来週の株式見通し(2022/2/14〜2/18)
来週(2022/2/14〜2/18)の日経平均株価の予想レンジは27,000円-28,000円。日米株価ともに指数は戻り一服の展開か。週明けは、2/10に発表される米1月の消費者物価指数の結果に、米国の株と債券がどのように反応するかにも依存する。予想は前年比+7.3%で昨年12月の前年比+7.0%からの更なる上昇が見込まれている。米1月の平均時給は前月比0.7%上昇、前年比5.7%上昇していたが、前月比0.7%の上昇は年率に換算した場合9%程度の上昇となり、急激な賃金インフレが米国の物価上昇を牽引していることになる。消費者物価指数の結果次第では、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が鎮静化に努めている3月FOMCでの0.5%の利上げの可能性が高まることになる。ドル相場への影響は円安で一部の業種にはメリットとなるが、日米株価ともにグロース株への戻り売りが優勢になる展開が予想される。
一方、来週で国内企業の業績発表が一巡する。市場が不安定で心理面の委縮があったせいか、企業業績の内容が予想以上に好調に映る印象である。あとは、1月第2週〜第4週までに1兆4,500億円程度(先物・現物合算)を売り越した海外投資家の買いが増加するかどうかが日本株の当面の戻りのカギを握る。
海外の経済指標やイベントでは、米2月ニューヨーク連銀景気指数(2/15)、中国1月生産者物価指数、中国1月消費者物価指数、米1月小売売上高、FOMC議事録(1/25〜1/26開催分)(2/16)、米2月フィラデルフィア連銀景気指数(2/17)などが注目材料となる。
日経平均株価(図表1)は2/2につけた終値ベースの高値(27,533円)を上回り、下向きで推移する25日移動平均線(27,691円 2/9)付近まで上昇した。
RSI(9日)は54.6%→79.6%(2/9)に上昇。過熱ゾーン入りとなり、目先的に強いモメンタムを維持できるかどうか。25日移動平均線を突破し、1/19の下げで形成したマドを埋め戻すような勢いが必要である。
上値メドは、昨年12/20安値27,893円付近、1/18安値28,129円付近、昨年9/14高値30,795円を起点に11/16高値29,960円を通る右肩下がりの上値抵抗線、昨年8/20安値26,954円を起点に10/6安値を通る右肩上がりの上値抵抗線など。下値メドは心理的フシとなる27,000円付近や26,000円付近、昨年12/3安値27,588円から1/5高値までの上げ幅に対する倍返しの下げとみた25,780円処などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/2/9)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントでは、10-12月期GDP速報値(2/15)、1月首都圏マンション発売(2/16)、12月機械受注、1月貿易収支(2/17)、1月全国消費者物価指数(2/18)がある。
企業決算では、リクルートHD、東京海上、JT、SMC、ゆうちょ、日本郵政、クボタ、第一生命、MS&AD、日ペイントH、東芝、SOMPOHD、キリンHD、サントリーBF、電通G、T&DHD、かんぽ、オープンハウス、飯田GHD、パーソルHD、コーセー、光通信、NXHD、日本M&A、マツキヨココカラ、アサヒインテック、荏原、ライオン、昭電工、住友林、ポーラオルHD、東建物、サンドラッグ、すかいHD、インフロニアHD、DOWA、応化工、アルバック、堀場製、グリコ、東映、マブチ、ガンホー、NOK、トリドールHD、リゾートトラス、Appier、FRONTEO、ウェルスナビ、メドレー、PKSHA、セーフィー、ヘリオス、エクサウィザー、ジーエヌアイ、サイバダイン、ブシロード、Finatext、リニューアブル、BUYSELL、ミンカブ、ヤプリ、ACSL、Kudan、PSS(2/14)、ブリヂストン、ユニチャーム、アサヒ、山崎パン、ピジョン、TOYOTIRE、コクヨ、JACR、ツバキナカシマ、井関農、ホットランド、ALBERT、ワンキャリア、HANATOUR(2/15)、トレンド、浜ゴム、菱鉛筆、アマナ(2/17)、DIC(2/18)などが発表を予定している。
海外の経済指標の発表では、独2月ZEW景況感指数、米2月ニューヨーク連銀景気指数、米1月生産者物価指数、米12月対米証券投資(2/15)、中国1月生産者物価指数、中国1月消費者物価指数、米1月小売売上高、米1月鉱工業生産指数、米2月NAHB住宅市場指数、FOMC議事録(1/25〜1/26開催分)(2/16)、米1月住宅着工件数、米2月フィラデルフィア連銀景気指数、G20財務相・中央銀行総裁会議(〜2/18、インドネシア)(2/17)、米1月中古住宅販売(2/18)がある。
米企業決算では、マリオット・インターナショナル(2/15)、エヌビディア、アプライド・マテリアルズ、クラフト・ハインツ(2/16)、ウォルマート(2/17)などが発表を予定している。
来週の注目銘柄!(2/14〜2/18)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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1801 | 4,460 | 3,450 | 最大手ゼネコンの一角。同社は2/8、2022年3月期の3Q累計(4-12月)の連結営業利益が518億円(前年同期比37%減)だったと発表した。通期計画に対する進ちょく率は57.6%。公共投資については引き続き堅調に推移しているものの、受注競争の激化や主要資材の高騰などもあり建築事業および開発事業で利益率が低下したことが響いたもよう。株価は3Q(10-12月)が前四半期比で増益となったことが好感され、3,890円まで上昇する場面があったが、翌日には中陰線を形成して調整した。だが、200日移動平均線や一目均衡表の基準線などがサポートになることが予想され、中期スタンスでの押し目買いが有効とみる。2017年高値6,620円からの調整が十分進展しており、中期波動は底固めの局面にある。ターゲットは4,460円、ロスカットは3,450円 | |
3405 | 1,310 | 1,000 | 高機能樹脂ポバール等とそれを加工した各種フィルムが柱。同社は2/9、2022年12月期の通期の連結営業利益予想を730億円(市場コンセンサスは704億円)、年間配当予想を42円(前期は40円)にすると発表した。原燃料価格の高騰などの影響が懸念されるなか、主力のビニルアセテートやイソプレン、機能材料の増加を見込む。併せて、上限100億円の自社株買いも発表した。株価は日足で大陽線を形成し、昨年9/30につけた戻り高値1,097円を更新した。目先的には反動によって下げる場面が想定されるが、一目均衡表では「三役好転」の強気局面にあり、押し目買いが有効だろう。高配当、低PBRの側面も魅力的だ。ターゲットは1,310円、ロスカットは1,000円 | |
3407 | 1,250 | 1,070 | 総合化学企業。ケミカル、住宅が利益の2大柱。同社は2/9、2022年3月期の3Q累計(4-12月)の連結営業利益が1,741億円(前年同期比34.4%増)だったと発表。通期計画に対する進ちょく率は81.7%である。自動車関連市場の回復に伴うエンジニアリング樹脂の販売数量増加や、リチウムイオン電池用セパレータ、半導体市場向けの電子材料の伸びにより、大幅な増益となった。また、住宅事業が増益となったことも寄与したもよう。株価は底堅い。決算内容の好感も派手さはないが、直近では陰線を形成した翌日には陽線によって下げを否定する動きが連続しており、その繰り返しが底固めにつながる公算が大きい。1/17高値1,161円を超えると、昨年3月高値1,380円を起点とした下降トレンドがいったん終わる。ターゲットは1,250円、ロスカットは1,070円 | |
6047 | 980 | 649 | 新聞や雑誌などの記事を配信するキュレーションアプリを展開している。2022年5月期の上期の営業損益は1.6億円の黒字(前年同期比57%減)で着地。減益だが上期の会社計画は3.2億円の赤字だったので、着地は大きく上振れた。「グノシー」のリニューアルリリースに伴うメディア品質の向上やマーケティング施策の見直しが寄与したもよう。12月には出資するユニコーン企業GaragePreneursへ最大1,000万ドルの追加出資を行うと発表。今後のシナジーに期待したい。株価は昨年12/1安値535円からの急騰後、12/13高値933円からの調整もみ合い局面である。だが、株価の上げ下げのレンジが狭くなるとともに出来高も減少傾向にあり、まもなく二段上げ目に向けての再動意に近い。ターゲットは980円、ロスカットは649円 | |
6750 | 1,750 | 1,359 | PC周辺機器のファブレスメーカー。マウス、キーボード、スマホ関連で首位。2022年3月期の3Q累計(4-12月)の連結営業利益は107億円(前年同期比9.3%減)で着地。テレワークの環境改善に向けた新商品や、GIGAスクール構想に伴うパソコン需要に対し、想定していた需要が継続しなかったという。一方、減益だが、通期計画に対する進ちょく率は91.8%と高い。上記決算発表と同時に自社株取得枠の拡大を発表している。株価は2020年7月高値(2,775円)を起点に下落波動が続く。だが、今回の決算好感によって、昨年12月の戻り高値(1,533円)が射程圏に入っている。上回るとダブルボトムとなり、下落波動の底入れが完了する可能性が高まる。ターゲットは1,750円、ロスカットは1,359円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・2/9現在、東証1部上場銘柄で時価総額が2兆円以下、PBRが1.5倍以下、信用倍率が8.0倍以下(2/4
- 現在)の中から、テクニカル面や業績面、成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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