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マーケット > レポート > サキモノの『ココがPOINT!』

サキモノの『ココがPOINT!』

2014/7/22

8月に16,000円をトライ〜3つの「好需給」が日経平均の押し上げ要因に

日経平均を押し上げる「3つの好需給」

日経平均株価は8月にも、1万6千円をトライする場面がありそうです。
NY市場が最高値更新の動きになっており、今後も日本市場で追い風を吹かせやすいと予想されること、消費税増税後の国内景気・企業業績への不安感が後退していること等が要因です。そして、今回強調したい点は日本株を取り巻く需給関係が3つの面からみて良好であり、それが日経平均を押し上げる可能性が大きい点です。その3つは以下の通りと考えています。

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図1:日経平均株価(週足)と「3つの好需給」
図1:日経平均株価(週足)と「3つの好需給」
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
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年金資金が日本株ウェイトを引き上げ

図2:日経平均株価(週足)と「信託」の買い越し・売り越し額(単位:10億円)
図2:日経平均株価(週足)と「信託」の買い越し・売り越し額(単位:10億円)
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。

国内株式市場では、国内機関投資家はほぼ一貫して日本株のウェイトを切り下げてきました。しかしここにきて、公的資金(年金積立金管理運用独立行政法人=GPIFおよび3つの共済基金)や保険が株式のウェイト引き上げに転じたとみられています。

公的年金の見直しを担当する「有識者会議」の伊藤隆敏座長はGPIFが運用している国内株式20.8兆円(2014年3月期末・運用資産の16.5%)について、基本組入比率を20%(前後10%は許容範囲)にすることを提案しています。具体的な見直し案は9〜10月にまとまるとみられますが、公的資金等の株式ウェイト引き上げはそれをにらんだ動きとみられます。

7月17日に東証から発表された主体者別売買動向では信託銀行が2週連続の買い越しとなり、5月以降の累計買い越し額が約1.08兆円に達しました。一般的に信託銀行の売買は年金資金によるものとみられており、足元でも年金資金の買い越しが続いていることを意味しています。特筆されるのは、日経平均週足終値が15,000円を超え始めた6月以降も4千億円近い日本株を買い越していることです。年金基金はこれまで、株価が安い時は組み入れ比率維持のため日本株を買い越すこともありましたが、ある程度株価が高い水準での買い越しは大きな変化とみられます。

そもそも、外国人投資家以外に国内株式市場へ資金を入れてくる有力な投資家が不在であったことが、日本株市場の需給面における大きな構造問題でした。したがって、少なくとも年金による日本株ウェイト引き下げが止まることだけでも、日経平均には強い追い風になるとみられます。

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信用買い残が低水準〜売り圧力は小さく/買い残拡大余地は大きく

図3:信用買い残(純額/東証一部時価総額比・%)
図3:信用買い残(純額/東証一部時価総額比・%)
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
    東証信用買い残から売り残を差し引いた「純買い残高」が、東証一部時価総額の何%を占めているかを示している。

日経平均は5月下旬以降反発に転じ、14,000円近辺から現在では15,500円前後まで上昇しています。通常、株価の上昇局面では、信用買い残(信用取引で買い付けられた株式の残高)も同時に拡大してゆく傾向があります。しかし、今回の株価上昇局面では、図3に示した通り、逆に信用買い残は減少しています。

東証上場銘柄の信用買い残(売り残を差し引いた純額を東証時価総額と比較)は、0.4%台で推移していますが、これは昨年5月以来の低水準となっています。信用買い残は将来の売り圧力になりますので、その金額が少ないということは、株価の安定に大きく寄与すると考えられます。また、先行き、信用買い残が再拡大する余地が大きいとする見方をすれば、株価に上昇余地が大きいことを示しています。

年金基金という新たな買い手の出現により、市場に厚みが生まれ、信用買い残の整理が順調に進んだ面もあるかもしれません。仮にそうであれば、これも「年金買い」の副産物と言えるでしょう。

3

「裁定買い残」も低水準が続く/相場の安定・株価の上昇に好材料か

図4:裁定買い残(兆円)と日経平均の推移
図4:裁定買い残(兆円)と日経平均の推移
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。

先物主導で日経平均株価が上昇する場合、先物が先行して買われ、割安となった現物株を買う裁定取引が後に続く形になります。その結果「裁定買い残」が積み上がることになります。図4は、アベノミクス相場における「裁定買い残」と日経平均の推移を示したものですが、2013年5月の高値形成へ向けた動き、および2013年末の高値形成に向けた動きは、ピンクの矢印で示されたように、裁定買い残の増加を伴っています。そして、高値からの下落過程では、この裁定買い残が「解消」することで、株式相場の波乱につながっています。

現在、この裁定買い残は3兆円未満であり、年初のピークから3割も減少した水準となっています。株価水準が戻している割に低水準であると言えましょう。このことは、今回の株価上昇が、上記2回の上昇と比べ「現物株主導」であったことを示唆していると言えます。

裁定買い残が相対的に少ないことは、株価に安定性をもたらすと考えられます。また、裁定買い残に再拡大余地が大きいという見方を取れば、日経平均の上値余地は大きいと考えられます。

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