皆さん、こんにちは。
シリアや北朝鮮をめぐる地政学的リスクへの懸念や軍事的緊張が高まっています。トランプ大統領はシリアのアサド政権に対して追加攻撃もあり得るとの考えを示唆する一方で、北朝鮮に対してはツイッターに「北朝鮮は面倒を起こそうとしている」などと書き込み、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に警告を発し、原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣して緊張が高まっています。
北朝鮮は、米国による先制攻撃の兆候があれば米国に核攻撃すると警告しており、米国によるいかなる攻撃にも反撃する用意があると表明しています。
北朝鮮では、4月15日に金日成主席の105回目の誕生日である「太陽節」が行われ、また16日には、東部・新浦付近から弾道ミサイル1発の発射を試みましたが失敗に終わったようです。
シリア・北朝鮮問題はロシアとの対立激化や対中国関係の懸念になりますので、国際情勢の緊迫が続く結果となっています。そのような状況下で開催された米露外相会談では、シリア問題において米露は対立を更に深める結果となり、東西冷戦終結後の過去四半世紀で最悪と呼ばれる関係が改めて浮き彫りになりました。
主要7カ国(G7)の外相会合での共同声明では、シリアのアサド政権軍に対する米国のミサイル攻撃を「致死的な化学兵器の拡散や使用を防止、抑止するための、注意深く計算され、対象が限定された対応だ」として認め、その上で、アサド政権を支援するロシアが紛争終結にむけて影響力を行使するよう求めました。
注目が続くフランス大統領選では、23日に第1回投票を控えており、極右政党(FN)のルペン党首が勝利する可能性がくすぶっており、引き続き懸念材料として注目が集まっています。
軍事的緊張が高まっている状況下で、米軍はアフガニスタンの過激派組織「イスラム国(IS)」が潜伏するトンネル施設を標的に「大規模爆風爆弾(MOAB)」を投下し、リスク回避の動きが加速しました。
NYダウはシリア・北朝鮮問題やアフガニスタンの空爆などを受けて、リスク回避の売りに押されて続落となっています。日経225もリスク回避の動きやトランプ大統領のドル高けん制発言による円高などから続落となっています。
投資家はリスク回避の動きを強めておりますので、慎重に対応していきましょう。
週間の概況
◆注目イベント
4月19日(水)(ユーロ圏)2月貿易収支・季調前
4月19日(水)(ユーロ圏)3月消費者物価指数(HICP)・確報値
4月19日(水)(米国)地区連銀経済報告(ベージュブック)
4月20日(木)(日本)3月貿易収支
4月20日(木)(独国)3月生産者物価指数
4月20日(木)(ユーロ圏)2月建設支出
4月20日(木)(米国)新規失業保険申請件数
4月20日(木)(米国)4月フィラデルフィア連銀製造業指数
4月20日(木)(ユーロ圏)4月消費者信頼感・速報値
4月20日(木)21日(金) G20財務大臣・中央銀行総裁会議
4月21日(金)(日本)2月第3次産業活動指数
4月21日(金)(仏国)4月製造業PMI・速報
4月21日(金)(仏国)4月サービス業PMI・速報
4月21日(金)(独国)4月製造業PMI・速報
4月21日(金)(独国)4月サービス業PMI・速報
4月21日(金)(ユーロ圏)4月製造業PMI・速報
4月21日(金)(ユーロ圏)4月サービス業PMI・速報
4月21日(金)(英国)3月小売売上高
4月21日(金)(加国)3月消費者物価指数
4月21日(金)(米国)3月中古住宅販売件数
4月23日(日)(仏国)フランス大統領選挙第一回投票
4月24日(月)(独国)4月Ifo景況感指数
4月24日(月)(ユーロ圏)2016年政府債務(対GDP比)
4月24日(月)(加国)2月卸売売上高
4月25日(火)(英国)3月財政収支
4月25日(火)(米国)2月住宅価格指数
4月25日(火)(米国)2月S&P/ケース・シラー住宅価格指数
4月25日(火)(米国)3月新築住宅販売件数
4月25日(火)(米国)4月消費者信頼感指数
4月25日(火)(米国)4月リッチモンド連銀製造業指数
※今週は19日のベージュブックに注目です。20日の雇用に関する新規失業保険申請件数や住宅関連の動向も確認しましょう。20日、21日に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議に注目です。23日のフランス大統領選挙の投票結果にも注目が集まっています。25日の消費者信頼感指数はNYダウや米国債との関連性も高いので注目していきましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ4
ステージ4は安定下降期となります。帯に傾きが出て間隔が広がってきています。トレンドに勢いが出ているのがわかります。
◆今後を読み取る鍵
ステージ4の安定下降期となっています。帯と短期移動平均線の動向に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降帯に傾きが出て間隔が広がってくれば下降トレンドに更に勢いが出てきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,671円 安値16,097円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ3
ステージ3は下降相場の入り口です。中期移動平均線と長期移動平均線の関係に注目です。
◆今後を読み取る鍵
中期移動平均線が長期移動平均線を下抜ければステージ4の下降期となります。短期移動平均線が長期移動平均線を上抜ければステージ2へと逆行します。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は中期移動平均線が長期移動平均線を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値21,193ドル 安値19,682ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
トレードにおける「勝利の方程式」ともいえるトレードエッジの考え方、リスクリワード(RR)比率については、身体に染み込むまで覚えたでしょうか。
トレードの勝利の方程式は、(勝率×平均利益)が(負ける確率×平均損失)を上回ることです。
TE(トレードエッジ)=勝率×平均利益−負ける確率×平均損失
TEがマイナスではトレードに勝てません。仮に1年間という期間で見た場合、トータルの利益がトータルのマイナスより多ければ、1年間では勝ちとなりますし、その逆であれば負けとなるのは当然のことです。したがって、TEは常に次の状態になっている必要があります。
勝率×平均利益−負ける確率×平均損失>0
この式を変形すると下記のようになります。
勝率×平均利益>負ける確率×平均損失
不等号を含む計算式を不等式と呼びます。過去に学校で習ったことを思い出した方もいらっしゃるかもしれませんが、不等式には、不等式の両辺に同じ正の数をかけても割っても結果は変わらないという性質があります。上記の不等式の両辺を「平均損失」で割った結果が下記の式となります。
勝率×平均利益÷平均損失>負ける確率
今度は不等号の両辺を「勝率」で割ってみます。
平均利益÷平均損失>負ける確率÷勝率
リスクリワード(RR)比率の計算式はもう覚えましたよね。この「平均利益÷平均損失」が意味するところ、これこそがRR比率です。
RR比率>負ける確率÷勝率
一方、「負ける確率」は下記の式で表していましたよね。
負ける確率=(1−勝率)
すなわち、次の式にたどり着くはずです。
【勝つためのRR比率と勝率の関係】
RR比率>(1−勝率)÷勝率
ここまでご紹介した計算式は本当に便利であり、トレードを行うに当たり絶対に学ぶべき計算式となりますが、その式が導き出した根拠を理解していないのであれば、本末転倒でありトレードエッジやRR比率の本質が見えなくなります。
最後に確認のために、勝率40%のときにトレードで勝つために確保すべきRR比率を求めてみましょう。
RR比率>(1−0.4)÷0.4
RR比率>0.6÷0.4
RR比率>1.5
つまり、1.5よりも大きなRR比率が必要だとわかりますよね。
ここをしっかりと理解することにより「Vトレーダー」に一歩前進できます。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。