今週はいよいよアーム・ホールディングス（ARM）が決算を発表します。上場後初の決算発表は市場の期待を上回る事も多く、より注目度が高まります。またウォルト・ディズニー（DIS）やユニティ・ソフトウェア（U）といった個人投資家に人気の企業も決算を発表します。

先週の米国株式市場ではS&P500指数が5連騰を達成。長期サポート・ラインの200日移動平均線を大きく上回ってきました。11/1に行われたアメリカの金融政策を決定するFOMCで、2回連続の政策金利の据え置きを決定。利上げサイクルの終了が期待され、株式市場に資金が回帰してきたようです。

これまでに決算発表を行ったS&P500指数構成銘柄406社の動向をみると、売上高が市場予想を上回った企業は196社（49.0%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は328社（82.0%）となっています（11/3時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。

アーム・ホールディングス（ARM）　11/8　引け後

ソフトバンクグループの傘下企業で半導体設計の世界最大手と言えるでしょう。スマートフォン向け半導体設計では9割超のシェアを占めます。同社のビジネスモデルはライセンスとロイヤルティーで、半導体企業にライセンスを供与した際のライセンス収入、チップ出荷の際のロイヤルティー収入で構成されます。省電力設計に強味を有する同社。AI向けなど大量の電力を消費するチップ向けにシェア拡大が期待されます。

同社は9/14に米ナスダック市場に上場。今回が初めての決算発表となります。スマートフォン向け、コンシューマー・エレクトロニクス向けに圧倒的な存在感を示す同社。それらの実績に加えてAI向けなどデータセンターや、自動車向けで成長ストーリーを示すことができるか、注目されそうです。

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マラソン・デジタルホールディングス（MARA）　11/8 引け後

ブロックチェーンエコシステムとデジタル資産の生成に焦点を当てて暗号資産をマイニングする企業です。

前回発表の2Q決算では売上高が0.818億ドルと市場予想の0.835億ドルを下回りました。ただ経営陣はハッシュレート（ビットコインなど暗号資産マイニング時の計算力、採掘速度を表したもの）を大幅に向上させ、効率を改善することで2Qの進捗を加速させたと自信を示します。

今回の決算発表では年初から上昇トレンドを辿るビットコインなどの市場環境を追い風にうけられるか、ハッシュレートの状況、フリーキャッシュフローなど事業動向を確認したいところです。

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ウォルト・ディズニー（DIS）　11/8 引け後

世界的なエンターテインメント企業。パーク事業の印象が強い同社ですが、メディアネットワークが主力事業となります。最近はストリーミング事業などリストラ動向が株価材料として注目されております。22年11月アイガー氏がCEOに再任、前四半期では26年までの任期延長を発表しました。

前回発表の3Q決算ではディズニー+などのストリーミングを含むDTC部門の赤字が5.12億ドルと前年同期の10億ドルから半減。改革が進んでいることをアピールしました。

今回の決算発表では注目を集めるストリーミングの会員数。コンテンツの提案力改善から4Qには増加に転じると見込まれていますが、果たして実績はいかに！？　また、ペルツ氏などモノ言う株主の圧力も再び高まりつつあります。コンテンツの魅力を生かしきれていないと指摘される同社は、買収のターゲットとも噂されます。外野の声を跳ねのけることが出来るか！？アイガーCEOの手腕が注目を集めそうです。

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ユニティ・ソフトウェア（U）　11/9　引け後

同社はインタラクティブなリアルタイムの3次元コンテンツを作成・操作するためのプラットフォームを提供する企業。ゲーム・エンジンでは世界最大規模を誇ります。また同社のサービスは政府系、航空防衛、自動車、家電、ヘルスケア、小売、映画など幅広い業種で採用されております。技術力の高さには定評があります。

前回の2Q決算では23/12期通期売上高見通しの下限を引上げ、会社予想の中間値はわずかに市場予想を上回りました。ただ顧客数の伸びがやや鈍化しつつあるところは気になるところです。

10/9にはリッチティエロCEOの退任を発表した同社。また顧客の反発を招いた料金プランの変更などが業績に影響するかなど、注目度の高い決算発表と言えそうです。

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