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日本株底打ち反転!?今後日本株を押し上げる2つの要因
2014/6/11
日経平均が2ヵ月ぶりに15,000円乗せを達成し日本株市場に活気が戻ってきています。5月中旬までは14,000円近辺で推移していた日経平均はその後1,000円超上昇し、6月5日終値で15,079.37円となっています。5月20日から6月5日までの期間の上昇率を主要各国のインデックスで比較すると日経平均は7.7%、マザーズ指数は29.2%と突出して高くなっています。
にわかに上昇をはじめた日本株ですが、今後も引き続き、公的年金の運用改革や消費税増税後の景気回復に着目した資金流入が期待できます。
各国主要インデックスの騰落率(2014年5月20日〜6月5日)
- (出所)BloombergよりSBI証券作成。
- (注)2014年初から5月20日まで。日本は日経平均、マザーズはマザーズ指数、米国はNYダウ、ナスダックはナスダック総合指数、英国はFTSE100、ドイツはDAX、韓国は韓国総合指数、中国は上海総合指数、香港はハンセン指数、シンガポールはST指数、インドネシアはジャカルタ総合指数、ベトナムはVN指数、インドはSENSEX指数、ロシアはRTS指数、トルコはイスタンブール100種指数 、南アフリカはFTSE/JSE アフリカ 全株指数、ブラジルはボベスパ指数 。
日本株上昇の波に乗るファンド10傑!
順位 |
ファンド名 |
トータルリターン |
モーニングスターレーティング |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
5/20〜 |
1年 |
3年 |
5年 |
|||
1位 |
30.5% |
-31.3% |
51.7% |
- |
★ |
|
2位 |
23.3% |
1.4% |
33.7% |
- |
★ |
|
3位 |
21.4% |
23.7% |
24.5% |
19.4% |
★★ |
|
4位 |
19.4% |
0.5% |
38.9% |
25.5% |
★★★★★ |
|
5位 |
17.4% |
- |
- |
- |
− |
|
6位 |
15.8% |
-4.9% |
25.7% |
19.5% |
★★★ |
|
7位 |
15.6% |
9.0% |
36.9% |
25.8% |
★★★★★ |
|
8位 |
14.9% |
-7.3% |
22.5% |
17.0% |
★ |
|
9位 |
14.4% |
-12.0% |
25.3% |
17.5% |
★★★★ |
|
10位 |
14.0% |
16.6% |
26.2% |
19.6% |
★★★★★ |
- (出所)BloombergよりSBI証券作成。
- (注)当社取扱い日本株ファンドの内、2014年5月20日から6月5日の基準価額の上昇率が高い順に10本を掲載。
- ※騰落率等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日経平均が大きく上昇した5月20日から6月5日の期間の日本株ファンドの運用成績をランキングにしました。1位は「JASDAQ−TOP20指数ファンド」で約60%組み入れるガンホーオンラインエンターテイメントが同期間37%も上昇したことが寄与しました。アクティブファンドでは「JPM店頭株オープン’96」がトップの運用成績となっており、21.4%というトリプルブルファンド並みの高いパフォーマンスを上げています。
5位にランクインした「ザ・2020ビジョン」は昨年12月に設定されたばかりのニューフェイスです。当ファンドは独立系運用会社であるコモンズ投信が運用するファンドです。運用を担当するのは運用経験年数11年のベテランファンドマネジャー糸島孝俊氏です。糸島氏は過去に運用するファンドがモーニングスターのFund of the Year で優秀賞を受賞した実績のある凄腕ファンドマネジャーです。
また、今年「Fund of the Decade 2013」を受賞した「JPM ザ・ジャパン」や「Fund of the Year 2013」で優秀賞を受賞した「中小型株式オープン(愛称:投資満々)」も9位と10位にランクインしており、株式の上げ局面でしっかりとした収益を上げています。
GPIFの日本株の運用比率の引き上げ
投資部門別売買動向と日経平均の推移
- (出所)東京証券取引所などよりSBI証券作成。
- (注)東京、名古屋市場、1、2部など、総合証券ベース。海外投資家は現物に大証日経225先物を加えたもの。
2014年1月から5月まで。
5月に入ってからの日本株の上昇を主導したのは信託銀行を経由した年金基金の買いのようです。東京証券取引所が発表する投資部門別売買動向を見ると、信託銀行は5月第5週まで5週連続で合計6,873億円買い越しています。年金基金はあらかじめ株や債券などの配分を決めて、それに沿って運用しています。株安で株式資産が目減りしたためその分を買い増すリバランス(資産配分の再調整)を実施したものと考えられます。
また、年金がリバランスだけでなく日本株の運用比率を高める動きもあるとの声も聞かれます。120兆円を超える公的年金の積立金を運用している年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)も日本株の運用比率の引き上げを検討しています。GPIFの運用委員長に就いた米沢康博早大教授は現在12%としている日本株の基本比率は20%というのも高すぎるハードルではないかもしれないと大幅な引き上げに意欲的です。
2013年末時点のGPIFの資産構成割合では日本株は17.3%となっています。20%まで引き上げられた場合、約3.8兆円もの資金が日本株に流入する試算となり期待が持てそうです。GPIFの資産運用の見直しは年末に発表される予定となっていますが、8月から10月に前倒しで発表される可能性も高まっています。今後、市場ではGPIFの引き上げを先回りして日本株を買う動きが出てくるのではないかと考えられます。
消費増税後の早期景気持ち直し
各国製造業購買担当者景気指数(PMI)の推移
- (出所)bloombergよりSBI証券作成。
- (注)2013年1月から2014年5月まで。2014年5月の数値は速報値。
日本株全体の取引の約60%を占める海外投資家の動向にも変化の兆しが見えます。海外投資家は足元でも現物の売り越し基調が続いているものの、先物と合わせると5月第4週以降2週連続で買い越しに転じています。
海外投資家の間では2014年に入って昨年大きく上昇した日本株を売却して、景気に明るさが見え始めた欧州株を買う動きが広がっていました。しかし、ここに来て消費増税後の日本経済の底堅さを指摘する声が出てきています。マークイット社が発表した製造業購買担当者景気指数(PMI)(速報値)によると5月に日本と米国で指数が上昇した一方で、ユーロ圏は下落しています。ユーロ圏で指数が下落した背景にはユーロ高やウクライナ問題が景気に悪影響を与えていることが挙げられます。一方日本は消費税増税の影響は短期に留まり、夏には景気が再び上向きになるとの期待が高まっています。
日本株は上昇したとはいえ、年初来では日経平均が▲7.4%、マザーズ指数が▲14.5%と依然としてマイナス水準にあり、NYダウの1.6%、ドイツDAXの4.1%と比較して出遅れています。今後日本の景気持ち直しが鮮明となる中で日本株の出遅れ感に着目した海外投資家の買いが日本株を一段と押し上げる展開も想定されます。
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