前営業日トピックス
アジア市場では、日本市場が休場であることから新規材料に乏しいものの、先週末のイエレン米財務長官の発言を受けて、序盤から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。上昇一服後はやや軟調な動きとなり、欧州時間まで上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米長期金利が低下したことを受けて、ドルは序盤に主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、その後は米長期金利が上昇に転じたことから、ドルは一転じて主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米株式市場では、米雇用統計が予想より弱い内容となり、FRBの米利上げ開始時期の後ずれ観測が後退したことが引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、ハマスがイスラエルとの休戦案を受け入れるとの報道を受けて投資家心理が改善したことも影響した。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前週末比210ドル高まで上昇した。その後上げ幅を縮小する動きとなり、一時13ドル高まで上げ幅を縮小した。ただ、その後は再び堅調な動きとなり、176.59ドル高(+0.46%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、192.92ポイント高(+1.19%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア時間では、東京市場が休場で薄商いの中、前週末にイエレン米財務長官が日本の通貨当局が介入を実施したかどうかには言及しなかったものの、「こうした介入はまれであるべきで、協議が行われることが期待される」と発言したことが材料視され、序盤から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の152.81から154.01まで上昇したものの、上昇一服後は上値の重い動きとなり、欧州時間までレンジ内の動きが続いた。
(2)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、序盤に米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、その後は米長期金利が上昇に転じ、上昇幅を拡大したことから、ドルは一転じて主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の153.79から153.42まで下落した後は上昇に転じ、アジア時間に付けたこの日の高値の154.00に面合わせとなった。ただ、上抜けとならずに終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前週末にイエレン米財務長官が日本の通貨当局が為替介入を実施したかどうかに言及しなかったものの、「円相場の動きは急激だった」と述べ、3日の動きについて自身の見方を示した。さらに「こうした介入はまれであるべきで、協議が行われることが期待される」と発言したことで、日本の通貨当局に対する牽制との見方が広がった。さらに、介入実施も通常ではない時間帯に実施(NYクローズ直前の薄商い時に実施)したことも、牽制的な発言につながった可能性も考えられる。
この発言により、米当局との連携ができていなかったことが明らかとなり、今後日本当局は為替介入がやり難くなったとの見方も出ている。そのため、ドル円・クロス円は引き続き底固い動きが続く可能性も考えられる。今後の注目は、来週の米消費者物価指数の発表であり、それまではドル円・クロス円は底固い動きが続く可能性が考えられる。