今週の決算発表ではホーム・センターなど住宅関連製品を幅広く手掛けるホーム・デポ（HD）や総合ディスカウント・ストアのターゲット（TGT）、ウォルマート（WMT）、デジタル・バンク大手のヌー・ホールディングスなどが決算発表を行います。小売り関連企業の決算発表は、インフレや急ピッチで進む利上げの影響が個人消費に及んでいるのか、業績動向と併せて注目を集めそうです。

これまでに決算発表を行ったS&P500指数構成銘柄455社の動向をみると、売上高が市場予想を上回った企業は263社（57.9%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は362社（79.7%）となっています（8/11時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。

ヌ−・ホールディングス（NU）　8/15　引け後

同社はブラジルでデジタルバンキング・プラットフォームを運営。主たる子会社のヌー・バンクは2013年の設立と比較的新しい企業です。上場前からユニコーンとして注目を集め、デジタル企業への投資では定評があるベンチャー・キャピタルのセコイア・キャピタルが14年、中国のテンセント（700HK）は18年、IPO前にはバークシャー・ハサウェイも出資しております。

5/15に発表した1Q決算で売上高は市場予想を大きく上回り、利益でも3四半期連続で黒字確保と良好な内容でした。株価はボックス圏から上放れ、年初来高値圏で推移しております。今回の決算発表では黒字基調が維持されるか、顧客当り売上高の伸び、メキシコ、コロンビアでの口座獲得数の伸びといったところが注目されそうです。またブラジルは8/2に3年ぶりに政策金利を引下げました。利下げが事業に及ぼす影響も確認したいところです。