4Q(11-1月期)決算速報(現地3/5引け後発表)
同社はセキュリティ大手企業でエンドポイント向け(利用者が直接使用する端末など)に強みを有します。23年5月末には生成型 AI サイバーセキュリティである「Charlotte AI」をローンチ。攻撃側も生成AIを活用するなかで防衛側のセキュリティ技術向上は必須、同分野への対策強化を図ります。
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):368.25ドル(+23.76%)
●売上高:8.45億ドル(予想8.40億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.95ドル(予想0.83ドル)〇市場予想を上回った
●2-4月期売上高見通し:9.022〜9.058億ドル(予想8.988億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●2-4月期調整後EPS見通し:0.89〜0.90ドル(予想0.82ドル)〇市場予想を大きく上回った
●2025/1期通期売上高見通し:39.2〜39.9億ドル(予想39.4億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●2025/1期通期調整後EPS見通し:3.77〜3.97ドル(予想3.76ドル)〇市場予想を上回った
引け後の時間外取引チャート
決算のポイント
●ARR(年間経常収入):34.4億ドル(予想33.9億ドル)〇市場予想を上回った
●ネットの新規ARR(年間経常収入):2.82億ドル(予想2.41億ドル)〇市場予想を上回った
●予想比較フリーキャッシュフロー:2.83億ドル(予想2.66億ドル)〇市場予想を上回った
●コア顧客リテンション・レート(継続率):98.00%(予想97.78%)〇市場予想を上回った
●株式報酬:1.76億ドル(予想1.68億ドル)×市場予想より多かった
経営陣の主なコメント
●4Qは好調な四半期だった。新規ARR(年間経常収入)は2.82億ドルと過去最高、前年比27%成長で成長が続いている。営業利益率は25%、前年同期比で10ポイント増だった
●私(カーツCEO)の創立時のビジョンにより構築された「Falcon」は、エンドポイント(使用者端末)保護を超えた課題を解決する単一プラットフォームと自負している。導入が簡単かつ最速のテクノロジーであり、AIネイティブなプラットフォームにより、ベンダーの統合が瞬時かつスムーズに行われる
●当社の2024年版世界脅威レポートでは、今日のサイバー環境の厳しい現実を明らかにしている。ハッカーが数時間かかっていた攻撃がより高速になり、数分、数秒に短縮された。攻撃速度は早まるばかりだ
●多数の経営陣と議論する中でサイバーセキュリティは AI と並ぶ最優先事項だ。SEC違反の開示規制は企業および取締役会に対するプレッシャーとなりうる
●そういった環境を背景に当社の契約高は伸びている。取引額100万ドル超の契約は250件以上、同50万ドル超は490 件以上、同10万ドル超が 1,900 件以上あった。取引件数はすべてのセグメントで前年比30%以上増だった
●イノベーション・ペースは加速している。「Falcon for IT」と「Charlotte AI」を一般顧客向けに提供開始した
決算を受けたマーケットの反応
2/20に同業大手のパロアルトネットワークス(PANW)が2Q決算を発表。通期の売上高見通しを下方修正(81.5〜82.0億ドルから79.5〜80.0億ドル)し株価は2月の高値から約30%の大幅調整となりました。クラウドストライクの決算に対しても警戒感が先行しておりましたが、2025/1期通期売上高見通しや調整後EPSなど市場予想を上回る好決算に懸念を払拭した形です。
経営陣は良好な業績の背景に、様々な産業ですすむ生成AI利用におけるセキュリティの重要性を指摘します。攻撃側も生成AIを使用し攻撃速度がより高速化されるなか、同社のクラウド対応のエンドポイント(使用者端末)向けサービスが優位性を発揮しているようです。AI関連の側面も持つ同社の株価見通しは明るいと言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:352.43ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.69
同、相関チャート上位の同業はゼットスケーラー(ZS)、パロアルトネットワークス(PANW)、クラウドフレア(NET)
最低投資金額:45,000円(3/5終値、1ドル150円換算)