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日銀緩和の限界を懸念し乱高下した日本株 − しかし、過剰流動性が株価を下支える展開に

2016/08/02
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週は重要イベントが利益確定の売りを誘うも、過剰流動性を背景に日米株安は小幅に留まった
  • 5日の米国雇用統計では平均時給が伸びれば、年内12月利上げ確度高まる公算
  • 2日の豪州と4日の英国が、各々追加金融緩和の見通し

「投資環境ウィークリー」8月1日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

先週は重要イベントが目白押し、しかもその直前まで世界的株高が続いていたこともあり、いったん利益確定の売りに日米株式は押される展開が予想されました。予想通り、週間では日経平均株価が▲57円、NYダウが▲138ドルだけ下落しましたが、日経平均株価は7月8日の15,106円から7月21日の16,810円まで約1,700円上昇、NYダウが7月7日の17,895ドルから7月20日の最高値18,595ドルまで9連騰し約700ドル上昇した後にしては、下落幅が限られました。
先週の焦点は、日米金融政策・欧州銀行健全性審査・日本企業決算・米国GDPでした。米国金融政策は政策据え置きも米国景気の底固さが示され、一人の委員が利上げを主張するなど年内12月の利上げ確度が高まりました。日銀会合はETF(上場投資信託)の日銀購入額増額、欧州金融機関の健全性審査は伊モンテ・パスキのみtier1自己資本が▲2.4%となり増資計画へ、日本企業決算は円高の影響で電機メーカー等の売上減少、米国4-6月期GDPは前期比年率+1.2%に留まりました。
日銀が年間ETF購入額を従来の3.3兆円から6兆円に増額した背景は、(1)2017年度中の物価目標が困難なこと(6月コア消費者物価実績は前年比▲0.5%)、(2)政府経済対策との協調姿勢の顕示、(3)市場を失望させることへの懸念が想定されます。ただ、質・量・金利の三次元政策のうち今回は質だけに留まったのは、異次元緩和の効果が不透明・日銀緩和の限界(国債発行残の約3分の1を日銀保有・マイナス金利の弊害・困難な出口戦略)という問題に起因していると思われます。
次回9月20-21日の日銀会合で異次元緩和の効果検証がなされますが、今さら効果がなかったとの結論は想定し難く、政策限界説も否定しながら、当初「2年間で2%」としていた物価目標期限を削除する可能性があります。また、10月31日-11月1日の会合(展望レポート有)に向け追加緩和を模索、あるいは現行政策の継続こそが既に充分緩和的であることを強調することで、市場の行き過ぎた追加緩和期待を抑制しつつ、市場を失望させない策が採られることも考えられます。
先週の内外イベントは、必ずしも市場にはプラス材料ではありませんでしたが、日米株価の下落が小幅に留まったのは、世界経済への悲観論が後退しているためでしょう。英国BREXIT・エネルギー企業破たん・中国景気不安・日本財政規律弛緩など不透明要素は残るものの、世界経済が2016年+3.1%⇒2017年+3.4%(IMF世界経済見通し)へ拡大が見込まれるなか、世界的金融緩和に伴う過剰流動性がリスク資産へ流入しやすい構図は変わらない見通しです。
今週の焦点は、米国雇用統計・日本政府経済対策・中国PMI・豪州金融会合です。

◆米国:5日の雇用統計は、雇用者増加数より平均時給に注目です。英国BREXITの離脱通告は来年送りとみられる一方、国内の賃金インフレを注視する局面です。
◆日本:2日の経済対策閣議決定は総事業より真水(予想7兆円)規模に注目です。
◆豪州・英国:消費者物価が1-3月前年比+1.3%から4-6月同+1.0%に鈍化した豪州は2日会合で利下げ、英国も4日金融政策委員会で利下げの見通しです。(荒武)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

8/1(月)

(米)7月 米供給管理協会(ISM)製造業景気指数
6月:53.2
7月:(予)53.0
(米)ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演
(中)7月 製造業PMI(国家統計局)
6月:50.0
7月:49.9
(中)7月 製造業PMI(マークイット)
6月:48.6
7月:50.6

8/2(火)

(日)政府経済対策 閣議決定の見通し
(日)7月 消費者態度指数
6月:41.8
7月:(予)42.0
(米)6月 個人所得・消費(前月比)
所得 5月:+0.2%、6月:(予)+0.3%
消費 5月:+0.4%、6月:(予)+0.3%
(米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演
(豪)金融政策決定会合
キャッシュレート:1.75%⇒(予)1.50%

8/3(水)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨
(6月15・16日分)
(日)日銀 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
(日)内閣改造
(米)7月 ADP雇用統計
(民間部門雇用者増減数、前月差)
6月:+17.2万人
7月:(予)+17.0万人
(米)7月 米供給管理協会(ISM) 非製造業景気指数
6月:56.5
7月:(予)56.0

8/4(木)

(日)岩田日銀副総裁 講演・記者会見
(米)6月 製造業新規受注(前月比)
5月:▲1.0%、6月:(予)▲1.9%
(米)6月 耐久財受注(航空除く非国防資本財、前月比)
5月:▲0.5%、6月:(予)NA(速報値:+0.2%)
(米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演
(欧)ECB経済報告
(英)金融政策委員会(MPC、1〜4日)
政策金利:0.5%⇒(予)0.25%
(英)英中銀 四半期物価報告

8/5(金)

(日)6月 現金給与総額(前年比)
5月:▲0.1%、6月:(予)+0.4%
(日)6月 景気動向指数(速報、先行CI)
5月:99.7、6月:(予)99.7
(米)7月 雇用統計
非農業部門雇用者増減数(前月差)
6月:+28.7万人、7月:(予)+17.5万人
失業率 6月:4.9%、7月:(予)4.8%
平均時給(前年比) 6月:+2.6%、7月:(予)+2.6%
(他)夏季オリンピック リオデジャネイロ大会(〜21日)

8/7(日)

(中)7月 外貨準備高
6月:3兆2,052億ドル、7月:(予)3兆ドル

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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