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2019-02-19 03:43:20

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! > 乱高下する日本株、その本当の方向感は?

乱高下する日本株、その本当の方向感は?

2019/2/12

2月第2週(2/4〜2/8)の日経平均株価は前週末比455円22銭(2.2%)安となりました。一時2万1千円に迫りましたが、トランプ大統領が米中首脳会談開催に否定的見解を示し、両国の貿易摩擦問題で妥協が成立するとの期待が後退し、結局は下げて終わりました。

しかし、2/12(火)の日経平均株価は前週末比531円04銭高と3営業日ぶりの大幅反発となり、2/7(木)と2/8(金)に下落した分を、ほぼ取り返す展開となりました。「3月中旬に米中首脳会談」との一部報道に加え、国境の壁を巡る予算問題で米与野党が合意したと伝えられ、米政府機関が再び閉鎖される可能性が後退したことが要因と考えられます。

日本株は乱高下が続いている形で、方向感が見定めにくくなっています。この相場は結局、上昇方向または下落方向のどちらに向いているのでしょうか。

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1乱高下する日経平均株価

1月の日経平均株価(図1)は3.8%上昇しました。引き続き米中貿易摩擦を巡る不透明感は強かったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に対する姿勢が「ハト派的」に変ったとみなされ、株式市場では不安感が後退しました。2/5(火)には一時20,981円23銭まで上昇し、2万1千円台回復まであと一歩の水準まで迫りました。

しかし、日経平均株価はいったんはそこで跳ね返され、2/8(金)には一時20,315円31銭まで下落しました。トヨタ(7203)が業績見通しを下方修正し、改めて企業業績の減速が意識されたことに加え、トランプ大統領が米中首脳会談開催に否定的見解を示し、両国の貿易摩擦問題で妥協が成立するとの期待が後退したことが要因です。結局、2月第2週(2/4〜2/8)の日経平均株価は前週末比455円22銭(2.2%)安となりました。この週の日次の動きは以下の通りです。

  • 2/4(月)95円38銭高・・・強い雇用統計とそれを好感した米国株高(ともに2/1の動き)を好感しました。
  • 2/5(火)39円32銭安・・・NYダウ上昇を好感して買いが先行しましたが、連日で21,000円が上値抵抗ラインになっています。
  • 2/6(水)29円61銭高・・・再び21,000円直前まで上昇した後跳ね返されました。下方修正発表のトヨタは結局下落しました。
  • 2/7(木)122円78銭安・・トヨタが続落し、企業業績の減速が意識されました。「自社株買い」でソフトバンクGがストップ高です。
  • 2/8(金)418円11銭安・・トランプ大統領が3/1(金)以前の米中首脳会談の可能性を否定したことが嫌気されました。

トランプ大統領が3/1(金)以前の米中首脳会談の可能性を否定したことが嫌気され、まず2/7(木)のNYダウが前日比220.77ドル(0.9%)の大幅安となりました。しかし、2/8(金)の日経平均株価の下落は418円11銭となり、下落率は2.0%とそれを上回るものになりました。3連休前であったことや、オプションSQの算出日であったこと等も手伝い、下げが必要以上に増幅された可能性がありそうです。

こうした中、2/12(火)の日経平均株価は前週末比531円04銭高と3営業日ぶりの大幅反発となり、2/7(木)と2/8(金)に下落した分を取り返す展開となりました。「3月中旬に米中首脳会談」との一部報道に加え、国境の壁を巡る予算問題で米与野党が合意したと伝えられ、米政府機関が再び閉鎖される可能性が後退したことが要因と考えられます。また、2/8(金)の下げが必要以上に大きかった分、この日の上昇も大きくなったと考えることができそうです。また、ドル・円相場が1ドル110円台の円安・ドル高水準になったことも追い風になりました。

図1:いったんは2万1千円直前で跳ね返されるも再び反発した日経平均株価

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2019/2/12現在

図2:NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2019/2/11現在

図3:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/2/12取引時間中

2決算発表の大勢が判明

東証1部時価総額トップのトヨタ(7203)、第2位のソフトバンクG(9984)が2/6(水)に決算発表を終了し、翌日の2/7(木)までには時価総額トップ10銘柄のすべてで決算発表が終了となりました。また、2/8(金)には決算発表社数が538社とピークになり、名実ともに決算発表はピークアウトとなりました。

日本経済新聞社の集計によりますと、2/8(金)発表分まで含め、上場企業(新興・金融を除く)の2018年4〜12月期は前年同期比で2.7%の経常増益、同2.7%の最終減益となった模様です。2018年は10〜12月期にかけ、米中貿易摩擦の影響に世界経済のピークアウトが重なり、企業業績が急速に悪化したとみられます。例えば、電子部品大手6社の受注は2018年10〜12月期に前年同期比3%減と、9四半期ぶりに減少しました。また、工作機械受注額は12月、中国向けが12月に前年同月比56.4%も減少しました。

ただ、決算発表の大勢が判明したことで、当面の業績悪はいったん株価に織り込まれたと考えることが可能です。市場の関心は再び、米中通商協議や世界的な景気動向に向かうものと考えられます。

表1 当面の主要タイムスケジュール〜決算発表シーズンは2/15(金)までに実質終了へ

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

2/12(火)

日本

★決算発表(251社)

楽天、日産自

2/13(水)

日本

★決算発表(343社)

大塚HD、リクルートHD他

米国

1月消費者物価

 

2/14(木)

日本

10〜12月期GDP

市場コンセンサスは前期比(年率)+1.4

日本

★決算発表(342社)

電通、日本郵政、キリンHD他

中国

1月貿易収支

 

米国

☆決算発表

エヌビディア他

2/15(金)

日本

★決算発表(22社)〜決算発表シーズンが実質終了

ブリヂストン他

中国

1月消費者物価

市場コンセンサスは前年同月比1.9%上昇

米国

1月小売売上高

 

米国

1月鉱工業生産

 

米国

2月ミシガン大学消費マインド指数

米国の消費マインドを占う

2/18(月)

日本

12月機械受注

前月(前月比)±0.0%

米国

休場

プレジデンツ・デー

2/19(火)

ドイツ

2月ZEW景況感指数

350人のアナリストなど市場参加者に景況感をアンケート

米国

2月NAHB住宅市場指数

 

2/20(水)

日本

1月貿易収支

12月の輸出は前年同月比3.9%減

日本

1月訪日外客数

2018年は3,119万人(前年比8.7%増)、12月は前年同月比4.4%増

米国

FOMC議事録(1/30発表分)

 

2/21(木)

米国

2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数

米国の企業マインドを計る

米国

12月耐久財受注

米設備投資の先行指標

米国

1月中古住宅販売件数

市場コンセンサスは前月比0.2%増

2/22(金)

日本

1月消費者物価指数

 

ドイツ

2月Ifo景況感指数

約7千社の企業に景況感をアンケート

表2 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2019年
日銀金融政策決定会合 3/15(金)、4/25(木)、6/20(木)、7/30(火)、9/19(木)、10/31(木)、12/19(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 3/20(水)、5/1(水)、6/19(水)、7/31(水)、9/18(水)、10/30(水)、12/11(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 3/7(木)、4/10(水)、6/6(木)、7/25(木)、9/12(木)、10/24(木)、12/12(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表2の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

3【ココがPOINT!】日経平均株価の当面の方向感は?

日本株は乱高下が続いている形で、方向感が見定めにくくなっています。この相場は結局、上昇方向または下落方向のどちらに向いているのでしょうか。図4の日経平均株価(日足)・一目均衡表は、2/12(火)に大幅高したものの、日々線はいまだクモの上限を超えていません。その意味で、「上放れ」になったとは言い切れないと考えられます。

しかし、S&P500に代表される米国株およびドル・円相場の一目均衡表(図5・図6)は、(1)遅行スパンが日々線を下から上に上抜ける、(2)転換線が基準線を下から上に上抜ける、(3)日々線が「クモ」を下から上に上抜ける、という3条件が揃い、いわゆる「3役好転」の形になっています。当面、日本株は米国株高と円安・ドル高の恩恵を受けやすい投資環境と見受けられます。

このうち、米国株については、金融政策に対するFRBの姿勢がハト派的に変わったことが大きな変化と考えられます。米中協議については、貿易摩擦や知的財産問題で最終的な解決を望むことは難しいのが現状ですが、解決に向けた枠組みの形成で合意することは十分可能とみられます。また、枠組みの形成をもって、米国が関税引き上げを猶予する可能性も十分あるとみられます。

また、ドル・円相場についても、FRBのスタンスが変ったことで利上げ確率がいったん大きく低下してしまったことが重要なポイントになります。市場は現在、「FRBはもう政策金利を引き上げない」という読み方をしています。言い方を変えれば、政策金利が引き上げられる「確率」がこれ以上、下がることは難しいことになります。すなわち、外為相場を円高・ドル安方向に導く材料はかなり出尽くした状態であると考えられます。無論、資産縮小の停止という選択肢が残っていますが、円高・ドル安に振れるパワーは当面、低下しているのではないでしょうか。

このように、米国株やドル・円相場は日本株にとって追い風になりそうです。無論、中長期的には世界的な景況感の底入れを確認しないうちに、株価のボトムを確認することは難しいと思われますが、短期的には、反発が本格化しても不思議ではないと思われます。

図4 日経平均株価(日足)・一目均衡表

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/2/12現在

図5 S&P500(日足)・一目均衡表

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/2/11現在

図6 ドル・円相場(日足)・一目均衡表

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/2/12取引時間中
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