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市場は米新大統領就任を無難にこなすも、米新政権の政策織込みは今後本格化か

2017/01/24
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週20日の米新大統領の就任演説に目新しい材料はなく、市場は大きく反応せず
  • 貿易政策、減税、インフラ投資などの詳細が明らかになる2月の施政方針演説や予 算教書か
  • 米財政政策の全容が明らかになるとともに、FRBによる利上げやバランスシート縮小見通しも市場の焦点に

「投資環境ウィークリー」1月23日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

先週は、日米独の株価が前週末と大きく変わらず方向性に欠ける展開。米10年債利回りは前週比0.071%上昇し、NY原油先物は前週比+0.05ドルと小動きに留まる一方、米ドルはユーロや英ポンドに対して下落、対円では横ばいでした。
トランプ米新大統領は、20日の就任演説で米国第一主義の政策を推進し米国製品の購入と米国民の雇用を重視すると発言し、就任直後の声明では環太平洋連携協定(TPP)からの離脱方針を表明。いずれも目新しいものではなく、保護主義的な貿易政策への警戒感などから同日の米株価が上げ幅を縮小するに留まりました。貿易、減税、インフラ投資など市場が注目する政策の詳細が明らかになるのはこれからであり、施政方針演説や予算教書の公表がある2月にかけて、金融市場の変動が増すでしょう。先週初にはトランプ氏の「ドルは既に高い」との発言を受けて対円でドル安が進んだものの、財務長官候補のムニューチン氏が19日の上院公聴会で「強いドルは長期的に重要」と発言するとドルは反発。新政権の為替相場に対する姿勢も現段階では明らかでなく、今後の注目点の一つと言えます。
今後、米新政権の政策内容が明らかになった後には、市場の関心は米金融政策と欧州政治動向にシフトするでしょう。先週公表された12月の米景気指標は堅調で、鉱工業生産や住宅着工件数は市場予想を上回り、総合消費者物価も前年比+2.1%と29ヵ月ぶりに+2%台に回復。米金融政策の方向性にも注目が集まります。
先週18日、イエレン米FRB議長は講演で、景気は完全雇用に近く物価は目標に向け上昇していると発言しました。12月のFOMC議事録は、利上げ速度が速まるならFRBのバランスシート縮小の議論も始めるべきとの意見を記載。米新政権の財政政策が明らかになるにつれ、市場は金融政策の正常化を意識するでしょう。
先週20日公表の中国の10-12月期の実質GDP前年比は+6.8%と市場予想の+6.7%を超過。インフラ投資など景気刺激策が景気を支えています。住宅価格の過熱に悩む主要都市による規制強化に伴って一部の都市では住宅価格の下落が始まったものの、全国規模の大幅な下落につながる可能性は低いでしょう。景気悪化懸念が後退する中、市場の関心は資本流出に伴う人民元相場の下落や外貨準備残高の減少などに移り、米新政権による同国の為替操作の評価にも関心が集まります。
今週は米国が住宅販売件数、耐久財受注、GDP、消費者信頼感等を公表します。

◆米国:足元で住宅融資申請が伸びています。24日の中古住宅販売(12月)は550万件と前月の561万件に近い水準となり、住宅市場の堅調さが確認されるでしょう。
◆トルコ:リラは2015年末より先週20日までに対米ドルで▲22.6%とメキシコ・ペソの▲20.3%をしのぎ主要新興国最弱通貨に。24日の政策会合では通貨防衛と輸入インフレ抑制のため利上げを実施か。先週21日に大統領制移行のための改憲を国会が承認し4月初には国民投票の見込みと、政治的不透明感は継続。(入村)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

1/23(月)

1/24(火)

(米)12月 中古住宅販売件数(年率)
11月:561万件
12月:(予)550万件
(英)EU(欧州連合)離脱に関する最高裁判決
(他)トルコ 金融政策委員会
レポ金利:8.0%⇒(予)8.5%
翌日物貸出金利:8.5%⇒(予)9.25%
翌日物借入金利:7.25%⇒(予)7.5%

1/25(水)

(日)12月 貿易収支(通関ベース、季調値)
11月:+5,361億円
12月:(予)+2,099億円
(独)1月 ifo景況感指数
12月:110.0
1月:(予)111.3
(英)メイ首相 下院答弁(クエスチョン・タイム)
(豪)10-12月期 消費者物価(前年比)
7-9月期:+1.3%
10-12月期:(予)+1.6%

1/26(木)

(米)12月 新築住宅販売件数(年率)
11月:59.2万件
12月:(予)58.6万件
(英)10-12月期 実質GDP(1次速報、前期比)
7-9月期:+0.6%
10-12月期:(予)+0.5%

1/27(金)

(日)12月 消費者物価(総務省、前年比)
総合    11月:+0.5%、12月:(予)+0.2%
除く生鮮 11月:▲0.4%、12月:(予)▲0.3%
(日)12月 消費者物価(日銀、前年比)
除く生鮮食品・エネルギー
11月:+0.2%、12月:(予)+0.1%
(米)10-12月期 実質GDP(1次速報、前期比年率)
7-9月期:+3.5%
10-12月期:(予)+2.2%
(米)12月 耐久財受注
(航空除く非国防資本財、前月比)
11月:+0.9%、12月:(予)+0.3%
(米)1月 ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)
12月:98.2
1月:(予)98.1(速報値:98.1)

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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