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2024-04-29 12:26:15

2023年下期銅価格見通し

2023/7/26
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

2023年初に急騰した銅価格だが、価格の急上昇は1月一杯で終了し、その後はほぼ一貫して価格水準を切下げてきている。銅は「ドクター・カッパー」と呼ばれ、世界景気の先行指標とされてきたが今はどちらかと言えばその消費量のシェアの大きさから、中国の経済動向を示す指標と言った方が適切で、足下の銅価格の低迷は中国の経済活動が、市場が期待しているよりも回復していないことを示唆している。

実際、直近で発表された中国の重要統計は、強弱まちまちながらも、総じて中国の経済活動の回復が遅れていることを示唆する内容だった。工業金属のフロー需要の指標である工業生産は、1-6月期が累計で前年比+3.8%(市場予想+3.5%、1-5月期+3.6%)、6月単月が前年比+4.4%(市場予想+2.5%、前月+3.5%)と市場予想を上回った。ただし、年初来累計は、比較対象期間に昨年の「ロックダウン期間」が含まれるため、決して強い統計とは言えない。ストック需要の指標である固定資産投資は、年初来累計で前年比+3.8%(市場予想+3.4%、1-5月期+4.0%)と市場予想は上回ったが、前期累計は下回った。住宅販売も年初来累計で前年比+3.7%(1-5月期+11.9%)と伸びが大幅に減速、主要都市の住宅在庫月数も増加しており、中国の不動産在庫の解消は容易ではないことを伺わせる。この結果、不動産開発投資も年初来で前年比▲7.9%(市場予想▲7.5%、1-5月期▲7.2%)と前年比マイナス幅を拡大、市場予想も下回っている。
※市場予想はBloomberg社集計の市場コンセンサス。

このコラムでも繰り返し主張しているが、非鉄金属のベンチマークである銅価格は、中国の不動産投資動向との連動性が高い。中国版総量規制である「三条紅線」の導入で不動産開発投資の前年比水準が急速に低下、不動産業は余剰在庫を抱えた状態にある。また、不動産業のみならず製造業なども余剰在庫を抱えている状態であり、金融緩和などの金融面の政策は余り効果が出なくなっていることから、財政出動を伴う経済対策、実需の発生する対策(投資用不動産保有を認める、頭金の減額など)が必要と考えられる。しかし、新たな不動産開発投資がなければ地方政府の不動産収入も増加しないため、ない袖は振れない状態になっているのも事実で、経済対策の対象や規模は限定されると考えるのが妥当だろう。

出所:LME、中国国家統計局、MRA

以上を考慮すると、2023年下期の銅価格は、最大消費国である中国(地方)政府の経済対策、金利引下げなどの影響で中国の需要が緩やかに回復すると期待されるものの、金融引締めの影響で米欧の景気が減速する可能性が高いことを考えると、内需の回復を外需の減速が相殺、恐らく年内価格は低水準でレンジワークになると予想される。2024年については景気の底入れや、脱炭素向けの需要顕在化、東西対立による設備の二重投資などの影響、中国・インドの需要増加から、構造的な需要増加が見込まれ長期的な上昇基調に転じるとみている。LME指定倉庫在庫の水準と価格の関係をみるに、今年は6,500ドル〜10,000ドル、米国の金融緩和が始まり、中国が対策を行うと期待される2024年レンジは7,500ドル〜13,000ドルに切り上がるとみており、基本は2024年以降の価格上昇リスクは高まるとみている。

この見通しの下落リスクは、各国金融引締めペースが早すぎて経済がオーバーキルになってしまう場合、金融引締め後の景気後退局面が過去と同様に長びく場合、中国の不動産セクターの回復に目処が立たず、中国政府が取り組んでいる秩序ある不動産セクターの調整が上手くいかなかった場合(最悪の場合、中国が日本化する場合)などが考えられるが、今のところはリスクシナリオという整理でよいと考えている。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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