海外同様、我が国でも株式市場の回復局面が続いています。日経平均株価は4月の6.7%の上昇に続き、5月も8.3%の上昇と大幅な上昇率を記録しました。国内の新型コロナウイルス感染拡大が減速傾向となり、緊急事態宣言が解除される都道府県が増え、最終的に5/25（月）に全国で解除される展開となりました。

そうした中、株式市場は6月相場に突入しました。上場企業の本決算実施社数を月別にみると、やはり3月が最多で、次は12月です。また、配当や株主優待の権利が確定する上場企業数も3月（818社）、その中間期末に相当する9月（422社）、次に12月（178社）、その中間期末に相当する6月（116社）の順になっています。

6月は株主優待に着目した投資を検討する上では、重要な月のひとつであると言えそうです。そこで、今回の日本株投資戦略では6月に権利が確定する株主優待銘柄についてチェックしてみることにしました。分散投資がしやすいよう、最低投資単位（100株）を10万円未満で買え、業績が比較的しっかりしている銘柄を選んでみました。

それではさっそく、最低投資単位（100株）を10万円未満で買え、6月に権利が確定する株主優待銘柄を抽出してみたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りとなっています。

（1）東証1部上場銘柄であること。
（2）6月（6月末または6/20）に株主優待の権利が確定する銘柄であること。
（3）最低投資単位（100株）を10万円未満で買える銘柄であること。
（4）最低投資単位（100株）の保有で株主優待の権利を享受できる銘柄であること。
（5）直近までの四半期累計の営業損益が黒字の銘柄であること。
（6）「継続企業の前提」が重要事象として付された銘柄でないこと。

これらの条件をすべて満たした銘柄を、閲覧回数の多い順に並べたものが表1の銘柄群になります。スクリーニング項目に最低投資単位（100株）を10万円未満で買える銘柄に設定したため、少額での分散投資が可能とみられ、業績面での条件はあまり厳しくしませんでした。それでも、抽出された銘柄のうち、6月決算銘柄は第3四半期累計営業損益が黒字、12月決算銘柄は第1四半期営業損益が黒字であることを最低限の条件として設定しています。また、（6）にあるように「継続企業の前提」が付いた銘柄は、信用リスクが相対的に大きい銘柄とみられるため除外しました。

なお、株主優待を実施する企業の多くは、投資家に可能な限り長期間、株式を保有してくれることを望んでいるとみられます。そのため、企業によっては、最短保有期間に条件を付けたり、長期保有の株主への株主優待内容を手厚くしたりするなどの施策を取っています。

ちなみに、閲覧回数の計測は6/4（木）現在のデータで行っています。計測の日付を変えることにより、掲載順位が大きく変わる可能性もありますので、掲載順は参考程度に取り扱われることをおすすめします。表2には、ご参考として、業績・最低投資金額・市場の別について考慮していない、その他の6月権利確定銘柄について、閲覧回数順に10銘柄をご紹介しています。