にはネガティブな方向に値動きが大きくなる可能性もある。
一方、4月相場入りで海外投資家による日本株への資金流入期待が高まりやすい。円安が景気敏感の日本株に追い風となる思考回路を通じて例年通り買い意欲を強めるかが、この先の日本株の上値余地を決める重要な要因となろう。
国内の経済指標では日銀金融政策決定会合の主な意見(3/17〜18開催分)(3/29)、2月商業動態統計(3/30)、2月鉱工業生産(3/31)、3月日銀短観(4/1)などに注目。海外の経済指標では、米1月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数(3/29)、米3月ADP全米雇用リポート(3/30)、中国3月製造業PMI、米2月個人消費所得・個人支出(3/31)、中国3月財新製造業PMI、米3月ISM製造業景気指数、米3月雇用統計(4/1)などが注目材料となる。
日経平均株価(図表1)は3/24まで8連騰。高値圏において、「マド」を開けた状態での並びの陽線(並び赤)となり、7陽連(7日連続の陽線)を形成した。75日移動平均線(27,485円 3/24)や2/10につけた終値ベースの戻り高値27,696円なども更新する強気サインが続いた。
RSI(9日)は87.9%→84.8%(3/24)とややピーク感はあるものの、200日移動平均線(28,278円 同)上へのトライが目前に迫っている。
一方、相場のセンチメントをみるサイコロジカルライン(12日)は9勝3敗(75%)と高値警戒感があり、いつ反転下落が生じても不思議ではない。だが、フシを連続して上回る強気サインが連続したことで、3/9安値(24,681円)が当面の底入れと判断できそうだ。
上値メドは、200日移動平均線、1/18高値28,690円、29,000円〜1/5高値29,388円など。下値メドは、75日移動平均線、3/1高値27,013円、25日移動平均線(26,352円 同)、3/16高値25,824円などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/3/24)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、日銀金融政策決定会合の主な意見(3/17〜18開催分)、配当・優待権利付き最終日、2月失業率、2月有効求人倍率(3/29)、2月商業動態統計(3/30)、2月鉱工業生産、2月住宅着工統計(3/31)、3月日銀短観、3月新車販売台数(4/1)がある。
国内企業の決算発表では、サムティ、ハニーズHLD、ヒマラヤ(3/29)、クスリのアオキ、西松屋チェ、マルマエ(3/30)、ニトリHD、TAKARA&C、スターマイカHD、FフォースG(3/31)、象印、トシンG(4/1)などを予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米2年国債入札、米5年国債入札(3/28)、米1月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数、米7年国債入札(3/29)、米3月ADP全米雇用リポート、米10-12月期GDP確報値(3/30)、中国3月製造業PMI、米2月個人消費所得・個人支出(3/31)、中国3月財新製造業PMI、米3月ISM製造業景気指数、米3月雇用統計(4/1)がある。
来週の注目銘柄!(3/28〜4/1)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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3441 | 1,600 | 1,150 | 電子機器用コネクターのメッキ加工会社。3/14に発表した2022年7月期の上期営業利益は3.2億円(前年同期比6.9倍)と好調な着地となり、通期の営業利益予想を従来の3.0億円から5.0億円(前期比90.2%増)に引き上げた。5G向けを中心とした通信分野での需要拡大は、下期以降においても継続する見込みであり、受注水準が前回公表の想定を上回る見通しであることを踏まえた。株価は75日移動平均線を上回り、200日移動平均線を目指す動き。目先的な微調整は十分あり得るものの、月足の一目均衡表では抵抗帯「雲」がサポートになっており、反発基調がしばらくは続きそうだ。ターゲットは1,600円、ロスカットは1,150円 | |
3665 | 980 | 598 | 服飾に特化したネット通販「バイマ」運営している。2022年1月期の通期連結営業利益は29.7億円(前の期比2.0%減)で着地した。売上げが過去最高を更新した一方、GLOBAL事業において前期比で2.4倍の広告宣伝費を投下したこともあり、営業利益は前年からやや減少した。株価は昨年12月の業績下方修正で下振れたあとは底ばい。だが、直近の3/11安値609円を起点に戻り歩調。1月につけた安値600円を切り上げる可能性がある。3/1高値720円を上回ると底入れの確度が高まり、チャート上のマド埋め水準である988円付近まで上値余地は拡大する。ターゲットは980円、ロスカットは598円 | |
4369 | 3,250 | 2,100 | 先端半導体製造に必要な化学材料の多品種少量生産を手掛ける。2023年1月期の通期連結営業利益は34.0億円(前期比14.2%増)の見通し。半導体市場が高い水準での稼働を維持すると想定。第三工場の建設やAnnex棟での品質管理部門の本格稼働を予定しているという。2022年1月期の連結営業利益は29.8億円(前の期比10.6%増)であった。株価は3/15安値2,113円を起点に反発基調にある。上値では戻り売り圧力が次第に増大する可能性はあるが、中期波動は昨年来高値である2021年1月高値5,042.5円からの調整値幅・調整期間ともに十分こなしており、中長期でも仕込み場として注目できそうだ。ターゲットは3,250円、ロスカットは2,100円 | |
6630 | 1,420 | 1,020 | 美顔器や痩身器具など家庭用美容、健康機器メーカー。3/11に発表した2022年4月期3Q累計の営業利益は60.1億円(前年同期比10.4%増)となり、併せて通期の営業利益予想を従来の64.0億円から70.0億円(前期比14.5%増)に上方修正した。中期経営計画に掲げた「売上高500億円、営業利益率20%」の達成に向けたブランディング広告や新製品開発などの諸施策の成果などにより、予想を上回る見込み。株価は上記発表を好感して急反発となり、200日移動平均線を上値で意識しながらも底堅く推移している。二段上げ目に入る可能性が高く、昨年11月の急落時に形成したマド埋め1,426円まで戻れば利幅は比較的大きい。ターゲットは1,420円、ロスカットは1,020円 | |
9763 | 2,070 | 1,740 | 建設仮設材の上場大手3社の一角。同社は3/23、2022年3月期の通期の連結純利益予想を従来の8.1億円から10.0億円(前期比9.8%増)に上方修正した、従来予想の11.7%減から一転して増益を見込む。主力の重仮設事業で鋼材納入現場の工事が一部前倒しで進捗し、海外事業も下期に回復傾向となったことが寄与するという。株価は上記を好感して200日移動平均線を上回る展開となった。2020年3月安値1,256円を起点とした上昇一巡後は上値と下値を切り下げるもみ合いが続いたが、二段上げ目の強気サインとなった可能性が高い。ターゲットは2,070円、ロスカットは1,740円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・3/23現在、東証上場銘柄で時価総額が1,000億円以下、PBRが5.0倍以下、株価が5日・20日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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