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【特集】連続対談 「榮が聞く!How to 海外ETF」
スマート・ベータETFのパイオニア ウィズダムツリーのETFで新たな投資戦略を!
ETFを使って「何に投資するか(What)」という時代から、「どうやって投資するか(How)」を実現できる時代。
ウィズダムツリーは、時価総額ではなく配当額や利益額などで加重するなど、様々な「投資戦略」を実現できるETFを提供しています。
投資戦略をインデックス化するとは?米国の投資家に浸透してきた為替と株の収益を分ける考え方とは?
ETFで資産運用されている方はモチロン!日本株や投資信託を既にお持ちの投資家さまもぜひご覧ください。
榮ウィズダムツリーでは、ファンド運用方針(ポリシー)はどのような点を重視されていますか?
渡邊ウィズダムツリーは、ETFに特化した運用会社として唯一の上場企業(NASDAQ)です。
ETF運用資産は米国5位(グローバル7位・2015/12末現在、524億ドル)で、株式、債券、コモディティ、通貨、オルタナティブ運用のETFを米国と欧州で展開しています。
当社の商品は、一般的な時価総額加重型のインデックスをベンチマークとしたETFではなく、リサーチ部門により独自のインデックスを開発する、スマート・ベータ型のETFです。「投資戦略」をインデックス化してETFを提供することを主軸にしています。
時価総額加重のインデックス |
WisdomTreeのインデックス |
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株価や時価総額のみでウェイトを決定 |
ルールに基づいた独自の加重手法を用いる |
割高な銘柄をオーバーウェイトし、割安な銘柄をアンダーウェイトするメカニズム |
市場価格ではなくファンダメンタルズに基づきウェイトを決定 |
株価が上昇した場合、その銘柄のウェイトを引き上げ、株価が下落した場合、ウェイトを引き下げる |
配当や企業業績などのファンドメンタルズをリスクリターンに反映させる仕組み |
時価総額に基づき、定期的なリバランスを行う |
一定の相対価値へ回帰するために、年次でリバランスを実施 |
榮 投資戦略をインデックス化するとは具体的にはどういうことでしょうか?
渡邊
配当額や、利益額などで銘柄のウェイトを決定するという考え方です。
通常のインデックス投資は、時価総額加重による指数をターゲットにしているため、時価総額の大きい銘柄(=株価が高く割高な可能性の銘柄)の構成比率が大きくなり、時価総額が小さい銘柄(=株価が安く割安な可能性の銘柄)の構成比率は小さくなります。株価が相場状況により変動し、その本来の価値から乖離した場合、割高株を高い比率で保有してしまい、割安株を低い比率で保有してしまいます。
ウィズダムツリーのインデックスは、配当額や、利益額などの要素でインデックスを構築するため、時価総額加重による欠点が解消されると考えられます。
榮 当社人気ランキング(残高上位)から支持された要因は何だと思いますか?
当社ウィズダムツリーETF人気ランキング(残高上位) 2016/1末現在
ティッカー |
名称・連動指数 |
経費率 |
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1 |
EPI |
0.83% |
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2 |
DEM |
0.63% |
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3 |
HEDJ |
0.58% |
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4 |
DXJ |
0.48% |
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5 |
DEW |
0.58% |
|
6 |
DFJ |
0.58% |
|
7 |
DXJH |
0.43% |
|
8 |
DHS |
0.38% |
|
9 |
GULF |
0.88% |
|
10 |
DFE |
0.58% |
渡邊 そうですね。ウィズダムツリー インド アーニングス ファンド(第1位)、ウィズダムツリー エマージング マーケッツ ハイ ディビデンド ファンド(第2位)というところを見ると、投資のしづらいインドや新興国に対してのスマート・ベータのツールとしてご利用いただいているという印象です。
榮 ウィズダムツリー インド アーニングス ファンド(第1位)は、当社で2015/8頃にインドの魅力をお客さまに伝えるキャンペーンを行いご紹介させていただきました。
渡邊 ありがとうございます。成長国のようなインドでは利益を配当よりも「投資」に回す傾向にあると考えられますので、企業利益に注目することが重要だと思います。このETFは利益額でウェイト付けをするインデックスで、米国のインドに投資するETFの中では純資産も大きく、出来高も最もあるファンドですね。(2015/12末現在)
榮 当社のお客さまの中では、サテライト資産として保有されている方が多かったという印象です。御社のETFには(ハイ)ディビデンド=(高)配当と名を冠するETFが多いですね。ウィズダムツリー エマージング マーケッツ ハイ ディビデンド ファンド(第2位)等であれば、インカム重視の戦略もできますね。
渡邊 価格が下がっていることもあるのですが、2015/12末時点で、配当利回りが約5.2%もあります。低金利下においては、インカムを求める個人投資家も多いのではと思います。また長期的なドル高を見通すのであれば、国内はマイナス金利ですので、国内不動産やREITへの投資も選択肢です。御社のウィズダムツリーETF人気ランキング(残高上位・2016/1末現在)TOP10には入っていないのですが、ウィズダムツリー ジャパン ヘッジド リアルエステート ファンドも選択肢としてはあるのではないでしょうか。ドルから見て円をショートしますので、円安メリットの享受も狙えます。
榮 その他では、ヨーロッパに投資するETF等、日本の個人投資家も重宝するものが揃っていますね。
渡邊
そうですね。非常に意外だったのが、ウィズダムツリー ヨーロッパ ヘッジド エクイティ ファンド(第3位)やウィズダムツリー ジャパン ヘッジド エクイティ ファンド(第4位)のような「為替ヘッジ」に着目した商品を日本の個人投資家の方がご利用されている点ですね。
米国利上げ観測によるドル高基調の中で、米国の投資家が外国株式(ヨーロッパ、日本等)を外貨で買っても、ドル高/外貨安により「為替」評価損で相殺されますので、為替ヘッジしてエクスポージャをとりたいというニーズに対応した商品です。為替のボラティリティが大きいので、為替と株の収益を分ける考え方が直近2、3年で米国の個人投資家にも浸透しつつあります。
榮 米国で御社を非常に有名にした商品ですよね。
渡邊 そうなんです。「ウィズダムツリー=為替ヘッジの会社」とよくいわれますが、配当額や、利益額などで加重することを含めて様々な「投資戦略」をインデックス化したETFを提供するのがコンセプトで、そのひとつとして「為替ヘッジ」する商品があるんです。
榮 米国でも御社のようなETFは好まれているのではないでしょうか?
渡邊 2015年のETFの資金フローをみると、ウィズダムツリー ヨーロッパ ヘッジド エクイティ ファンド(第3位)に非常に多くの資金流入がありました(米国ETFで1番)。アベノミクスが注目された2013年は、ウィズダムツリー ジャパン ヘッジド エクイティ ファンド(第4位)が注目されました。特に昨年は米国の利上げにフォーカスが当たった年でしたので、為替の影響に敏感な米国の個人投資家に注目される銘柄となりました。自国の株、債券でポートフォリオを組んでいた米国の個人投資家は、緩和している欧州株や日本株が自国の株式より、顕著に上昇しているので、為替ヘッジしながら外国株式投資という投資行動が浸透しはじめたのではないかと思います。
榮 今後の相場環境の見通しはいかがでしょうか?
渡邊
2015年は米国の「利上げ」がテーマでした。とはいえグローバルな低金利が続く可能性があります。3年前まで戻ると米国もゼロ金利で、「インカムをどうやってとるのか?」というテーマがありました。もう一度そのテーマ、すなわち「高配当」に注目が戻ってくるのではないかと思います。米国の高配当銘柄であれば、ウィズダムツリー ハイ ディビデンド ファンド(第8位)、ウィズダムツリー グローバル ハイ ディビデンド ファンド(第5位)、そして新興国であれば、ウィズダムツリー エマージング マーケッツ ハイ ディビデンド ファンド(第2位)が、再注目されるのではないでしょうか。
また、当社CEOのイェスパー・コールは、日本株式は現在「クラッシュテスト」を試されており、今年の企業決算が出そろう5、6月頃の段階で企業業績を織り込んだ上で、再度日本株にフォーカスが集まるのではないか、と見ています。そうなると、円安・株高の両方のメリットを享受できるウィズダムツリー ジャパン ヘッジド エクイティ ファンド(第4位)は面白いと思います。
榮 なるほど。日本株にも見直しが入るのではないか、というストーリーですね。
渡邊 今、手元にストックしているキャッシュを使って株主還元するのではないかと見ています。
榮 そうすると、御社の銘柄で組む個人投資家のオススメポートフォリオはどういったものになるでしょう?
渡邊 例えば、ウィズダムツリー ハイ ディビデンド ファンド(第8位)と、ウィズダムツリー ジャパン ヘッジド エクイティ ファンド(第4位)の組み合わせ等はいかがでしょう。リスクオンであれば、株高と為替で利益を享受するように攻めて、リスクオフであれば、高配当株で守る戦略ですね。
相対チャート(2013/12/31を100とした場合)
榮 今後、日本の投資家にどのような商品をご提供いただけますか?
渡邊 日本でのプロモーションをはじめたばかりですので、日本の投資家に目新しいものをご提供できればと思っています。スマート・ベータを含め様々な「投資戦略」を提供するETFは当社の強みです。既にマネージド・フューチャーズ戦略、ロング・ショート戦略のようなヘッジ・ファンドが行う戦略を独自に指数化して米国でETFとして提供をはじめています。
榮 最後に日本の個人投資家へメッセージをお願いいたします。
渡邊
世界はETFを使って「何に投資するか(What)」という時代から、「どうやって投資するか(How)」を実現する時代になってきていて、ETFがそれに応えられるようになってきたのではないでしょうか。ウィズダムツリーはその点に強みを持っていると思います。
従来は、「米国株を買う」=「S&P500を買う」というのが単純な選択肢でしたが、本当に時価総額加重のインデックスETFに投資するスタイルで良いのか?と、個人投資家も気づきはじめていると思います。とはいえ、個別銘柄を自分で選んでポートフォリオを作成するのは非常に手間がかかります。そういった中で、「投資戦略を提供するETF」=「スマート・ベータのETF」が注目されているのかなと考えます。
また、ウィズダムツリーのWEBサイトを開設いたしましたので、ぜひご覧ください。まだまだコンテンツ数は少ないのですが、随時拡充して参ります。当社のイェスパー・コールCEOのブログ等掲載しておりますので、ぜひ相場の見通し等の参考にしてください。
渡邊 雅史(わたなべ まさふみ)
WisdomTree Japan株式会社
ETFストラテジスト
アクセンチュア株式会社にて金融機関向けコンサルティング業務に携わった後、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)にて、ポートフォリオマネジャー、ストラテジスト、及びETF部門専任のストラテジストを歴任。金融ベンチャー企業に参画した後、2016年よりWisdomTree JapanのETFストラテジスト。ETF市場の分析、ETFを用いた運用戦略の立案・提案業務などに携わる。
慶應義塾大学総合政策学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス修士(MBA)。
著書に『計量アクティブ運用のすべて』(金融財政事情研究会)(共著)
榮 聡 (さかえ さとし)
SBI証券投資調査部
(日本証券アナリスト協会検定会員)
1986年一橋大学商学部卒業、1991年カーネギーメロン大学テッパー・スクール・オブ・ビジネス卒業。大和証券、大和証券投資信託委託、野村證券を経て15年4月よりSBI証券投資調査部に所属。国内外株式のファンド運用、ファンド運用助言、調査業務に長年携わる。欧州株式、アセアン株式について現地での調査経験があり、企業をグローバルな視点から評価できることに強み。
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