11/9(水)の東京市場では日経平均株価が一時1,000円を超える急落となり、8/4(木)以来の安値を付けました。東京市場の取引開始とほぼ同時に米大統領選挙の開票がスタートしましたが、トランプ氏がフロリダ州やオハイオ州などの「激戦区」で次々と勝利を収め、次期大統領へ就任する可能性が大きくなったことが要因です。日本時間15時現在の獲得選挙人数はクリントン氏215人に対し、トランプ氏は244人となっており、トランプ氏の勝利がほぼ確実の状態となっています。
市場では、多くの参加者がクリントン氏の勝利を前提とした相場見通しやポジションを持っていたとみられ、そうした人々にとってはまさにネガティブ・ショックとなりました。結局、日経平均株価の11/9終値は16,251円54銭(前日比919円84銭安・下落率5.36%)となりましたが、他のアジア市場の株価も全面安となり、外為市場では1ドル101円台まで円高・ドル安が進みました。
今後、市場はどうなるでしょうか。トランプ氏は移民に対し厳しい姿勢を取っている上、外交的にも「米国第一」主義からドル安政策を取るとみられています。また、自由貿易には否定的で、TPP(環太平洋経済連携協定)にも反対しています。全般的に政策に対する不透明感は強く、市場は当面不安定な状態におかれると考えられます。
しかし、トランプ氏の過激な発言は大統領選挙で勝利するための手段である部分が大きく、そのすべてが実現できる訳ではないと考えられます。共和党は基本的に「自由貿易」や「小さな政府」を重視し、為替政策では強い米国を背景とした「強いドル」を指向することが多い政党です。トランプ氏がこのまま大統領に就任した場合、副大統領や新たなホワイトハウススタッフ、議会などと協調しながら政策決定を行っていくとみられ、次第に現実的な政策が増えるとみられます。
「トランプ・ショック」で下げた東京株式市場ですが、今後は「トランプ政権」に対する情報が次第に増えるにつれ、むしろ落ち着く可能性がありそうです。少なくとも、米大統領選挙および国内の上場企業決算発表という重要イベントが一巡してくるため、来週以降は反発に転じる可能性もありそうです。日経平均株価の予想EPSは11/8現在で1,182円でそこに予想PER13.5倍をかけた水準を下値支持ラインとみると15,957円と計算されます。日経平均株価16,000円割れは長く続かないとみられます。
トランプ氏は第34代・アイゼンハワー大統領を尊敬しているといわれ、同大統領が手掛けた州間高速道路の修繕・拡張を進める可能性があるとの指摘もあります。実業の世界で「不動産王」であったことからも、インフラ投資を増やす可能性は大きそうです。仮に今後も全般的な株価下落が続いた場合は我が国の建機・セメント株や塩ビ関連等の一角に買い場となる可能性もありそうです。
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