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3Q（7-9月）決算速報（現地10/26引け後発表）
世界最大級のEコマース企業。クラウド・ビジネスでもAWSで業界をリードする存在。2年前にCEOに就任したジャシー氏の改革が本格化、独自色を打ち出す。また傘下のベンチャー企業Zooxは自動運転で存在感を発揮。ロボ・タクシーや物流改革にも活用すると見られ、目が離せない存在に。
●決算発表後の時間外取引（日本時間9:00時点）：125.93ドル（+5.32%）
●売上高：1,430.8億ドル（予想1,415.6億ドル）〇市場予想を上回った
●EPS：0.94ドル（予想0.58ドル）〇市場予想を上回った
●営業利益：111.9億ドル、前年同期は25.3億ドル（予想77.1億ドル）〇市場予想を大きく上回った
●営業利益率：7.8％、前年同期は2.0％（予想5.46％）〇市場予想を大きく上回った
●10-12月期売上高見通し：1,600〜1,670億ドル（予想1,665.7億ドル）×中間値が市場予想を下回った
●10-12月期営業利益見通し：70〜110億ドル（予想87.1億ドル）〇中間値が市場予想を上回った
売上高とEPSは市場予想を上回りました。引け後の取引ではジャシーCEOが生成AIビジネスが急成長していることに言及、株価は買い先行となりました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
地域別売上高
●北米売上：878.9億ドル（予想871.2億ドル）〇市場予想を上回った
●海外売上 ：321.4億ドル（予想320.8億ドル）〇市場予想を上回った
事業別売上高等
●オンライン売上：572.7億ドル（予想568.2億ドル）〇市場予想を上回った
●実店舗売上：49.6億ドル（予想49.9億ドル）×市場予想をわずかに下回った
●サードパーティーセラー売上：343.4億ドル（予想334.0億ドル）〇市場予想を上回った
●サブスクリプション売上：101.7億ドル（予想101.3億ドル）〇市場予想を上回った
●広告サービス売上：120.6億ドル（予想116.2億ドル）〇市場予想を上回った
AWS
●AWS売上高 ：230.6億ドル、前年同期比+12％（予想231.3億ドル）×市場予想をわずかに下回った
費用
●フルフィルメント（物流・配送費用）：223.1億ドル、前年同期比+8.4％（予想221.4億ドル）×市場予想をわずかに下回った
経営陣の主なコメント
●輸送ネットワークを米国内1カ所の全国向けネットワークから8地域制に移行。これは当社の歴史でも最も重要な改革策の1つといえよう。在庫を維持、適切に管理することで顧客に商品を届けるまでの距離が短くかつ接触機会が減少する。結果、コスト削減も可能。また重要なことは、顧客が荷物をより早く受け取ることができることである
●顧客満足度の向上や購買行動にとって配送速度は非常に重要である。一つの例として消耗品や日用品の大幅な伸びがある。当社サービスの敏速化で、より多くのニーズに応えられるとみている
●AWSに関して。ほぼすべての企業が生成AIを念頭に置いている。当社は３層に定義し積極的に投資している
●AWS で生成 AIのアプリケーションを構築している企業の数は膨大。具体的企業としてはアディダス、ブッキングドットコム、ゴー・ダディ、メルク、ユナイテッド航空などがある。その数は急速に増加している
●また、広告、アレクサ（音声アシスタント）、プライム・ビデオ（動画サービス）など様々な分野で活用しており効果を得ている
●生成 AI の成長のペースは驚異的。生成 AI ビジネスは急成長しており非常に重要なビジネスとなっている。かつ、まだ初期段階にあるとみている
●ヘルスケア・チームは顧客が薬の購入などに容易にアクセスできるよう取り組んでいる。アマゾン・ファーマシーの顧客エクスペリエンスは今年大幅に進化。月額 5 ドルで対象医薬品をサブスクリプションで購入可能。インスリンなど糖尿病患者の負担軽減に貢献している
決算を受けたマーケットの反応
ジャシー改革による利益の規模と利益率の向上に目を見張る。一方、注目を集めていたAWSの成長率は安定、成長ペースのスローダウンにも株価は過剰反応を示さなくなった。
Eコマース、AWSなど様々な事業分野で大量のデータを有するアマゾン。AIの効率化には分析能力もさることながら、学習量（データ量）が重要との認識を示す。AWSとの相乗効果から売上の再加速があるのか、目が離せません
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均：172.23ドル
アナリスト・レーティング：5段階評価の4.91
最低投資金額：18,000円（10/26終値、1米ドル150.4円換算）
