前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比540円超上昇したことや、実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、一旦下落に転じたものの下値は限定的となり、下げ一服後には再び堅調な動きとなった。欧州時間に入り、再び円売りが優勢となり、一時144.91まで上昇した。
米国市場では、米長期金利の大幅に低下や、6月の米ISM製造業景況指数が2020年5月以来の低水準となったことから、ドルは一段の下落となり、ドル/円は一時143.99まで下落した。その後、FRBの根強い利上げ観測を背景に米金利が再び上昇となり、ドルも上昇に転じてドル/円は144.75まで回復した。
米株式市場では、先週発表されたストレステストの結果が良好だったことが引き続き材料視され、大手金融株が買われたことが押し上げ要因となった。なお、米独立記念日の前日で株式市場が短縮取引だったことから、市場参加者が少なく、上値は限定的だった。ダウ平均株価は、序盤に前週末比121ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて一時58ドル高まで上昇した。ただ、引けにかけて上げ幅を縮小し、10.87ドル高(+0.03%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、28.85ポイント高(+0.21%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、日経平均株価が序盤から前週末比540円超上昇したことや、時間外取引で米長期金利が先週から上昇したこともあり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル/円は序盤の144.22から144.69まで上昇した。
(2)上昇一服後、米金利が低下に転じたこともあり、一旦軟調な動きとなる場面もあったが底固い動きとなり、下げ一服後は再び堅調な動きとなった。また、日経平均株価が上げ幅を拡大し、573円高まで上昇したことも押し上げ要因となった。ドル/円は、144.37まで下落した後は再び上昇となり、欧州時間では一時144.91まで上昇した。
(3)米国市場では、先週末に145円台で売られた動きもあり、145円台を前にして再び上値の重い動きとなった。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.864%から3.774%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、6月の米ISM製造業景況指数が市場予想の47.2を下回る46.0となり、2020年5月以来の低水準となったことも加わり、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、米国時間直前に144.91まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時143.99まで下落した。
(4)その後、FRBの根強い利上げ観測を背景に米10年債利回りが再び3.862%まで上昇したことから、ドルも上昇に転じてドル/円は144.75まで回復した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の動きに連れて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米金利が乱高下したことを受けて、ドルも主要通貨に対して乱高下となった。依然として、145円近辺では政府・日銀の介入警戒感が強いものの、欧米の利上げ観測も根強く、底固い動きが見られるなど、神経質な動きとなっている。
目先は、週末の米雇用統計、12日の米消費者物価指数の結果を見極めたいとの思惑もあり、結果を受けて米国の利上げ期待が高まるのかどうかが注目されている。そのため、発表までは神経質な展開が続く可能性も考えられる。本日の米国市場は、米国の独立記念日で主要市場が休場となることから、限定的な動きが予想されている。