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2024-04-29 12:17:15

錫価格と半導体株指数の連動性

2024/2/28
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

2024年の錫(スズ)価格は年初弱含む動きが見られたが、1月24日に中国人民銀行が預金準備率を引き下げたことで、経済活動の再開期待が高まったことから錫も他のLME非鉄金属と同様、水準を切り上げる動きとなった。その後、1月下旬〜2月中旬の「中国の早期春節前後の休み」による買い手の不在から水準を切り下げる動きを見せているが、25,000ドルを下値に底堅い推移になっている。LME錫価格が堅調である背景には、LME指定倉庫在庫が持続的に減少していることが需給面で影響している。LME錫在庫はそのほとんどがアジアにあり、さらにそのほとんどがマレーシアに保管されている。一方、最大需要国である中国の精錬錫在庫は増加しており、上海取引所の受渡可能在庫は原稿執筆時点で9,033トンと同じ時期の過去5年の最高水準を上回っており、中国の精錬品輸入が旺盛であることを示唆している。

出所:中華人民共和国海関総署

しかし、地域の重要な錫輸出国であるインドネシアからの精錬錫輸出が停止している状態で2024年のインドネシアの錫輸出は400トンに止まり、全てがはんだの形だった。これは以前、ジョコ大統領が2024年から錫輸出を禁止する可能性を示唆していたことと関連があると考えられ、高付加価値品製造・輸出への移行バイアスが強まっているためと考えられる。

ロイター通信が報じるところでは、国内最大の生産者であるPT Timahは輸出開始の承認を得たようだが、その他の小規模生産者はまだ輸出認可を取れていない状況のようだ。早晩、輸出規制は緩和されるとみる市場参加者が大半であるが、しばらくインドネシアからの供給が滞る可能性がある。また、中国の最大の錫鉱石輸入国であるミャンマーのワ州の混乱により、同地区のほとんどを生産しているマン・モウ鉱山がほぼ全面的に稼働を停止していることが、中国の錫生産に影響を及ぼしていることも、精錬品供給をタイトにさせる可能性がある。ただし、前述の通りLME指定倉庫在庫は減少しているものの、最大消費国である上海の在庫水準は高いことから、直ちに供給不安が顕在化する可能性は低いだろう。

2023年の錫需給バランスは▲900トンの供給不足になったとみられるが、2024年は+100トンの供給過剰に転じ、2025年は▲700トンの供給不足に再び転じるとみられている。そのため、2024年には価格には下押し圧力が、2025年には上昇圧力が掛かると予想される。錫の需要動向は主要用途である半導体向けのはんだ需要動向に左右されやすい。足下、世界景気の減速や最大消費国である中国の景気先行き不透明感が強まっているが、半導体サイクルが機能していると想定した場合、今後携帯電話やパソコン向けの需要増加が始まる可能性や、供給面に関してもワ州の供給問題やインドネシアの錫輸出制限などリスクが長期化した場合、想定よりも需給がタイト化してさらに価格を押し上げる恐れもある。消費国である日本にとっては小さいリスクではない。

足下、フィラデルフィア半導体株指数とLME錫価格の連動性は高まっており(注:長期の関係性を見ると、必ずしも半導体株指数とLME錫価格の連動性は高い訳ではない。これは錫の供給量が限定されるため、価格の変動性が高い事による)、市場規模的には半導体株の方が大きいため、価格連動性の高さに着目して株価に錫価格が連れる可能性もあろう。今後、錫価格や半導体市況を占う上で、LME錫価格とフィラデルフィア半導体株指数の関連性を今後も注視していく必要があると考えている。

出所:LME、CME

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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