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2021-12-02 04:20:44

高騰する原油価格〜急落後の上昇リスクを警戒

2021/10/27
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

原油価格が高騰している。多くのメディアで指摘されている通り、ガス・石炭不足に端を発し、異常気象の影響で再生可能エネルギーに傾斜しすぎた英国が深刻な電力不足に陥り、それを賄うためにフランスから原子力発電由来の電力を購入しようとしたところ火災が発生、結局、天然ガスを購入しなければならなくなったこと、といったことがさらにガス需給をタイト化させた。その結果、既に発電燃料や暖房燃料への需要が減少していたディーゼルや灯油などの需要が増加しているのだ。

米エネルギー省はこの状況を受けて直近10月発表の短期見通しを変更し、10月の原油需給バランスを80万バレルの供給過剰から20万バレルの供給過剰に引き下げた。さらに、2021年11月・12月は供給不足幅を各々▲62万バレル、▲78万バレル拡大させ、11月が▲81万バレル、12月が▲191万バレルの供給不足に陥ると予想している。これまでこのコラムでも繰り返し主張しているように、水道の蛇口をひねるように原油が増産できる訳ではないため、恐らくこのまま予想通りの厳冬となれば、冬場の原油価格はさらに高値を試す可能性が出てくる。供給不足になり「本当に現物が足りなくなる」場合、市場でショートポジションを保有している参加者は買い戻しを余儀なくされるスクイーズ(いわゆる玉締め)を受けることになり、価格は上限なく上昇することになる。このときに上限がどこまでか?を議論することは余り意味がない。欧米投資銀行が指摘していたように原油価格が100ドルをつける可能性も捨てきれなくなってきた。

出所:米エネルギー省

しかし、この状況においても米国の原油生産は増加せず、OPECプラスの増産も見送られている。来年の需要見通しが価格上昇を背景に下方修正されているため、2022年は供給過剰になるとみられていることが背景だ。実際、過去の例を見ると原油価格は景気の転換点、すなわち景気拡大がピークを打つ直前で価格が最も上昇し、その後急落することが多い。これは景気が回復して需要も回復→価格上昇→価格上昇により採算性が改善→供給増加→需給がバランス→価格下落となるが、需要増加を受けた価格上昇を背景に増産を決定、実際に増産に至るまで時間差があるため、増産が始まる前に価格上昇に市場が耐えられなくなり、消費が減少をはじめるあたりから時間差をもって増産が始まることが多いためである。

出所:米供給管理協会、ICE

恐らく今回は各国が産油国に増産要請をしており、さらに産油国側としても供給不足が需要を減じている実情を考えると追加増産の可能性は低くないとみている。しかし、供給があったとしても冬場の価格低下は難しく、冬場の調達に目処が立つ年明け以降に下落に転じるのではないだろうか(ただし価格は下落しても消費者がその価格下落した後の原油を手にするのにも時間差がある)。このとき、米国のテーパリングや利上げ、これまでの価格上昇が経済のファンダメンタルズを悪化させていた場合、調整幅が大きくなる可能性があることは十分注意をする必要がある。

ただ、価格が下落すれば需要が喚起されること、恐らく来年は米国をはじめとする主要国の経済対策が実施されること、OPECプラスの増産も「増産分の前借り」であり、仮に11月に80万バレルの増産を決定した場合、12月は増産見送りとなる可能性があること、経口薬の開発成功で新型コロナウイルスの影響による移動制限が春頃から解除される可能性があることなどを考えると、恐らくテーパリングが終了するとみられる2022年4月〜6月頃を底に再び上昇に転じると予想される。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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