<今週のココがPOINT!>潮流変化か?日経平均再び高値トライへ条件整う
少ない資金で大きな利益が狙える先物・オプション取引って何?
潮流変化か?日経平均再び高値トライへ条件整う |
図表1:本決算発表大詰めで急上昇した日経平均予想EPS
- ※日経平均データをもとにSBI証券が作成。左軸が日経平均株価(円)で、右軸が同予想EPS(円)
日経平均株価は、5月7日の取引時間中に付けた19,257円を安値に、そこからはやや反発した水準での推移になっています。ただ、市場関係者の多くは「いまだ、自律反発局面の域を出ない」と、疑心暗鬼になっているようにも思われます。欧米で長期金利や株価が不安定な動きになっていることが背景とみられます。13日の動きも先物に主導され、日経平均への寄与度の高い銘柄が偏って買われた面が強く、東証一部の値上がり銘柄・値下がり銘柄はほぼ同数で、冴えない取引内容でした。翌14日の取引でも、売りが先行し、日経平均の下げは200円に迫りました。
しかし、現在の反発局面は一時的な「あや戻し」にとどまることなく、日経平均株価が4月23日の高値20,252円を更新しに行く動きに繋がる可能性も十分あるとみられます。理由は、日経平均株価の予想EPS(一株利益)が急上昇しているからです。
図表1は、日経平均とその採用企業の予想EPSの推移を示したものです。予想EPSは当面の企業業績見通しを示しています。日経平均株価のチャートは、拡大する企業業績と歩調を合わせて上昇する傾向にあることがわかります。また、局所的にも、矢印が記されている四半期決算のタイミングでも、株価が反応していることが、お分かり頂けると思います。なお、日経平均と予想EPSの解説については「225ココがポイント」でも触れていますので、そちらもご参考頂ければと思います。
ちなみに、この日経平均予想EPSは、4月末に1,089円、8日に1,134円でしたが、13日には一気に1,199円まで上昇してきました。これを受け、日経平均の予想PERは4月28日の18.2倍から5月13日には16.5倍まで低下しています。日経平均株価の割高感は急速に後退しつつあり、その意味で、日経平均株価は「高値トライ」の条件を整えつつあるとみられます。
「高値トライ」のタイミングは? |
それでは、日経平均株価は、どのタイミングで、「アベノミクス相場」の高値である4月23日の20,252円を抜くことができるでしょうか。結論から先に申し上げると、5月・月内にもそれは可能だとみられます。
理由は、まず、決算発表が15日にも概ね一巡するからです。決算発表が終われば、利益が予想と比べてどうだったのかといった表面的な評価で動きやすい季節も終わります。ここから、アナリストの調査が本格化し、企業の本質的な成長性や、バリュエーション等が問われるようになってきます。長期保有の投資家などが、好業績銘柄に買いを入れてくるケースも増えてきそうです。
昨年は、5月20日頃を境に、日経平均株価が大きく上昇しましたが、こうした投資タイミングの問題も大きいとみられます。
図表2は、日経平均株価と主要移動平均の短期推移をみたものです。日経平均は13日終値段階で25日移動平均を回復しました。ただ、14日には再び跳ね返されてしまっています。今後、日経平均が同移動平均を安定的に上回るようになれば、相場のムードが一気に変わる可能性も大きそうです。また、図表3は、東証一部の売買代金の推移を示していますが、足元で増加傾向を示しています。多くの市場参加者は大型連休中も「様子見」姿勢に陥ることなく、仕込み場を探っていたことを示しているのかもしれません。
図表2:日経平均株価・日足
図表3:東証一部売買代金(兆円)
- ※弊社チャートツール、日経平均公表データ等をもとにSBI証券が作成。
日経平均株価「高値更新」にベットするポジションは? |
仮に5月・月内に日経平均株価の「高値更新」が可能であり、それにベットするのであれば、オプションの投資戦略としては「コールの買い」が、有望と言うことになります。
図表4は、日経平均コール・オプション(2015年6月限・権利行使価格19,750円)について、そのプレミアムの推移をみたものです。日経平均株価が高値を付けた4月23日以降下落基調となっています。日経平均株価自体の下落に加え、時間の経過で「時間的価値」が消費されているためです。図表5のオプション損益図では13日終値400円で買った場合を想定していますが、その後、日経平均が下がりましたので、実際にはさらに低い価格で買えるケースもありそうです。
オプション取引で重要なのは、まず「損益分岐点」を把握しておくことです。上記のコール・オプション(購入価格が400円と仮定)であれば、19,750円(行使価格)に購入価格400円を乗せた20,150円超に日経平均株価が上昇すれば、利益が出てくる計算になります。コール・オプションをより安い価格で購入できれば、その分損益分岐点は下がる計算です。14日の購入であれば、300円以下で買えている可能性もある訳で、仮に購入価格300円であれば、損益分岐点は20,050円の計算です。
同じ権利行使価格19,750円でも、取引対象限月は6月だけではありません。7月もありますし、取引が成立しています。ちなみに、日経平均コール・オプション(2015年7月限・権利行使価格19,750円)のプレミアムは13日終値で575円でした。SQは6月限が6月12日であるのに対し、7月限は7月10日です。残り時間がたくさんある分、すなわち「時間的価値」が大きい分、6月限よりもプレミアムが高くなる計算になります。
オプションの売買を検討する時に、通常は直近限月のオプションを取引対象として検討しますが、よく観察していれば、「期先」の価格が有利になるケースも出てくるかもしれません。オプション取引には、あらゆるチャンスを捉えに行く注意深さも必要とみられます。
図表4:日経平均コール・オプション・プレミアム推移
(2015年6月限・行使価格19,750円)
図表5:日経平均コール・オプション・想定損益図
(2015年6月限・行使価格19,750円・6月SQ時)
- ※日経平均公表データ等をもとにSBI証券が作成。
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