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2024-04-29 09:16:35

中東情勢の原油価格への影響

2023/11/9
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

2023年の原油価格は年初に強含む局面はあったが、米金融引締めによるドル高進行や景気の減速、ロシアに対する制裁が実質的に機能しておらず、インドなどの第三国を通じて国際市場にロシア産原油の供給が続いていることなどを背景に水準を切下げた。その後、OPECプラスの自主減産やFRBの利上げ打ち止め観測で価格が急騰したが、9月FOMCが想定以上にタカ派だったことで水準を切下げた。しかし10月7日にハマスがイスラエルを攻撃、両者の対立が深刻化する中で供給懸念が意識され、原油価格は上昇したが、原油供給への懸念が後退する中で価格は下落している状況。

2024年の原油価格は中東情勢の拡大の仕方にもよるが、世界景気が減速する見通しであるため、水準を切下げるものの、供給面の不安が価格を支える展開が予想される。弊社は10月25日時点で2024年の原油価格見通しを85ドル程度としている。

原油価格見通しのリスク要因は多数あるが、現時点で注目されている大きなリスク要因は中東情勢不安の影響ではないか。今回の一連の問題にイランが強く組み込まれた場合、再びホルムズ海峡問題が意識され、これまでイランの増産を黙認してきた米国もイランに対して禁輸措置を厳格にする可能性があり、原油供給不安がさらに価格を押し上げることになる。より問題なのは、1973年の第四次中東戦争と同様の混乱になり、再びオイルショックに陥った場合だろう。しかし、価格維持のための減産によってサウジアラビアなどの主要産油国の財政状況は想定よりも厳しく、実際に原油輸出を停止するのは発生可能性の低いリスクシナリオの位置づけである。

しかし、この地域での戦闘が長期化して、国民が暴動を起こし、それが拡大するリスクは無視できない。もしこうなると、国も暴動を抑制するのは容易ではないからだ。形は異なるが、アラブの春の時の暴動と類似した広がりとなる可能性も排除できず、それが産油国に及ぶならば原油価格には上昇リスクとなる。そこで、過去、テロや暴動、戦争が中東や産油国、欧米諸国で発生した時の原油価格の反応を、主要なイベントを対象に検証した。その結果、原油価格への影響はテロ自体の発生有無だけではなく、「どこでテロや紛争といった有事が発生したか」が重要になることがわかった。

原油の市場価格を日次で確認可能な期間(1990年の湾岸戦争以降)のデータを見ると、原油生産に直接影響がある国での戦闘行為発生は、明確に価格の上昇要因となっている。一方で、ロンドンやニューヨークなどの主要消費国、金融市場の中心地で発生したテロの場合は消費減少、経済混乱で市場参加者のリスクオフ(ポジション解消)の動きが強まるため、むしろ価格の下落要因となっている。また、同じ地域での「第二次」戦闘発生の場合は、市場が「その地域でのテロ・紛争の発生を、懸念すべきファクター」として認識していることもあり、それが産油国であったとしても戦闘行為発生前に上昇し、その後に下落しているケースが多い。

今回の戦闘はイランが関与している可能性や、今、関与していなかったとしてもイスラエル・パレスチナを巡る政治的な対立が強まり、イランとイスラエルの対立の構図に置き換わった場合には、原油価格の上昇要因となり得る(ただし、景気が減速する中で、米国・イランとも自ら戦争を行いたいとは考えていない可能性が高いため、発生可能性の低いリスクの位置づけ)。なお、イエメン内戦へのサウジアラビアの介入が終了して以降、むしろ原油価格が上昇するなど、その後の経緯次第で結果は変わってくるため一概には言えないが、基本的にイスラエルもパレスチナも原油の重要な生産地域ではないため、今回の紛争終了後には原油価格は下落すると予想される。

出所:CME

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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