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1Q(1-3月)決算速報(現地4/26引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):233.75ドル(+11.63%)
●売上高:286.5億ドル(予想276.7億ドル)〇市場予想を上回った
●EPS:2.20ドル(予想2.01ドル)〇市場予想を上回った
●4-6月期売上高見通し:295〜320億ドル(予想294.8億ドル)〇下限値も市場予想を上回った
●2023/12期通期費用見通し:従来予想の860〜920億ドルから860〜900億ドルへと上限を引下げた(予想898.7億ドル)〇中間値が市場予想より少なかった
●2023/12期通期資本的支出(CAPEX):従来予想の300〜330億ドルを据え置いた(予想314.6億ドル)△中間値が市場予想とほぼ一致した
売上高、調整後EPSとも市場予想を上回りました。4-6月期の売上高見通しについては、会社予想下限値すら市場予想を上回りました。くわえて費用見通しも上限を引下げ、リストラの進展を感じさせました。好感した株価は引け後の取引で10%を上回る急騰となりました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●Family of Apps(フェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップ、その他サービス)売上:283.1億ドル、前四半期は314.4億ドル(予想268.8億ドル)〇市場予想を上回った
●その他収入:2.05億ドル(予想2.20億ドル)×市場予想を下回った
●Reality Labs(VRサービス)売上:3.39億ドル(予想6.13億ドル)×市場予想を大きく下回った
●広告インプレッション回数(広告表示回数)前年比:26.0%(予想13.81%)〇市場予想を大きく上回った
●予想比較資本的支出(CAPEX):68.4億ドル(予想73.5億ドル)市場予想より少なかった
●従業員数:77,114名(予想78,245名)〇市場予想より少なかった
●22年に発表した人員削減はほぼ完了した
フェイスブックの会員動向
●デイリーアクティブユーザー(DAU):20.4億人(予想20.1億人)〇市場予想を上回った
●マンスリーアクティブユーザー数(MAU):29.9億人(予想30.0億人)△市場予想とほぼ一致した
●ユーザー当り平均収益:7.59ドル(予想7.15ドル)〇市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●現在 30 億人以上の人々が毎日少なくとも 1 つのアプリを使用している。フェイスブックは、DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)が 全世界で20 億人に到達、米国とカナダでは2 億人というマイルストーンに達した。
●採用部門と技術部門でリストラ、レイオフを実施。5 月にはビジネス・グループ全体で実行する予定。これらは困難なプロセスだが、完了した後は従業員にとって安定した環境が得られよう。そして今年の残りの期間は分散している作業モデルを改善し生産性向上 AI ツールの提供、全社の不要なプロセス削除に集中する予定。
●当社のアプリ全体で使用が大幅増、収益効率が向上。リール(注:対TikTokの短尺動画)は、フェイスブックとインスタグラムの両方で急成長を続けている。人々はリールを毎日 20 億回以上再共有しており、これは過去 6 か月で倍増。リールもアプリ全体のエンゲージメントを高めており、短編動画でもシェアを獲得していると考えている。
●本日の重要なテーマは AI 。生成AIがメタのアプリやサービスの全てに影響を及ぼす、足元で進む業界のAI競争でメタは良好な立ち位置にある。
●当社がメタバース構想重視から離れつつあるとの見方があるが、それは正しくない。当社は以前からAIとメタバースの両方に注力してきた、今後も両方に注力し続ける。両分野は関連性もある。
決算を受けたマーケットの反応
●売上高、調整後EPSとも市場予想を上回りました。4-6月期の売上高見通しについては、会社予想下限値すら市場予想を上回りました。くわえて費用見通しも上限を引下げ、リストラの進展を感じさせました。好感した株価は引け後の取引で10%を上回る急騰となりました。
●リストラの進展を再確認するとともに落込んでいたデジタル広告が予想外に好調。前四半期に続くポジティブ・サプライズとなりました。対TikTokの短尺動画「リール」が好調、フェイスブックなどの会員数も堅調。本業が好調で下期の上積み期待と収益率の改善が株価材料となり、引き続き上値を追う展開となっております。メタ・バースや生成AIなどが事業化すれば更なる上値も期待できそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:247.44ドル、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.31(4/26時点)