来週の株式見通し(2022/3/22〜3/25)
来週(2022/3/22〜3/25)の日経平均株価の予想レンジは26,000円-27,300円。週前半は地合い好転の兆しを背景に、大型株主導によるしっかりの相場展開が予想される。一方、ハイテク株を中心とした値がさグロース株への短期的な買い戻しやリバランスの買いが一巡する公算が大きい。直近の短期間の上昇で日経平均株価は27,000円台回復が視野に入るが、戻り売り圧力が増大する水準でもあり、週後半には円安一服も重荷となり戻り一服の展開か。高止まりが続く米長期金利の一段の上昇や、ロシア・ウクライナ情勢は引き続きリスク要因となる。
ドル円相場は1ドル=120円を前に円安一服が予想される。期末決算に向けたレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)や、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合を通過したことで円高方向に一変する可能性もあり、急激な変化は株式市場の逆風になる。
一方、翌週には特殊要因として、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を筆頭に年金などの大口投資家による先物を通じた「配当再投資の買い」が入る。そのため、特殊要因による短期的な需給好転を見越した買い戻しや下値買いが入りやすく、原油価格が落ち着くなど外部環境が今以上に悪化しなければ26,000円付近までの調整に限られそうだ。
日経平均株価(図表1)は3/17までに4日続伸。下向きで推移する25日移動平均線(26,312円 3/17)を上回る展開となった。3/10高値を上抜けたことで上値に勢いが生じた可能性が高い。
RSI(9日)は39.7%→57.8%(3/17)に上昇。50%を上回る強気局面となり、過熱ゾーンに向けて騰勢を強める可能性が高まった。3/1につけた終値ベースの戻り高値(26,844円)超えが次の焦点となる。
上値メドは、3/1高値27,013円付近、75日移動平均線(27,519円 同)、2/10安値27,575円付近、100日移動平均線(27,978円 同)など。下値メドは、25日移動平均線、3/16高値25,824円、10日移動平均線(25,463円 同)、3/9安値24,681円、2018年10月高値24,448円処などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/3/17)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、日銀金融政策決定会合議事要旨(1/17〜18開催分)(3/24)、3月都区部消費者物価指数(3/25)がある。
国内企業の決算発表では、ツルハHD(3/22)、三益半、ニイタカ(3/25)などが予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米2月新築住宅販売(3/23)、EU首脳会議(〜3/25)、NATO緊急首脳会議(ブリュッセル)、米10-12月期経常収支、米2月耐久財受注(3/24)、独3月Ifo景況感指数(3/25)がある。
来週の注目銘柄!(3/22〜3/25)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2195 | 3,300 | 1,750 | 廃棄物再資源化大手。2022年12月期の通期営業利益予想は8.0億円(前期比43.4%増)と大幅な増益を見込む。企業経営の持続性を高め、循環型の事業創出・事業変革を支援する「CyanoProject」の展開や、営業活動および業務プロセスの統合化の推進などが寄与するもよう。また、マレーシアでのリサイクルサービスが拡大中であり、マレーシア事業に関わる持ち分法による投資利益は2年間で約8.5倍に増加している。今後のさらなる成長に期待したい。株価は昨年12月に騰勢を強める場面があり、高値4,730円をつけたあとは値動きの荒い展開となっている。一方、3月は値動きに煮詰まり感が出てきており、出来高も減少傾向。待ち伏せ的なスタンスでは妙味が高いとみられる。ターゲットは3,300円、ロスカットは1,750円 | |
3851 | 1,515 | 1,050 | ゲームソフトメーカー。PS4、Switch用が柱。2022年3月期3Q累計の営業利益は14.9億円(前年同期比90.5%増)と好調な着地。パッケージタイトルとしては、「探偵撲滅」、「風雨来記4」など合計7タイトルを発売した。スマートフォンゲームアプリとして、「ボウリング」、「ゲートボール」など5タイトルの配信を行ったことも寄与したもよう。最近では日本製品のみを取り扱うECサイト 「こころ粋」を4月下旬に開設すると発表。日用品から雑貨、衣類、家具、食品まで幅広く販売を予定。今後の収益貢献に期待したい。株価は昨年11月高値1,926円を起点に下落トレンドが続いている。一方、昨年4月〜7月にもみ合いとなった水準まで調整が進んでおり、自律反発の局面に入ることが予想される。ターゲットは1,515円、ロスカットは1,050円 | |
3891 | 2,650 | 1,750 | 2022年3月期3Q累計の営業利益は32.7億円(前年同期比66%増)と好調な着地となった。原材料や燃料価格上昇の影響がみられ始めたものの、売上高の増加にともなう稼働率向上および効率的な生産推進の取組みによる原価率の低減などが寄与した。2023年3月期の市場コンセンサスは営業減益見込みとなっており、原材料や燃料価格上昇の影響は一定程度織り込まれている。EV関連として注目度は高い。株価は3/10高値を上回り、ミニダブルボトムを形成した。2021年8月につけた昨年来高値4,250円からの調整期間も長く、当面はリバウンド局目入りか。ターゲットは2,650円、ロスカットは1,750円 | |
6255 | 620 | 398 | 太陽電池の後工程向け製造装置で世界的。検査、パネルリサイクル事業も展開している。2022年8月期1Qの営業損益は1,800万円の赤字(前年同期は9,500万円の赤字)となった。太陽電池製造装置やFA装置の一部案件で売り上げ計上時期が後ろ倒しとなったことなどもあり、縮小したものの赤字継続となった。なお、従来程度の利益率は確保したとしていることから、計上時期のずれがなければ黒字だった可能性は高い。2Qの巻き返しが期待される。株価は25日移動平均線に上値を抑えられながら下落相場が続いてきたが、2/24安値374円を切り上げる動きとなり、25日移動平均線を明確に上回った判断できる。大商いとなった3/9高値473円を上回ると、当面の上値余地は拡大する。ターゲットは620円、ロスカットは398円 | |
7808 | 3,800 | 2,750 | 木材プレカット大手で在来、2×4工法用ともに製造を手掛ける。2022年5月期の上期営業利益は20億円(前年同期比3.3倍)と好調な着地となり、併せて通期の営業利益予想を従来の22.5億円〜24.5億円のレンジから34.0億円〜35.5億円のレンジ(前期比2.4倍〜2.5倍)に引き上げた。「ウッドショック」の長期化や木材価格の高止まりとなり、その対応として、代替材の提案や適正利潤の確保への取り組みに注力したこと、生産効率・配送効率の改善をさらに進めたことが奏功し、前回予想を上回る見通し。株価は小さな動きが続くが、短中期の移動平均線が収れんし、株価も煮詰まり感が強い。いつ上放れが生じても不思議ではなく、騰勢時は1/17高値3,990円を目指す公算が大きい。ターゲットは3,800円、ロスカットは2,750円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・3/17現在、マザーズ市場・ジャスダック市場上場銘柄で時価総額が500億円以下、PERが25.0倍以下、PBRが10.0倍以下、5日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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