「円高進行に警戒、政策期待が一定の下支えに」
円高進行一服で買戻し優勢に |
前週の225先物は930円の大幅な上昇(2月第3週の1,180円以来)となった。為替市場で急激なドル安円高が一巡したほか、原油価格の上昇など外部環境が落ち着いたことで投資家心理が改善。政策への期待なども加わり出遅れ修正の流れが強まった。現物市場の売買代金は活況と見られる3兆円台に届いていないが、裁定買いのポジションが大幅に減少するなど需給面の改善もプラス材料となった。
なお、4月8日時点の裁定残高はネットベースで1兆6,547.21億円(前週は1兆8,960.68億円)の買い越しと4月1日時点との比較では減少。一方、株数ベースでは13.1億株の買い越しと前週比では1.5億株減少した。
225先物の手口では、ゴールドマン・サックスが売り筆頭となったほか、みずほ証券、SBIが売り方上位に並んだ。一方、Nエッジが9,000枚超と大幅に買い越している。TOPIX先物に関しては、バークレイズ、モルガン、BNPパリバが売りに回った一方、225先物売り筆頭のゴールドマン・サックスが買い筆頭となった。一部NTショートに絡んだ売買との観測。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
17,000円のコールの建玉が積み上がる |
日経ボラティリティ・インデックス(VI)は26.66p。8日に4月限オプションSQの清算値が算出されたことから週初のオプション市場の売買は低迷したが、週末にかけてコールの売買が増加。コールの建玉が最も多い価格帯は17,000円で1万6826枚。一方、プットサイドは15,000円で1万7276枚とレンジは2,000円とやや広い。建玉を見る限り17,000円を今回の反発のゴールと見ている投資家が多いと言えよう。
NT倍率(先物)は12.4倍と前週比では拡大している。決算発表が嫌気されたファーストリテイリングが値を戻したほか、ソフトバンクグループの堅調な値動きなどが影響。ゴールドマン・サックスが一部NTショートに絡んだ売買を手掛けたとの観測だが、買戻し優勢の地合いのなか、裁定買いのポジションを積み上げる動きも入ったもよう。
円高トレンド継続との指摘も |
G20では「通貨安競争の回避で一致」と前回の上海会合の声明に沿った内容に留まったが、ルー米財務長官は足元の円高推移を正常と見ており、政府・日銀による為替介入のハードルは高まったと見られている。一部市場関係者は、ドーハ主要産油国会合で増産凍結の合意が見送られたことも合わせ、「円高トレンドは払拭されていない」と指摘。また、熊本地震による工場生産停止などの影響も日本株には重石となろう。
一方、政策に対する期待感が一定の下支えとなりそうだ。19日の産業競争力会議で「GDP600兆円」に向けた分野別の目標値を発表することから、AIやビッグデータなど関連銘柄には物色が向かおう。指数はさえない展開となりそうだが、個別株は引続き活発な商いが見られそうだ。今週は16,000円から16,800円のレンジを想定する。
経済スケジュール(4月18日〜4月22日)
- 提供:フィスコ社
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