sitthiphong - stock.adobe.com
4Q(10-12月期)決算速報(現地1/19引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):338.25ドル(+7.12%)
●売上高:78.5億ドル(予想78.6億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●調整後EPS:0.12ドル(予想0.58ドル)×市場予想を下回った
●1-3月期売上高見通し:81.7億ドル(予想81.7億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●1-3月期調整後EPS見通し:2.82ドル(予想2.99ドル)×市場予想を下回った
●2023/12期通期フリーキャッシュフロー見通し:最低でも30億ドルを見込む(予想24.1億ドル)〇市場予想を上回った
●2023/12期通期営業利益率見通し:概算で21〜22%を見込む(為替変動見込まず)
売上高は市場予想とほぼ一致、調整後EPSは市場予想を下回りました。ただ回復傾向にある有料契約者数は766万人増と前四半期の241万人増から大幅増、市場予想の450万人増を大きく上回りました。フリーキャッシュフローも3億ドルを上回るなど良好な決算から引け後の取引では7.1%高と買いが先行しました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●共同創業者のリード・ヘイスティングス氏が共同最高経営責任者(CEO)を退任し執行会長に就任
●グレッグ・ピーターズCOOが新たに共同CEOに昇格
●営業利益率:7%(予想4.45%)前年同期8.2%〇市場予想を大きく上回った
●フリーキャッシュフロー:3.32億ドル、前年同期-5.69億ドル(予想1.99億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●10-12月期有料契約者純増数:766万人増(予想450万人増)、前四半期は241万人増、〇市場予想を大きく上回った
●英王室をテーマにした「ハリー&メ―ガン」、アダムズ・ファミリーの長女をテーマにした「ウェンズデー」、ノルウェーのとある山脈に突如出現した巨人の妖精の物語「トロール」(非英語作品)やダニエル・クレイグ主演のミステリー「グラスオニオン」などが好調だった
●総契約者数:2.31億人、(予想2.28億人)、前四半期2.23億人〇市場予想をわずかに上回った
●セリング&マーケティング費用:8.32億ドル(予想8.26億ドル)予想よりわずかに多かった
地域別有料契約者動向
●北米:91.0万人増(予想55.4万人増)〇市場予想を大きく上回った
●欧州中東アフリカ:320万人増(予想127万人増)〇市場予想を大きく上回った
●南米:176万人増(予想72.7万人増)〇市場予想を大きく上回った
●アジア太平洋:180万人増(予想193万人増)×市場予想を下回った
経営陣の主なコメント
●後継者育成を目的としてリード・ヘイスティングスが会長に就任し、グレッグ・ピーターズがCOOから共同CEOに就任、テッド・サランドス共同CEOと経営をリードする
●11月に新しい低価格の広告サポートプランを開始したが初期の結果に満足している。ただし、マーケティング戦略として視聴者ターゲティングと視聴率分析などやるべきことはたくさんある
●利用者が有料契約から無料の広告付きプランにダウングレードする傾向は見られない
●ゲーム・コンテンツを提供してから1年が経過。モバイル・デバイスに配信するためのインフラを整備し様々なジャンルにわたる50のゲーム・ポートフォリオを構築した。また、4つのゲームスタジオを買収、社内の制作能力を強化するなど、大きな進捗を成し遂げた
●23年は自社株買いを再開予定
決算を受けたマーケットの反応
●売上高は市場予想とほぼ一致、調整後EPSは市場予想を下回りました。ただ回復傾向にある有料契約者数は766万人増と前四半期の241万人増から大幅増、市場予想の450万人増を大きく上回りました。フリーキャッシュフローも3億ドルを上回るなど良好な決算から、引け後の取引では7.1%高と買いが先行しました
●21年末から22年上期は、パンデミックによる巣籠の需要先食いの反動に苦しんだ同社。金利上昇の逆風も重なり株価は高値の700ドルから162ドルと7割以上の下落となりました。しかしコンテンツへの継続的な投資からヒット作を連発する同社。ストリーミングのライバル各社を尻目に会員数が再び増加に転じ、また広告モデルの導入やマイクロソフトとの提携など第二の成長ステージ、復活を予感させます。PERは29.7倍、売上高成長率は二桁にとどこうかという同社株に再評価の流れが続きそうだ
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:317.87ドル(1/19時点)