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2021-09-26 19:42:03

米作付減少観測で穀物は上昇〜ただし天候要因で下落のリスク

2021/4/28
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

米国は日本などに比べて統計が充実しているが農産品もその1つであり、作付意向面積は3月の初めの2週間に全米の主要な農家に対してアンケートを行って作成される報告書で、その年の生産見通しの基準となる統計である。通常、どの穀物をどの程度生産するかは、種子を発注する年末頃の価格水準を参考に各農家が決定するが、この数年の傾向を見ると年間の平均価格の作付意向面積に対する説明力が高い。2020年のトウモロコシの平均価格は363セント(/ブッシェル)と2019年の平均価格である383セントから低下、大豆は2020年が953セント、2019年が890セントだった。この状況を勘案すると「トウモロコシの作付面積は昨年対比で減少し、大豆の面積は増加する」とみるのが普通である。また「トウモロコシと大豆、どちらを植えた方が収益性が高いか?」の判断基準となる「大豆÷トウモロコシレシオ」も年平均ベースで2.62と昨年の2.32から上昇、大豆の面積は昨年から増加してもおかしくないとみられていた。

しかし、3月末に発表された米国の作付意向面積は、トウモロコシ、大豆とも市場予想を下回る結果となった。トウモロコシの作付けは市場予想が9,313万エーカーであったのに対して9,114万エーカーと前年の最終作付け面積である9,201万エーカーも下回った。大豆も同様に市場予想が9,010万エーカーであるのに対して8,760万エーカー(前年8,383万エーカー)と予想を下回った。足下、穀物価格は上昇しているため作付意向面積が増加しても全くおかしく無い。しかしこのような結果になったのは、複数の要因が考えられる。1つめがバイデン政権誕生後、米国は中国に対する圧力を強めており米国の穀物主要輸出先である中国向けの輸出需要の先行きが見通し難いこと、コロナの影響は完全に緩和しておらず、年初に米南部を襲った大寒波の影響で肥料や農薬の供給に懸念が生じ、価格も上昇して採算性が悪化していることなどを理由に農家の生産意欲が減退したためと考えられる。

この見通しを背景に需給率(注:弊社が独自に算出している指標で、米需給報告の需要を供給で割った数値。需要が増加したり、供給が減少すると数値が上昇、価格の上昇要因となり、逆に需要が減少したり供給が増加すると数値が低下し、価格の下落要因となる)は上昇している。直近の米需給報告を参考にすると2021-2022年のトウモロコシの需給率は91.6%(前年比+3.7%)と上昇の見込みである。この水準はトウモロコシ価格が年平均価格ベースで578セントだった2013-2014年と同水準だ。大豆に関してはもっと状況が厳しく、需給率は97.4%(+9.1%)まで上昇すると予想されている。この需給率の水準はトウモロコシと同様2013-2014年と同じであり、このときの大豆平均価格は1,407セントだった。

しかし、現在の価格水準はトウモロコシ・大豆ともこの水準を上回っており、需給率で説明可能な水準を遙かに上回っている。需給のタイト化観測に加えて、さらに中国が積極的に穀物を輸入するのでは、との見方や、世界的に環境規制強化が進む流れの中、バイオ燃料向けの需要が増加するのでは、との見方が強まったことが影響していると見られる。米国の生産下方修正見通しを材料に上昇している穀物価格だが、しばらくは高止まりする可能性が高い。

しかし、今年はラニーニャ現象が終了し、夏場にかけてエルニーニョ現象の発生が見込まれている。この20年を振り返ると、ラニーニャ現象発生時に穀物価格が上昇し、エルニーニョ現象発生時はむしろ価格が下落しているケースが多い。また、今回の統計も農家の意向であり最終決定ではない。そのため、足下の価格上昇を背景に作付が増加する可能性は決して低くないと考えている。となると、足下の価格上昇は比較的短命に終る可能性もあり、足下は堅調ではあるものの、下落リスクを警戒すべき水準に来ているとみるべきではないだろうか。

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 新村 直弘
1994年東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、本店金融市場営業部でコモディティ・デリバティブ開発を担当。国内製造業、金融機関をはじめ幅広い業種に対する価格リスクマネジメントの提案業務に従事。
バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月、企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立、代表取締役に就任。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。
また日経新聞、週刊ダイヤモンド、東洋経済、エコノミスト等のメディアにも多数寄稿。
日本アナリスト協会検定会員、資源エネルギー学会会員
著書:
『調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門』(ダイヤモンド社)
『コモディティ・デリバティブのすべて』(きんざい)
『天候デリバティブのすべて―金融工学の応用と実践』(東京電機大学出版)

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